COTE D'IVOIRE

アビジャンに住んでいました(1999.3-2002.10)
サイト《象牙海岸にて》の続編を綴ってみます。

国の主権(コートジボワール)

2006年01月20日 | 国際会議・関係
今回も国の主権が他国に侵されたという意識は強いようです。
バボ大統領はいつもこの点を問題にしてきました。元首相(現FPI代表)のアフィ・ン・ゲサン も「交渉余地の無い国家主権の侵害」を問題と言っており、有識者の中でも反発は大きかったようです。
今回問題となっているのは議会(国会)の解散ですが、これは国連の安保理決議1633号として2005年10月21日に可決されております。この議決の第11項に、議会解散のことがあり、ワーキンググループが2005年12月16日までに解散を勧める(invite)ようになっています。
(決議書は下のURLからダウンロード可能です。(仏文):英文もあるはずです)
http://www.un.org/french/docs/sc/2005/cs2005.htm

フランス語のinviteは招待すると言う意味と同様に、…に…するように誘う,勧める,促す
[出典:株式会社旺文社 プチ・ロワイヤル仏和・和仏辞典]と言うような意味があることから、
コートジボワールの関係者は、互いに同意した強制的なものではないと判断し、コートジボワール側が了解すれば、と言う程度に解釈したのでしょう。
決議の冒頭に<<コートジボワールの現状における、国内問題の解決と、大統領の声明について、主権、独立、国土の統合とコートジボワールの統一を尊重しつつ、・・・>>の言葉があることから、
議会の解散は議決第1633号に抵触すると言っているコートジボワール国内の先生もいたようです。
12月から、この件についてはかなりもめており、「議会の解散は宣戦布告と同じ」とも言われていました。
そして元スポーツ大臣で愛国女性の代表グレベ女史は「イスラエルは幾度も国連の決議に反対してきた。~ 彼らが多勢だと言うことを ~ ヘブライの国の頭に空の落ちることは無いと言うことを、~ 神のみが知っている。」などと(謎を?)言い。ワーキンググループ代表のピエール・ショーリ氏を厳しく非難しています。

一方、フランスの防衛大臣、Michèle Alliot-Marie (Ministre française de la Défense)
彼女も負けず、『・・・もう議会は一ヶ月以上も機能していない!』とかなりの迫力です。
(下のURLはいきなり声が出ると思います)
http://www.tv-radio.com/ondemand/rfi/
国際約束と国民の主権のどちらが優先されるべきか?
一応議会は国民の代表ですからね、

決議書をどのように読むか、、、互いが異なる解釈のできるようなものは困ります。

ただ今は、それらよりも優先してやるべきことがあると、国連も承知のことかもしれませんが、もう少し、ちゃんとした対話ができないものか、 それが残念です。

議会の解散に反対した若者の騒動(アビジャン他で)

2006年01月20日 | 騒動と戦争
2006年1月20日
またまた若者が騒いでいます。しかもバイオレンスのオーケストラと表現されています。
若者が独自に騒いでいるのではなく、期を同じくして離れたところで、暴力を望む誰かの指揮により国連軍に反抗しているということです。国連事務総長のコフィ・アナン氏も非難しています。何らかの制裁が行われるようです。
今回の原因は国際ワーキンググループがコートジボワール議会の継続を認めなかったことにあります。どうせ機能していないのだから、と思いたくもありますが、国家にとって議会まで他国の言うとおりにされてたまるか、俺たちの国は俺たちがやると言う、相変わらずの筋書きです。国際機関にしても、こういう決定(イボワリアンの主権をないがしろにする)に対し、どのくらい反発が大きいか、学習しているはずですので、承知の上での仕掛けと見ることができるかもしれません。
ともかく見た目は同じことの繰り返しです。ラジオ(rfi)を聞いていたら、「危機ではなくて平和へ向かったマラソンだ。」とJ. M. ゲエンノ氏がインタビューに応えています。前向きととるか、楽観的ととるか、今の段階では後者のようにも思われます。
オバサンジョ(ナイジェリア)大統領の仲裁もあり、19日朝には政府が議会の解散を認め、若者もバリケードを解き静けさを取り戻したとのことです。
アビジャンやギクロなどの町の騒動は3日間続き、死者4名と発表されています。
http://www.rfi.fr/actufr/articles/073/article_41193.asp