元館長の統合ブログ

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背が伸びるスポーツは何か? その6

2016-11-16 18:03:28 | 武道

骨端線が閉鎖した大人が成長できる! 身長を高くするトレーニング

 

女性の踵骨が成長するのは、「骨端線閉鎖・骨強度・マクロモデリングの終了」この三つが交差する時期に原因があるのではないか?と指摘したのが前回です。

骨端線閉鎖

男性は17歳、女性は15歳程度で骨端線が閉鎖し成長が停止するとされています。

骨密度の成長期

骨密度は14歳頃まで男女ともに差がなく上昇していきますが、15歳では女子の上昇が減速して差が開き、男子は18歳頃に上昇が緩やかになります。これがいわば「骨密度の成長期」と言えるでしょう。女性は最大となる時期でも、男子15歳より低い骨密度になります。

 

マクロモデリング

そしてマクロモデリングの終了時期、これは明らかになっていません。
しかし、モデリングが起きれば骨量が増加しますので、骨密度上昇が緩やかになる時期から何等かの転換期が訪れ、ピークに達する20代(諸説あり)までかけゆっくりと終了すると思われます。すなわち、男子18歳頃、女子14歳頃から緩やかに終了すると考えられます。


①男子 骨端線閉鎖17歳、骨密度18歳まで上昇、成長期終了後もモデリングが続く。
②女子 骨端線閉鎖15歳、骨密度14歳まで上昇、成長期終了前にモデリングが低下。

 

この三つの動きからまず最初に考えられる可能性は、女子の骨端線閉鎖が15歳ではなく14歳ではないかということです。

骨端線閉鎖とは身長測定の統計から推定されている数値で、骨端線を直接確認しているデータではありません。
したがって、実際には骨端線閉鎖しても踵骨が成長している場合、統計データでは骨端線閉鎖が1年遅れて見えている可能性があります。つまり、


①女性は14歳で骨端線閉鎖閉鎖しても
②中学2年生なので体重の増加が続き運動負荷は高くなる。
④緩やかなモデリングも続いているので、
⑤負荷の最も集中する踵骨が発達する。

 

という、言わば「自然な身トレ状態」が起きている可能性です。一方で男子は、骨端性閉鎖とされる17歳以降、さらに骨密度上昇が続くので、女子の様な特殊状況がありません。


次は、もっと複雑な構造を持っている可能性についてです。

男子で骨端線閉鎖後に活発なモデリングが起きるのは、骨の太さ方向への成長で必要な強度を養うためと思われます。つまり、長さと太さの成長を同時に終了せず、長さが決まってから太さが決定されるということです。骨端線があるうちは筋肥大も制限されるので、強い筋力を持ってから骨の太さが決まるという仕組みは理にかなっています。

実際、オリンピック女子では14歳の金メダリストが時々誕生してきたのに対し、男子ではほとんど例が無いことからも、女子では骨強度が早い時期に決まる一方で、男子では成人するまで骨強度が完成せず、それがパフォーマンスに反映されていると推測されます。(現在は出場年齢下限が設定されており14歳は出場できません)

①男子 骨の長さが決定してから、骨の太さが決まる。運動能力に見合った骨強度を持つ

②女子 骨の長さが決定する前に、骨の太さが決まる。運動能力に対し骨強度が不足する

この違いは男子vs女子という構図ではなく、各々の10代vs20代の運動能力と考えると分かり易いと思います。

男子では年齢に沿ったパフォーマンスを示しますが、女子では、成長期終了前に強度向上が限定的になるので、14歳で最高のパフォーマンスを示す選手が現れ、その後成長があると骨強度の不足が足枷となってパフォーマンスが低下するという考え方です。勿論女子では初経時期の問題もありますから、骨強度だけでこれを主張するものではありません。

この場合でもやはり、14歳頃の骨密度上昇の頭打ちが原因で骨強度が不足し、大きな負荷に晒される踵骨が肥大すると考えられます。

 以前にも指摘しましたが女性では出産後の授乳期にも同様の現象が起きている可能性があり、これが高齢者で男女の内果端高が逆転する原因であると思われます。

しかし、なぜ強度不足を作る仕組みになっているのか?

そこは難問ですが、この仕組みのおかげで、身トレでは女性が男性より少ない運動で成長できるという利点が生まれます。体力差という視点で見ると男女平等になっているのかもしれません。

 

さて、これまで成長期に見られる「骨への負荷」の各場面で、成長と運動の関係性を考えてきましたが一つ注意すべきことを述べておきます。

当ブログでは、「骨への負荷が大きいほど伸びる」という場面に焦点を当ててきましたが、科学・生理学的にどうなのか?と言えば、二つの実験結果があります。成長期の皆さんにも分かり易いように簡単に書きますので覚えておいてください。

①マウスを尻尾でぶら下げたまま飼育→足が成長しない→負荷が少ないと成長しない。

②マウスを強制的に走らせて飼育→足の成長が止まる→負荷が多すぎると成長しない。

このような実験結果がでています。

結局は骨を成長させるためには、「適度な運動」が必要という結論なのですが、その「適度」がまだ正確に分かっていません。特に骨強度が不十分である成長期に無茶をすると、すぐに負荷過剰となり②の状態に陥る可能性があります。くれぐれも、この点には注意してください。

 

大人の成長が可能になった! 身長を高くするトレーニング


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