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東方閃電はどこに由来するのか

「ちょうど、いなずまが東から西にひらめき渡るように、人の子も現れるであろう。」(マタイによる福音書 24:27)

「お母さん、家に帰らない方がいい」

2019-07-25 11:04:35 | ニュース

「お母さん、家に帰らない方がいい」

全能神教会の信者の息子が韓国を訪れ、海外逃亡した母親に中国に戻らないよう説いた。帰国すれば即座に逮捕されるからだ。

中国最大のキリスト教 新興宗教団体 である 全能神教会 は国内では 中国共産党 により禁じられ、暴力的な迫害を受けている。数百人の信者が保護を求めて韓国へ脱出している。

その1人に唐璐(タン・ルー)さん(安全のため、本名は公開しない)という女性がいる。彼女も、韓国に行ったからと言って見逃されたわけではない。韓国における全能神教会信者の政治的亡命の申請を妨害するため、中国共産党は脅迫などの手段を使って教会員の中国に住む親族を募っている。そして彼らを韓国に連れて行き、現地で「親族を探す」という口実のもと、デモを行っている。全能神教会信者を中国に引き戻すのが目的だ。先日、唐璐さんの息子も韓国に赴いた。しかし、政府が組織する「親族を探す団体」に属する人々とは異なり、母親に絶対に帰国しないように、と告げた。

息子からの電話
5月10日、全能神教会の信者仲間である王(ワン)さんが、中国の唐璐さんの息子から電話があり、彼女を探していることを伝えた。唐璐さんが国外逃亡以来、3年ぶりに息子から受けた連絡だった。中国共産党がインターネット、電話回線を厳しく監視しているため、唐璐さんは家族に危険が及ぶのを恐れて一度も連絡をしたことがなかったのだ。

唐璐さんは息子が詩を朗読した録音をずっと大切にしていた。彼女は家を出たときに息子の写真を持参しなかったことをBitter Winterに語った。万一通関で逮捕されたら家族を巻き込んでしまう可能性があるからだ。唐璐さんは録音だけを持ち込んだ。3年間、その音声は心中の不安を委ねられる何よりも大事な宝物だった。

母親の懸念
息子が韓国に来るという知らせに唐璐さんは驚喜した。しかしすぐに小さな不安が頭をもたげてきた。近々、韓国の中国共産党支持の活動家、呉明玉(オ・ミュンオ)氏が次の「親族を探す団体」を韓国に連れて来て、全能神教会の難民に嫌がらせをしようとしているのを知っていたからだ。息子もまた中国共産党が管理する「親族を探す団体」の一員で、彼女を無理に中国に帰らせようとするかもしれないのだ。

唐璐さんは、知り合いである熱心な信者、張福氏の事件に言及し、Bitter Winterに次のように報告した。「2016年5月18日に張福兄の妻が子どもを連れて済州島に夫を探しに行きました。彼女の旅に同行したのは中国共産党の工作員でした。工作員の命令で張さんの妻は夫をホテルに閉じ込めました。密かに旅券を抜き取り、財布、クレジットカード、全所持金70万ウォン(約65,000円)を奪いました。そして一緒に中国に帰らせようとして脅したのです。中国共産党の工作員は済州島の空港まで彼を追いかけ、強制的に中国へ誘拐しようとしたほどです。結局、張兄は間一髪で逃亡しました」。

この件を持ち出したとき、唐璐さんはまだ恐怖を引きずっていた。もし息子が中国共産党の工作員と共にやって来たら、どう対処すればいいか分からないだろう。

家族再会
5月14日の午後、唐璐さんは不安と期待の入り混じった気持ちで息子の連絡先番号を受け取った。過去数年間、中国共産党の宗教迫害がますます激しくなっていることをニュース記事で読んでいた。全能神教会は容赦なく迫害されている。亡命の道を選んだときから、再び息子に会うのは難しくなるのは分かっていた。予想に反して今、息子が外国に彼女を訪ねて来るというのだ。唐璐さんは興奮のあまり、考えるのももどかしく急いで息子の番号に電話をかけた。

「電話に出た息子は『ママ』と叫び、泣き続けました」と、唐璐さんは回想した。「胸が痛み、涙があふれました」。そして息子を慰めながら、ソウルにある全能神教会の温水の施設で会う約束をした。

「戻ってはいけない」
ついに再会し、唐璐さんは息子の韓国訪問に中国共産党は関わっていないことを知った。息子は、地元の 公安局 の 国保大隊 の職員が継続的に母親の状況を調査していることを伝えた。最近は自分を訪ねて来たという。彼らは唐璐さんの現在の居場所を追跡するため、家族の中に他に全能神信者がいないかを調べていたのだった。

「ママ、何があっても家に戻ってはいけないよ。僕はもう大人だし、自分のことは自分でできる。お母さんがここで元気でいるのを知って僕は安心したよ」と、唐璐さんの息子は言った。

息子はさらに、国保大隊勤務の友人が国外に住む全能神教会信者の情報を集める部署にいるのだと言った。その友人は韓国にいる全能神教会信者の写真を大量に保持し、その中に唐璐さんの写真もあるという。警察は既に唐璐さんの海外での状況をつかんでいた。彼女が通っている教会堂や教会でのクリスチャンネームまで知っていた。

「国内のウェブサイトに掲載されているニュースはどれも全能神教会を攻撃している。絶対に中国に帰ったらだめだよ」。息子は強く説いた。

惜別
別れの午後、唐璐さんは息子を地下鉄の駅まで送って行った。彼女は泣かなかった。2人とも笑顔を浮かべていた。息子は母親に家に戻らないように、ともう一度言い含め、家のことは自分に任せてほしいと話した。唐璐さんも、自分に会いたくなったときは韓国に来ればよいが、中国共産党に操られないように気を付け、党が組織するいわゆる「親族を探す団体」の一員として来ることがないようにと注意した。

白勝一による報告

この文章は白勝一による『BITTER WINTER』である 。


中国の国外亡命者への攻撃をテーマにしたBitter Winterの新作映画『竜の長い腕』

2019-07-24 13:47:11 | ニュース

中国の国外亡命者への攻撃をテーマにしたBitter Winterの新作映画『竜の長い腕』

オンライン公開中のこの映画は、中国共産党が国外で直接、あるいは協力関係にある支持者を通していかに亡命者を脅し、難民認定の取得を妨げているかを描いている。

映画『竜の長い腕 – 宗教弾圧から逃れ、海外に逃亡した難民を苦しめる中国政府』のオリジナル英語バージョンをいよいよ当ウェブサイトで公開する。英語以外にもBitter Winterで発信している7言語の字幕を提供する。

映画の初公開は6月20日、映画と同タイトルのBitter Winter共催会議『竜の長い腕』会期中に韓国のソウルで行われた。

映画では、中国国内の宗教迫害によって亡命者が生み出された過程と、中国共産党 がいかにしてその長い腕を国外にも伸ばし、宗教を理由に亡命した人々が難民認定を受けるのを妨害し、あらゆる嫌がらせと暴力を加えて迫害しているのかを説明している。映画では亡命者が暗殺された可能性のある事例にも言及している。

加えて中国共産党の「同伴者」の活動も非難している。ソ連の時代にはどちらかと言えば冷たい目線を向けられながら活動していたいわゆる「使える間抜け」が中国の諜報機関、保安部と手を組み、さまざまな口実を作り上げては亡命者を迫害しているのだ。映画の中では、呉明玉(オ・ミュンオ)氏と韓国における彼女の反カルト、親中国共産党組織の活動を「同伴者」の事例として取り上げている。実際にそれは、民主主義国家で親中国のスパイが公道でデモを行って罪のない亡命者の中国送還を呼びかけるという極端な例だ。しかし、亡命者が中国に戻れば逮捕、拘束、拷問が待っている。不本意にも強制送還された難民認定申請者の事例がその事実を証明している。

Bitter Winerは、この映画が世界中の誠実な人々の良心に訴えかけることを望んでいる。『竜の長い腕』が伝えたいメッセージは至極簡潔だ。宗教迫害から逃れた人々を支援してほしい。亡命者たちはあなたの助けをまさに今、必要としている。

 

この文章はマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)による『BITTER WINTER』である 。
 

またもや呉明玉氏! イスラム教、ウイグル族、難民、さらにBitter Winterを侮辱する

2019-07-23 12:42:39 | ニュース

またもや呉明玉氏! イスラム教、ウイグル族、難民、さらにBitter Winterを侮辱する

韓国の悪名高き反カルト主義者であり、親中国共産党の活動家である呉明玉(オ・ミュンオ、오명옥)が、Bitter Winterが6月20日に開催した会議を攻撃し、イスラム教を「世界の主要宗教の一つではない」と主張した。



呉明玉

マッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)

Bitter Winterの読者であれば、悪名高い反 カルト 主義者であり、親中国の活動家である韓国人の呉明玉の名はなじみ深いだろう。我々は呉氏の不正な活動を映画化し、好評を得た。呉氏は違法に韓国に住む 全能神教会 の信者の難民の写真と名前を公表しただけでなく、中国共産党 に協力して同団体の難民に対する抗議活動をでっち上げ、さらに、法輪功 に対する中国共産党のプロパガンダを広めるための本を韓国で出版している。

Bitter Winterが6月20日にソウルで共催した会議では、偏見とヘイトスピーチが難民や韓国の社会全般に危害を与える悪い例として呉明玉氏の名前が挙げられていた。

呉氏は友人を会議に送り込み、写真を撮影させ、同氏が運営するウェブサイト、churchheresy.comでレポートを配信している(このサイトの名前からも分かるように、呉氏自身が「教会(the Church)」であり、異議を唱える者は「異端(Heresy)」である)。

驚くべき内容の記事であり、彼女の本性が表れている。誤った情報を拡散しているとしてBitter Winterを侮辱するだけでなく(具体的な例は挙げていない)、呉氏はこの会議が法輪功によって共催されていると示唆し、同運動を長々と非難していた。実際には法輪功は共催者に含まれておらず、講演者の中にも法輪功の学習者はいなかった。また、呉氏が延々と非難している法輪功の教えについても取り上げていない。中国共産党は党に敵対的な宗教団体を取り上げる際に、法輪功を頻繁に攻撃することを求めており、呉氏は規定通りに従っていた。
また、韓国にいる全能神教会の信者の難民に対して、品位に欠ける、野蛮な攻撃を繰り返してきた呉明玉氏が、難民は中国政府に協力し、対応を求めるべきだと主張している点は非常に興味深い。我々はずっと呉氏が中国政府と中国共産党と協力関係にあると読者に指摘してきたが、本人が認めてくれたことは嬉しい限りだ。

また、原理主義とテロを ウイグル族 が支援していると疑う中国共産党お決まりの主張と共に、呉氏は「過激主義者」のウイグル族のムスリムが会議に参加していた、という現実離れした主張も行っていた。ウイグル族のためのキャンペーン(Campaign for Uyghurs)に所属する活動家のヌルグル・サウト(Nurgul Sawut)氏が会議で講演を行ったが、ウイグル族のためのキャンペーンは宗教的というよりは世俗的な団体である。呉氏がイスラム教の基本的な事実を学習していれば、ベールなしで人前に姿を現した女性が「原理主義者」でも「過激主義者」でもないムスリムであることは分かるはずだ。

「イスラム教は聖霊を認めていない」、イスラム教は聖霊に関する神学理論を「歪曲」している — これがイスラム教に関する呉氏の主張の全てだ。比較宗教学の専門家としての資質は不透明だが、呉氏は一般のムスリムの信者の気分を害し、「イスラム教を世界三大宗教の一つと認めるのではなく、キリスト教の異端と考えることは合理的である」と結論づけていた。まさにヘイトスピーチと偏見だ。

この文章はマッシモ・イントロヴィーニャ(Massimo Introvigne)による『BITTER WINTER』である 。


韓国での全能神教会への偽デモ 失敗

2019-07-22 19:39:46 | ニュース

 

韓国での全能神教会への偽デモ 失敗

活動家とジャーナリストに挟まれたゾーラー氏
活動家とジャーナリストに挟まれたゾーラー氏
 

警察の介入により、中国共産党の重鎮と反カルト主義者が韓国で主導した罪のない難民を苦しめる偽のデモ活動が終わった。

Bitter Winterは、来韓した中国共産党の重役、韓国の反カルト主義者、中国寄りの活動家の呉明玉(オ・ミュンオ)氏が韓国で実行した反全能神教会の偽の「自発的なデモ活動」に関して、ここ数日報告してきた。このデモ活動には、全能神教会の信者の家族も「説得を受けて」参加していた。宗教の自由ヨーロッパ・フォーラム(FOREF)の主事を務めるオーストリアの記者のピーター・ゾーラー(Peter Zoehrer)氏が中国での拷問の証言を集めるため、偶然ソウルの全能神教会を訪問しており、このデモ活動を目撃した。ゾーラー氏はBitter Winterに自らの体験を語った。

2018年9月4日午前10時、警察の仲介により、呉明玉氏率いる活動家グループは、全能神教会の信者が親族と会うことを許可しなければならなくなった。再会後にピーター・ゾーラー氏に報告したとおり、全能神教会の信者は親族に、自分たちの宗教活動を正々堂々と行える韓国に自分の意志で逃亡したと語った。信者たちはその理由として、中国共産党政府が中国で全能神教会に非人道的な迫害を行っていることを挙げ、自分の思い通りに自由に来ることも、出ていくこともできることを告げた。一方、全能神教会の信者は親族に対して、自分たちが自らの意志に反して全能神教会に捕えられていると誰が話したのか、なぜ今になって韓国に来たのか、誰が韓国に呼び出し、航空券を購入したのか等の質問を投げ掛けた。

時を同じくして、呉明玉氏は「家族を探している」ことを口実に全能神教会の敷地の外側で問題を起こし続けていた。2018年9月4日午後1時15分、呉明玉氏に率いられた約20名のデモ活動隊は忠清北道にある全能神教会の礼拝堂に車で向かった。活動家たちは教会の前の沿道に横断幕を掲げ、全能神教会に反対する新たなデモに備えた。同時刻、韓国を代表するメディアのKBSとCBSがデモの続報と報告を行うため現地に到着した。9月2日に実行したオンスでのデモとは異なり、今回のデモには亡命を希望する全能神教会の信者の中国人の親族は同行していなかった。

午後1時48分、中年の活動家(50代の男性)がトラックの荷台に飛び乗り、大声を上げた。この活動家を真似て他の活動家も雄叫びを上げ、時折、韓国語で何かを言っていた。このとき、呉明玉氏は荷台の男性に近づき、囁き続けていた。その後、この男性は用意していた紙を取り出し、大声で文章を読んだ。

デモの開始直後、その他の参加者が車に乗って現れ、デモに参加した。女性はスカーフを頭に巻き、男性の肌はよく日に焼けていた。この人々は韓国人には見えなかった。警察が参加した理由を問うと、「電話で呼ばれた」ものの、次に何をすればいいのか分からないと答えた。警察にデモが行われており、立ち去った方がいいと伝えられると、この人々はすぐに立ち去った。

午後1時53分、全能神教会の弁護士が建物から現れ、抗議活動の法的な限度を超えたこと、および、全能神教会の敷地に不法に侵入していることを伝えた。弁護士は全能神教会の施設の前に駐車しているトラックを横断幕とともにどかすよう要請した。先頭に立つデモ活動家は感情的になり、叫び始めた。この活動家は車の鍵を持っていないことを理由にトラックを動かすことを拒否し、激怒して弁護士に立ち向かった。全能神教会の信者は、他にどうすることもできず、警察を呼んで問題を解決しなければならなくなった。

数分後、現場に到着した警察がデモ活動家に対応し、立ち去るよう求めた。

午後2時21分、呉明玉氏率いるデモ隊はトラックと横断幕を嫌々どかし、西に向かって行進を行った。この時、数名の活動家は全能神教会の施設の前に残り、全能神教会の敷地の向かい側の沿道に散らばった。全てのデモ活動は1時間半にわたって続けられたが、失敗に終わった。

午後2時50分、ピーター・ゾーラー氏が礼拝堂の入り口に現れると、KBSやCBSをはじめとする韓国のテレビ局がインタビューを申し込んだ。呉明玉氏は自分が呼んだ記者がゾーラー氏を取り囲んで取材していることに気づくと、すぐに荷物をまとめて立ち去った。外国人のジャーナリストの存在は、呉明玉氏にも中国共産党にとって想定外だった。

午後3時、清州市のKBSの記者とプロデューサーは、礼拝堂の警備室でゾーラー氏に詳しいインタビューを実施した。記者は、全能神教会は中国で迫害を受けているのか、迫害を受けたために全能神教会の信者は韓国に逃げたのか、難民の信者の人権に関して、ゾーラー氏は何を知っているのか等の質問をした。ゾーラー氏は、中国では全能神教会が迫害を受けていることを真剣に議論することはできず、また、信者たちは迫害から逃れるために韓国に来たと説明した。信者の家族は離れ離れになってしまったが、その責任は全能神教会ではなく、中国共産党にある。全能神教会の迫害をどのように知ったのかを問われると、ゾーラー氏は1年以上前、全能神教会を研究していた際に知ったと答えた。また、同氏は数名の全能神教会の信者を個人で取材している際に、迫害の体験談が信頼できると感じたと述べた。さらにゾーラー氏は、全能神教会の信者たちは、中国で受けた虐待や拷問に関する供述書を作成していることを明かした。加えて、Bitter Winterが配信した共産党からリークされた内部文書には、韓国で反全能神教会の抗議活動を実行する方法が記されており、この内容を呉明玉氏が忠実に再現していたとゾーラー氏は語った。さらに同氏は、この出来事の目撃者として、抗議活動者の多くは全能神教会について何も知らない、雇われたヤンキーだったことは明白だと話した。

最後にゾーラー氏は「アメリカの建国の父は、ヨーロッパでは信教の自由が得られないために、はるばるアメリカ大陸に向かったヨーロッパの清教徒だった。だからこそ、とりわけアメリカでは、人々は信教の自由の重要性を決して忘れない。これは全能神教会の信者たちが非常に困難な状況下で、自由、宗教の自由、そして、人権を手に入れるために韓国にやってきた点と一致する」と結んだ。ゾーラー氏のインタビューは1時間半にわたって行われた。

ゾーラー氏に近づくジャーナリスト
      ゾーラー氏に近づくジャーナリスト
 
KBSのインタビューを受けるゾーラー氏
    KBSのインタビューを受けるゾーラー氏

李善美による報告

この文章はBITTER WINTERからです。