
恩田陸さんのこういう小説がとにかく好きだな、と思う今日この頃。
記憶と現実と閉鎖された空間と。
理解するとか分かり合うとかが常々されない人間関係に惚れ惚れする。
この作品は桜子が美しくて聡明であることもお気に入りのひとつだなー。
恩田作品は誰にも愛着という名の執着がわかないキャラが多いんだけど(あくまでLisa的に)
夏の名残りの薔薇では桜子の弟、時光が驚くほどLisaのタイプで困った(笑)
やっぱり私がドキドキする男はいつも共通するもんだな・・・。

ある大型ショッピングセンターで起こった事件をベースに
Q&A、質問と答えという会話のみで物語が構成されているという非常に面白い作品。
このベースになっている事件そのものも不可解で奇妙で人間心理をついていて怖いのだけれど
それ以上に大きい事件の波及によって起こる出来事もこわい・・・。
会話だけで成立しているぶん、すべての状況が読み手にゆだねられているのも面白い。

友達のオススメ作家さん。
ほんとはデビュー作『すべてがFになる』をオススメ頂いてましたが
貸し出し中だったので違う作品を初読み。
文章がリズミカルで読みやすい。
男性作家の作品はどうも読みにくいプラス物語に入りにくいので
あまり読まないけど森さんの作品は好き。
(根本的な思考の持ち方がやっぱり女性なんだな自分はとこういう時思う)
不思議な話でもう一回最初から読み直したり。