Club Uribouz

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火焔の杖

2010年09月10日 | Blog Novel
Episode11/#06


………


死火山の底には、もうぼくたちしかいない。


火の使い魔たちは、杖を放棄して逃げてしまった。

杖の主は、裂け谷から動くことができない。

村人たちの分もまとめて、命運を託された。


杖は火焔のごとく深紅に燃えていた。
かつて清澄の杖として湧水から雷雨までを司っていた杖だ。


大気が陽炎のごとくに揺れる。

ぼくは、遠ざかる意識を懸命に引き止めながら、
沸き上がる器を開いた。




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2 コメント

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Unknown (やんやん)
2010-09-10 21:59:54
おぉ。真紅に燃えていますね。
まるで何かを待っているようです。
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あの日 (Uribouz)
2010-09-13 20:14:43
やんやんさん、こんばんは。

この日は、近くの森林公園に出かけたんです。
真冬の積雪時にも、スノートレッキングしてるひと数人に会うのに、
この日は日中にもかかわらず人っ子一人居ませんでした。
こんな事は初めてでしたね。
いかに異常な夏であるかを現しているようです。

想像した通り、花と名のつくものはひとつもなく、
草花もみんな乾いていました。
苔でさえ半乾き ^ ^

そんな中で、この葉っぱだけはまさに火焔のごとく燃えていました。
ひときわ目立ってましたねぇ。
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