令和改元の年に「キャッシュレス元年」と言われていたので大変覚えやすく、そして誰もそうとは言わないが今年はキャッシュレス4年である。
その期間の過半を、効果はささやかかもしれないが新型コロナウイルスが後押しした。現金に触れるよりも非接触が好まれるようになっている。今やほとんどの場所がキャッシュレス対応を果たしている。
このたび、久しぶりの焼肉店に行った。親戚の集まりに呼ばれても二回に一回は不運にも体調を崩して欠席する傾向にあるため、人生における焼肉店は平均して5年に1回ほどのまま容易に更新されない。前回からおよそ2年ぶりと記憶しているが、到底、平均値を大幅に改善するペースではない。
小食者の集まりであり、自分も大いに遠慮し、さらには焼き肉慣れした一人は中華料理の気分だったようで八宝菜や酢豚やエビチリなどを注文し、(幾分誇張気味に言うと)必然的にその皿をさらう役目を担うこととなる。肉が、肉が…。
最終的に支払伝票を見て「ここは私が」「どうぞどうぞ」の流れとなった。まあ大人数だしこのくらいかかるよな、という程度の軽い気持ちで支払いに向かったが、誰の目にも留まるような「クレジットカードは利用できません」の張り紙があった。待てよおい、新型コロナウイルス下で一人勝ちの大盛況なのに、感染拡大防止対策にキャッシュレス対応はしといてくれないと。
その時はまだ軽い気持ちだった。そして財布を出したら、32680円の支払いに対し31000円(+硬貨)しかない。まあ落ち着け、財布を忘れたときに備えて免許入れに5000円常備している。といっても五千円札がなかったので千円札を入れてあった。5枚は揃わなかったが4枚はあったような気がしていたが、存外に少なく2000円しかない。少し前に町内会費の集金がきたんだったよ。そういう事情で今回一時に所持金の98%以上を放出することとなったものの辛うじて不足は免れた。ものすごくかっこ悪い事態は避けられ、ややかっこ悪い程度でおさまったのだ。
クレジットカード対応しとけよ、まったくよう。