昨日の記事にも書きましたが明日の夜はふたご座流星群のピークです。
月明かりがなければ空の暗いところに行くと1時間当たり100個近い流れ星が見える三大流星群の一つです。
ピークがなだらかなので長い時間同じぐらいの数の流れ星が見えるのですが、今年は月明かりがあるのでそれほど数は期待できないようです。
アマチュアの流星研究者である佐藤 幹哉さんの予測によれば明日の夜中0時ごろに市街地で1時間当たり5個程度、空の暗いところで26個程度となっています。(一人がみられる数で表記されています)
明後日が日曜日なので空の暗いところに出かけてみてもよいですね。
出かける場合は防寒対策をお忘れなく。
ふたご座流星群に関してニュースがありました。
流星群のもとになっている塵の帯(ダストトレイル)が可視光で観測されたそうです。
毎年現れる流星群は彗星のまき散らした塵(ダスト)が彗星の軌道上に分布していてその中に地球が飛び込むことで流れ星になることがわかっています。
2001年に大出現を日本で観測できたかの有名なしし座流星群はテンペル-タッ トル周期彗星(周期33年)、夏の流星群であるペルセウス座流星群はスイフト-タットル彗星(周期130年前後)の塵(ダスト)がその源です。
流星群のもとになっている天体を母天体と呼びます。
ふたご座流星群は19世紀から出現し始めた新しい流星群で長らく母天体が不明でした。
その出現数の変化から21世紀には見られなくなるのではと予測されていた時期がありました。
1983年に小惑星ファエトン (3200 Phaethon 周期1.6年) が発見され、その軌道がふたご座流星群の軌道とほぼ一致したことから母天体であることがわかりました。
小惑星は塵(ダスト)を出さないことからファエトンは元は彗星で氷などの揮発性のものを放出しきった残りと考えられていました。
その後、2013年に彗星状の尾が観測され弱いながらもまだ彗星としての活動をしていることがわかりました。
昨年8月に打ち上げられた太陽コロナ観測探査機Parker Solar Probeに搭載されたカメラで、小惑星Phaethonのダストトレイルが捉えられたそうです。
こちらの記事
で紹介しましたが、20年以上前は流星群の出現予想はできない状況でした。
そこにイギリスの天文学者アッシャーとマックノートの二人が提唱したダストトレイル理論が登場しました。
1999年のしし座流星群の出現を見事に予想して注目を集め、2001年の日本での出現も計算通りになりました。
ファエトンのダストトレイルが観測されたことでふたご座流星群の出現予測の精度が上がることが期待されます。
ファエトンと地球の軌道が最も接近するのは 2223年で当分の間はふたご座流星群を見ることができそうです。
尚、ファエトンのダストで流れ星が見えるということはファエトンも地球に近づくことがあるわけで、2093年12月14日に地球と月の距離のおよそ10倍のところを通過すると予測されています。
今まで見つかっている地球に衝突する危険性のある天体の中では最大(直径5.8km)だそうです。