温暖化に挑戦する人たち

今後の国連気候会合の動きを現地から紹介。ここでは特に国際的な約束を巡って市民社会がどう働きかけるかを追いかけます。

気候変動対策とネオ・キャピタリズム

2007-12-07 11:51:17 | Weblog
市民社会フォーラムと同じ会場で、「ソリダリティービレッジ」が始まりました。ラ・ビーア・カンペシーナという団体が主催し、FoEもセレモニーやワークショップで協力しています。7日から10日の間、気候問題における「ネオ・キャピタリズム」への反対を懸念して、バイオ燃料や気候とジェンダーなどクライメート・ジャスティスを脅かす問題に焦点を当てたワークショップやフォーラムを開催します。

開会式では、FoEからもスピーチを行い、今、市民が立ち上がることが重要なのだと力強く訴え、会場からも多くの支持を得ました。(写真)

>関連:FoEのクライメート・ジャスティスを求めるメッセージ

気候変動の影響を受けるコミュニティーの声

2007-12-06 12:18:10 | Weblog
5日、FoEインターナショナルは、「気候変動の影響を受けるコミュニティーの声」と題して、国連公認サイドイベントを開催しました。
メイン会場でもサイドイベントでも、ポスト2012の為の交渉の在り方や森林減少クレジットの在り方、各国のスタンスなどにフォーカスが当たる中、コミュニティーの声を取り上げるという異色のイベントになりました。

スピーカーに、海面上昇により深刻な被害を被っているカテレット島のウルスラ氏、ハイチからは増加するハリケーン被害を訴えるアルデリン氏、東カリマンタン(インドネシア)から先住民族のアンブリアンシャ氏を迎え、それぞれのコミュニティーの状況をお話いただきました。

「私たち自身が、環境変化に適応できるように努力しなければならない。ただし世界は私たちの状況を知るべきだ。私たちは支援を必要としている。」
と適応支援を訴えました。

FoEインターナショナルは、国連会場の中であえてコミュニティーの声を取り上げることで、交渉に対し、脆弱な人々の視点を取り入れた適応基金や気候債務の返済(歴史的な排出責任)を強く求めています。

最後にアンブリアンシャン氏の言葉「私は気候変動の解決方法は何も提案できない。ただ、ひとつ言えるとしたら今、私たちは平和に基づくモラルのムーブメントが必要なのだ。」
(写真:東カリマンタン先住民族 アンブリアンシャ氏)


REDD,への懸念

2007-12-06 11:45:26 | Weblog
FoEは森林減少、劣化による排出の削減(REDD)と炭素市場を結びつけることが提案されていることで森林に依存して生きる先住民族などの人々土地の権利や文化を侵害される懸念を抱いています。しかしながら市民社会団体の心配をよそに、気候会合では森林保護と気候変動防止が同時にできる素晴らしい可能性として議論されています。
FoEは、気候会合のメイン会場であるコンベンションセンターの前で、REDDに対する市民の懸念を訴えるデモンストレーションを行いました。

>FoE JapanのREDDに関する見解

COP会場のレンタル自転車は運営の中での石油会社のグリーンウオッシュ!?

2007-12-05 15:00:54 | Weblog
会場の外での出来事。
今回のバリ会合の会場は、バリのヌサ・ドゥアというリゾート内のコンベンションセンター(メイン会場)、グランドハイアットホテル(サイドイベント会場)、市民社会フォーラムの会場と3ヶ所に分かれています。メイン会場からサイドイベント会場までは1kmも離れているうえに、シャトルバスもあまり効率よく動いていない状況です。そんな中、温室効果ガスも排出せずに次の会場まで簡単に行ける、「自転車」のレンタルサービスがあります。この快適かつエコフレンドリーな移動手段は参加者にも好んで利用されているのですが・・・。

今日の昼下がり、市民社会フォーラムの会場の真ん中で何かを取り囲む人だかりと報道陣のカメラ。
何を囲んでいるのかと思ったら、会場が貸し出している例のレンタル自転車。
これはインドネシアのNGOが、レンタル自転車の一部が石油会社の協賛であることを非難したデモンストレーションでした。レンタル自転車が、気候会議に貢献しているように見せかける石油会社のグリーンウオッシュであることを訴えています。
残念ながら、気候会合の参加者のほとんどはそんなことも知らずに、レンタル自転車は利用されつづけます。(一部、自転車会社協賛のものもあります)

日本、『化石賞』総なめに!!

2007-12-05 14:08:56 | Weblog
CAN(Climate Action Network:世界中の気候NGOのネットワーク・・・FoEも参加)は、毎日、その日の議論の中で最もネガティブな言動をした上位3カ国に『化石賞』を授与しています。

今日の受賞は、
1位・・・日本!
2位・・・日本!
3位・・・アメリカ、カナダ、そしてまた日本!

そう、日本は稀に見る1、2、3位を独占受賞したのです。
理由は、昨日の日本の京都議定書を廃棄するような発言(1位獲得理由)、京都誕生の年(10周年)を当時の開催国であった日本が先頭に立って祝福しなければならないような時に、自ら廃棄するような態度であること(2位獲得理由)、そして今日、技術移転の議論を実施レベルに持ち込むことを阻むような発言をしたこと(3位獲得理由)

CANは、日本が次期枠組において、法的な削減義務を伴わない各国での自主目標の設定を提案していることに対しても非常に懸念を抱いています。

バリ会合開幕 ~オーストラリア批准へ~

2007-12-03 13:37:21 | Weblog
昨年のスターンレビュー、アル・ゴアの映画とノーベル平和賞の受賞、そして今年2月から発表されてきたIPCCの最新レポート等により気候変動の深刻性への理解が深まり、各国政府や産業界、メディアも今までになく気候政策に関心を示しています。バリ会合には180ヶ国もの政府代表団と、世界中からメディアやNGOを含めて約1万7千人が参加します。

開幕初日、ついにオーストラリアの新政府が京都議定書の批准手続きに入ることを報告!
これで、先進国の中で米国だけが取り残されることになります。
今後の交渉の中で、オーストラリアがどのように建設的な役割を担えるかも注目されます。

前向きなオーストラリアの話題に盛り上がる一方で、日本政府は京都議定書を否定するとも受け取られる非常に後ろ向きなステートメントを発表し、世界中のNGOから非難を浴びています。

NGO、COP13に向けて戦略会議

2007-12-02 12:31:14 | Weblog
COP開催をいよいよ明日に控え、インターナショナル市民社会フォーラム、CAN(Climate Action Network)、そしてそれぞれのNGO内で戦略会議が行われています。

NGO間のポジションの調整、ロビー活動、UN会議場外での市民運動等の打ち合わせ、本国との連絡に忙しく駆け回っています。
(写真はFoEインターナショナル準備の様子)

NGO、バリに続々と集合

2007-12-02 00:29:09 | Weblog
今日からCOP13参加者のレジストレーションが始まりました。
セキュリティーを重視してでしょう、会場はバリ島でも有数のリゾート地、ヌサ・ドゥアのコンベンションセンターです。

とはいえ、セキュリティーチェックもなんだかインドネシアの国民性を表わすように、なんだか温かいというか穏やかというか。(会議が始まればまた違うのかもしれません。)

レジストレーションはコンベンションセンターの前に建てられた簡易テント。
今朝はまだまだ登録に来る参加者も少なく、スムーズにIDを入手できましたが、午後にはもうテクニカルなトラブルが発生。明日からさらに増えていく参加者に対応できるか心配です。

コンベンションセンターは、嵐の前の静けさ?か、通りすがる人もまばらです。
一方で、車で5分ほどの場所にあるホテルでは、インドネシア中から集まったNGOやコミュニティー代表者が、COPに向けた最終的な戦略会議「インドネシア市民社会フォーラム準備会合」を開きました。市民社会フォーラムには、インドネシア各地の先住民族、女性、若者団体を含む様々なNGOが参加し、3日から7日にかけて様々なワークショップ、フォーラム、宣言の発表、展示、文化イベントなどを行っていきます。(写真は、準備会合でFoEインドネシアによる気候変動問題と社会問題の関係の発表の様子)


明日は、世界中のNGOが集まってインターナショナル市民社会フォーラム準備会合が開催されます。

FoEの宿泊するホテルにも続々と国際NGOが集合し、レストランは情報交換とひたすらPCに向って母国に情報を発信する場と化しています。


FoEプレスリリース 

2007-11-29 11:12:19 | Weblog
バリ会合に向けた FoEインターナショナルのプレスリリースです。

プレスリリース

バイオ燃料に関する宣言文

FoEインターナショナルは、バリ会合にむけて、特に途上国の温暖化適応対策に対する先進国の責任と、バイオ燃料問題(適切でない緩和対策)に焦点を当てています。

Fridends of the Earth バリでのイベント

2007-11-25 03:47:10 | Weblog
Friends of the Earthグループが主催及び参加するバリでのイベントを紹介します。


12月3日‐5日・・・インドネシア市民社会フォーラム(FoEインドネシア)
12月5日・・・FoEインターナショナル国連公式サイドイベント
12月7日・・・インドネシア市民社会団体国連公式サイドイベント
12月8日・・・インターナショナルアクションデイ
12月7日‐10日・・・Cool PlanetのためのSolidality Village(日程、時間未定)
12月15日・・・CAN記者会見、FoEプレスリリース

このほか、街頭でのバナーや写真を使ったアクティビティも実施します。