四半世紀前、当時小学生だった私は大の昆虫マニアでそれ系の図鑑や書籍にかぶりつきでした。
今では当時夢のまた夢だった外国産の昆虫が生きたまま手に入るという、正直恐ろしい時代になっています(笑)
まあ、それはさて置き。
今でも大好きな昆虫のひとつであるタガメの思い出です。
現在はレッドデータに入っているタガメですが、私が小学生のころ、すでにかなり希少な存在になってました。
当時のガキの私にとって、タガメはなにやらとてつもなく強大なイメージがあって、想いは募るばかりでした。実際に見たこともないし・・・・。
そんなある日、登校中の道端に見慣れぬ昆虫の死体が・・・。
まあ、当然ですがガキなので一目散に駆け寄ります。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
多分言葉を発することすらなかったと思います。
なんとタガメの死体でした。
車などに轢かれたわけではなく、きれいな状態で死んでいました。
早速ティッシュに包んで大切にランドセルへ・・・。
早く学校が終わるのをそわそわしながら待っていたと思います。
家に帰って標本にして、毎日かなり長時間眺めていました。
でかくて太い腕。悪人面。肉食。そーゆーのが好きだったんです。昔から。
ある日祖母とともに、市内の百貨店に買い物に行ったときのこと。
屋上のペットコーナーをうろつくのが好きだった私の視界に網膜にインプリントされた物体が!!!完全にロックオン状態で走り寄る。
タガメが~!!!しかも一匹4000円~!!!!!
小学生の私にとって天文学的な値段!!
かぶりつきで店先のタガメから離れそうに無い私を見かねてか、一緒にいた祖母が買ってくれました。
しかもペアで・・・。
祖母は私には特にやさしくしてくれていました。ありがとう。
家に持って帰ってきたタガメはきらきら光って見えました。
標本になってしまったタガメは黒ずんでいますが、水中で生きているタガメは茶色というよりゴールデン系のライトブラウンで、複眼の眼光の深さもたまらなくカッコいいし、じっと水中の杭に佇んでいるさまは威風堂々としたものです。
それからというもの、タガメの餌確保に必死です。
現在は、熱帯魚屋で子赤50ください~なんて感じで済みますが、当時はそんな金ありません!!
学校の帰りにカエルやおたまじゃくしを捕まえてきたり、縁日では金魚すくいに燃え、屋台のオヤジに金魚すくいのプロの称号までもらったものです。タガメのための死活問題ともなれば、金魚すくいも神業の域に達するのだ!!!!!
そんなこんなで秋口になってきて、冬眠の準備をしようと言うことになったのですが、そこまで詳しく書いてある「タガメの飼育方法」なんて当時は無く、生態の説明に記してある範囲で自分ができる環境造りをしようということになり、泥で陸地を作って、水中には落ち葉を敷き詰めました。
泥に潜ると予測していたのですが、落ち葉の隙間に収まったまま動かなくなり、どうやらそこで越冬しそうな感じ。呼吸はどうすんだとものすごく心配だったのですが、なんとか生きていることを祈って冬を越しました。
翌年5月の半ば頃、気付いたら落ち葉から出てきて杭に佇んでいました。
ほっと一安心です。
去年、NHKの動物番組でタガメの特集を観ました。
水田や池からかなり離れた山間のまったく水気の無い木の根元などのたい肥の中で越冬していました。まあ、個体にもよるのでしょうが研究者にとっても意外な事実だったようです。環境保全は点ではなく点と点を結ぶ線を含め、その線を含むエリア全体で行わなくてはいけないということを、お大臣様どもはもっともっと理解しろ。
ある日の夜、風呂上りにタガメ水槽を覗くとオスが体を揺すって波を立てている・・・。かなり激しく。
当時私が所有していた書籍にこれが求愛行動だと記しているものは無かったが、直感的にチャンス!!と思い、メスを同じ水槽へ。
共食いしやしないかと心配だったのでそのまま見守りました。
60センチ水槽に産卵を見越して水面上10センチくらい出した杭を設置してあったので、ケース内を2匹でばたばた追いかけたり泳いだりめまぐるしく暴れているうちにここなら大丈夫と思ったらしく、交尾。そして産卵。
杭に付いた泡泡が消えると、きれいなストライプの卵が出てきます。
オスは残って卵のお守りです。
実は、その年に飼ってきたメスがもう一匹いてタガメは全部で3頭いました。
産卵を終えたメスは別のケースに移したのですが、もう一匹のメスはそのままオスと同じケースに・・・。
それが悲劇のはじまり。
昨夜ほとんど寝ずにタガメの産卵を見守っていた私は、小学校から眠さのあまりヘロヘロになりながら帰宅。さあ卵は元気かなっっっと♪一目見てから寝ようと水槽へ・・・・。
ぎゃ~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
卵が全部水中へ落ちとる!!!!!!!!!
そう。これがタガメのメスによる「卵壊行動」。
正式に卵壊行動が発表されたのも、まだここのところ10~15年くらいのうちのはずです。
そのはるか昔に訳も判らず経験してしまった小学生の私・・・。
てっきり昨夜の交尾するまでばたばたしていたように、また他のメスと暴れまくって卵が落ちてしまったのだとしか(ある意味正解だが・・・)想像がつかず失意のまま停止状態でした。
そのままメスにオスが食われたりして、なかなか飼育の厳しさを味わってしまったわけですが、めげずにその年も貯めたお小遣いで数頭ゲット。
季節柄相応しく無いのですが、ひとつのペアが真夏に産卵しました。
飼育下では条件が良ければ季節に関係なく産卵するようです。
今回は卵を完全に隔離しました。先ほども書いたように、「卵が落ちたのは成虫が暴れたせい」と思い込んでいたので。
オスだけ残せば良かったんですけどね(笑)
そして今度は卵に定期的に霧吹きをする仕事が増えました。
今の小学生はここまでマメに世話とかするんでしょうか・・・・。
われながら当時の情熱具合を褒めてやりたいくらいです。
そして・・・2週間くらいしてからでしょうか・・・・。
夕方くらいにタガメの孵化を目撃できました。
一斉に出てくる黄色い一令幼虫。図鑑で見たままの姿で感動モノでした。
水に落ちた幼虫はしばらくするとゼブラカラーに。
小さくても「オレサマ」的なアピールをしているように見えます。
そして共食いしないように一匹ずつ紙コップに分けます。
150個くらい前もって用意しておいた隙の無いガキでした。
そしてまたおたまじゃくしだなんだを捕獲する毎日・・・。
結局脱皮を失敗したり真夏の暑さに耐えれなかったりで無事に成虫になったのは5匹くらいでした。
その後小学4年から中一くらいまで累代飼育できました。
中学にあがると熱帯魚にハマり始め、タガメは友達にあげてしまったりしてやめてしまいました・・・・。
しかし、当時タガメの繁殖に成功した小学生なんて、そんなにいなかったのではないかと思います。新聞で、「○○動物園にてタガメの繁殖成功」なんて記事を見たこともあって、「おれなんてとうに成功してるじゃん」と思ったものです。
つらつらと書き記してみましたが、今はそういった情熱や感動に擦れてしまったなあ・・・と思ったのです。
現在はタガメの繁殖方法も確立され、マニュアルも簡単に入手できます。
熱狂的なマニアも当然います。
私は現在はタガメなどの飼育はしていませんが、原点はそこにあったのかもと感じるときがあります。
・・・タガメ、いいなあ。
今では当時夢のまた夢だった外国産の昆虫が生きたまま手に入るという、正直恐ろしい時代になっています(笑)
まあ、それはさて置き。
今でも大好きな昆虫のひとつであるタガメの思い出です。
現在はレッドデータに入っているタガメですが、私が小学生のころ、すでにかなり希少な存在になってました。
当時のガキの私にとって、タガメはなにやらとてつもなく強大なイメージがあって、想いは募るばかりでした。実際に見たこともないし・・・・。
そんなある日、登校中の道端に見慣れぬ昆虫の死体が・・・。
まあ、当然ですがガキなので一目散に駆け寄ります。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
多分言葉を発することすらなかったと思います。
なんとタガメの死体でした。
車などに轢かれたわけではなく、きれいな状態で死んでいました。
早速ティッシュに包んで大切にランドセルへ・・・。
早く学校が終わるのをそわそわしながら待っていたと思います。
家に帰って標本にして、毎日かなり長時間眺めていました。
でかくて太い腕。悪人面。肉食。そーゆーのが好きだったんです。昔から。
ある日祖母とともに、市内の百貨店に買い物に行ったときのこと。
屋上のペットコーナーをうろつくのが好きだった私の視界に網膜にインプリントされた物体が!!!完全にロックオン状態で走り寄る。
タガメが~!!!しかも一匹4000円~!!!!!
小学生の私にとって天文学的な値段!!
かぶりつきで店先のタガメから離れそうに無い私を見かねてか、一緒にいた祖母が買ってくれました。
しかもペアで・・・。
祖母は私には特にやさしくしてくれていました。ありがとう。
家に持って帰ってきたタガメはきらきら光って見えました。
標本になってしまったタガメは黒ずんでいますが、水中で生きているタガメは茶色というよりゴールデン系のライトブラウンで、複眼の眼光の深さもたまらなくカッコいいし、じっと水中の杭に佇んでいるさまは威風堂々としたものです。
それからというもの、タガメの餌確保に必死です。
現在は、熱帯魚屋で子赤50ください~なんて感じで済みますが、当時はそんな金ありません!!
学校の帰りにカエルやおたまじゃくしを捕まえてきたり、縁日では金魚すくいに燃え、屋台のオヤジに金魚すくいのプロの称号までもらったものです。タガメのための死活問題ともなれば、金魚すくいも神業の域に達するのだ!!!!!
そんなこんなで秋口になってきて、冬眠の準備をしようと言うことになったのですが、そこまで詳しく書いてある「タガメの飼育方法」なんて当時は無く、生態の説明に記してある範囲で自分ができる環境造りをしようということになり、泥で陸地を作って、水中には落ち葉を敷き詰めました。
泥に潜ると予測していたのですが、落ち葉の隙間に収まったまま動かなくなり、どうやらそこで越冬しそうな感じ。呼吸はどうすんだとものすごく心配だったのですが、なんとか生きていることを祈って冬を越しました。
翌年5月の半ば頃、気付いたら落ち葉から出てきて杭に佇んでいました。
ほっと一安心です。
去年、NHKの動物番組でタガメの特集を観ました。
水田や池からかなり離れた山間のまったく水気の無い木の根元などのたい肥の中で越冬していました。まあ、個体にもよるのでしょうが研究者にとっても意外な事実だったようです。環境保全は点ではなく点と点を結ぶ線を含め、その線を含むエリア全体で行わなくてはいけないということを、お大臣様どもはもっともっと理解しろ。
ある日の夜、風呂上りにタガメ水槽を覗くとオスが体を揺すって波を立てている・・・。かなり激しく。
当時私が所有していた書籍にこれが求愛行動だと記しているものは無かったが、直感的にチャンス!!と思い、メスを同じ水槽へ。
共食いしやしないかと心配だったのでそのまま見守りました。
60センチ水槽に産卵を見越して水面上10センチくらい出した杭を設置してあったので、ケース内を2匹でばたばた追いかけたり泳いだりめまぐるしく暴れているうちにここなら大丈夫と思ったらしく、交尾。そして産卵。
杭に付いた泡泡が消えると、きれいなストライプの卵が出てきます。
オスは残って卵のお守りです。
実は、その年に飼ってきたメスがもう一匹いてタガメは全部で3頭いました。
産卵を終えたメスは別のケースに移したのですが、もう一匹のメスはそのままオスと同じケースに・・・。
それが悲劇のはじまり。
昨夜ほとんど寝ずにタガメの産卵を見守っていた私は、小学校から眠さのあまりヘロヘロになりながら帰宅。さあ卵は元気かなっっっと♪一目見てから寝ようと水槽へ・・・・。
ぎゃ~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
卵が全部水中へ落ちとる!!!!!!!!!
そう。これがタガメのメスによる「卵壊行動」。
正式に卵壊行動が発表されたのも、まだここのところ10~15年くらいのうちのはずです。
そのはるか昔に訳も判らず経験してしまった小学生の私・・・。
てっきり昨夜の交尾するまでばたばたしていたように、また他のメスと暴れまくって卵が落ちてしまったのだとしか(ある意味正解だが・・・)想像がつかず失意のまま停止状態でした。
そのままメスにオスが食われたりして、なかなか飼育の厳しさを味わってしまったわけですが、めげずにその年も貯めたお小遣いで数頭ゲット。
季節柄相応しく無いのですが、ひとつのペアが真夏に産卵しました。
飼育下では条件が良ければ季節に関係なく産卵するようです。
今回は卵を完全に隔離しました。先ほども書いたように、「卵が落ちたのは成虫が暴れたせい」と思い込んでいたので。
オスだけ残せば良かったんですけどね(笑)
そして今度は卵に定期的に霧吹きをする仕事が増えました。
今の小学生はここまでマメに世話とかするんでしょうか・・・・。
われながら当時の情熱具合を褒めてやりたいくらいです。
そして・・・2週間くらいしてからでしょうか・・・・。
夕方くらいにタガメの孵化を目撃できました。
一斉に出てくる黄色い一令幼虫。図鑑で見たままの姿で感動モノでした。
水に落ちた幼虫はしばらくするとゼブラカラーに。
小さくても「オレサマ」的なアピールをしているように見えます。
そして共食いしないように一匹ずつ紙コップに分けます。
150個くらい前もって用意しておいた隙の無いガキでした。
そしてまたおたまじゃくしだなんだを捕獲する毎日・・・。
結局脱皮を失敗したり真夏の暑さに耐えれなかったりで無事に成虫になったのは5匹くらいでした。
その後小学4年から中一くらいまで累代飼育できました。
中学にあがると熱帯魚にハマり始め、タガメは友達にあげてしまったりしてやめてしまいました・・・・。
しかし、当時タガメの繁殖に成功した小学生なんて、そんなにいなかったのではないかと思います。新聞で、「○○動物園にてタガメの繁殖成功」なんて記事を見たこともあって、「おれなんてとうに成功してるじゃん」と思ったものです。
つらつらと書き記してみましたが、今はそういった情熱や感動に擦れてしまったなあ・・・と思ったのです。
現在はタガメの繁殖方法も確立され、マニュアルも簡単に入手できます。
熱狂的なマニアも当然います。
私は現在はタガメなどの飼育はしていませんが、原点はそこにあったのかもと感じるときがあります。
・・・タガメ、いいなあ。