元館長の統合ブログ

空手・セイルボート・身長を高くするトレーニング・その他を全て統合。

アップデート時期について 2 身トレ理論

2017-03-09 01:16:51 | 身長
50歳でも背が伸びる! 身長を高くするトレーニング

成長期の子供が脚を骨折すると「過成長」という現象が起きることがあります。

子供は盛んに造骨する「モデリング」が行われていますから、骨折部が成長軟骨のように機能し骨折部を起点とした成長をしてしまうことがあるのです。

大人の場合でも、骨折部に隙間があれば骨が延長されることになりますが、造骨の速度が遅いため過成長のようには伸びませんし、あまりに隙間が大きいと骨折がなかなか治らないので、再手術を検討することになります。

身トレで起こすマイクロクラック(微小な骨の損傷)にしても、それほど特殊な事態ではなく、普通の運動で発生しているものですが、「モデリング」の体質がなければ、損傷細胞を取り除き、同じ数の細胞を作るという「リモデリング」が行われるため成長にはつながりません。

しかし、ごく狭い領域ではイリザロフの様な効果が生まれる可能性があり、それが利き手と非利き手の長さの差が生まれる原因になっていると考えられます。つまり、

①利き手は使用頻度が高いので、マイクロクラックの発生率が非利き手より高く、
②偶然に発生するマイクロ・イリザロフの様な状態の発生率も高くなる。
④そのため数mm程度、利き手が長い。

テニス選手の利き手が長くなるのは、上記の強化版と言えるでしょう。

また、以前ブログ記事「背が伸びるスポーツは何か? その1」に記したように、背が高くなる子の運動特性である骨格依存型の運動は、マイクロクラックを多発させる運動特性です。

ここまでの現象をまとめてみましょう。

①子供の骨折→ 過成長が起こる。
②大人の骨折→ 隙間があれば伸びる。(イリザロフ的)
③子供のマイクロクラック→ 過成長的+イリザロフ的の両方の効果によって伸びる。
④大人のマイクロクラック→ イリザロフ的な効果があれば伸びる。
⑤背が高くなる子は→ マイクロクラックが発生し易い運動をする。

また、大人は通常の運動では成長できませんので、マイクロクラックによる成長の主体は、モデリング体質なら発生する過成長的な成長であると言えるでしょう。

医学者ではない私には、これらの現象を直接観察する術が無いわけですが、現象から構造を探るなら、

①緻密骨の外周部付近にマイクロクラックが発生する。
②モデリングの体質であれば、ここを起点に過成長的現象がおきる。
③これにより、まず外周部から骨延長が起き
④内部の成長もそれに追従する。

この様な過程で成長が起こると考えられます。
いずれにしても、成長のカギを握るのは「モデリング体質」です。

ところで、医学を学ぶ人には、「モデリング」を体質と表現することに違和感を感じることと思います。

しかし、身トレによる変化は鍛えた部位のみに起きるのではなく、全身の状態が変わるので体質と表現しています。

何しろ6ヶ月で目視確認できる規模で骨が増えるわけですから、血中カルシウム濃度のコントロールは「バランスする」水準ではなく「供給する」という水準で行われるはずです。

これを実現するには、カルシウムの吸収・再吸収までが変化する体全体の変化、ホルモン統括による変化が必要となるのは諭を俟ちません。

身トレでは、約6ヶ月で目視確認可能なマクロモデリングが起きる

また、過成長については、「骨折による刺激が骨端線の血行を促進させ成長を活発化する」という説明が一般的ですが、事後2年程度が過成長のピークとなる例が多くあるので、この解説には無理があります。
これが正しいとしたら骨折完治後も1年以上、充血した状態が続くことになります。

身トレでは骨端線の無い大人に上記論理に合致する結果がでていますので、「モデリング+骨折」によって成長板的機能が発現すると考えるのが妥当でしょう。

大人の成長が可能になる! 身長を高くするトレーニング

骨強度が運動能力を決定する その2

2017-02-14 01:03:19 | 身長

骨を鍛えて背を伸ばす! 身長を高くするトレーニング



前回の記事で以下のように述べました。



①エネルギーを受け止める骨と、エネルギーの発生源が異なるため、骨折が起こり
②エネルギーの発生源が骨を駆動する筋肉に限定される場合、骨折しない


しかし、現実の運動では一つの骨に様々な場所からエネルギーが伝わりますから、骨折が起こらないように調整が必要になります。調整とは何かと言えば、

①筋力の100%を使ってしまったら、どこかの骨が骨折するので、
②全力では運動できない。
③だから、一番弱い骨の強度に合わせて運動するしかない。

という調整・制御です。

すなわち、「どこかの骨が弱いから、運動能力を抑えるしかない」のであり、「その骨が強ければ、もっと高い運動能力を発揮できる」ということになります。

無意識での制御

しかし、多くの人が「弱い骨に合わせて運動してる」というイメージは無いと思います。それはこの制御が無意識で行われるからです。

無意識制御の学習は皆さんが生まれた時から開始されていて、それは「痛み」の経験の積み重ねです。
「痛み」は「失敗」として脳に強く記憶され、「痛み」が起きそうな運動は、意識に上る以前(無意識)に制御がかかる様になります。

例えば皆さんは「歩く」という動作で幾つの関節が動くのか数えたことはあるでしょうか?


動かず関節の数が分からないのに、どうやって意識して動かしているのでしょうか?

この様に問えば分かるように「歩こう!」と決意すれば、運動はどこかが勝手に制御してやってくれているわけです。「痛み」を予防する制御もその内に含まれています。

「歩くだけで骨が折れるの?」と思うかもしれませんが、先天性無痛症という痛みを感じない障害では歩行による骨折が多発します。「痛み」はそれ自体としては不快なものですが、とても重要なものなのです。

身トレにおける「痛みを感じては骨を鍛えられない」という言葉もこの無意識の制御に関わってきます。
 

トロイ・ポラマル氏 NFLピッツバーグ・スティーラーズの代表的選手であったポリネシア系アメリカ人。

ポリネシア人は体重に対する骨量の比率が高く、他人種を大きく上回ります。

アメリカの人気スポーツ、アメリカンフットボールでは、人口比で考えた場合、ポリネシア系のプロ選手比率は他人種に比べ40倍高く、ラグビーや格闘技など肉体を酷使するスポーツで優位を見せるのがポリネシアンです。

 



反り腰を治す

2017-02-05 20:26:33 | 身長
 

反り腰は骨盤の傾きがありますから、これを修正すれば背が伸びるのは確かなことです。


しかし、反り腰とは「状態」であって「形態」ではありません。具体的には、腹を引っ込めるようにすれば傾きが治るはずですから、身長の問題だけであれば腹を凹ますようにすれば良いことです。

したがって問題となるのは、どうして知らず知らずのうちに「反り腰の状態で立ってしまうのか?」ということです。

その原因の一つが、加齢とともに内臓が下垂することです。下垂することで内臓全体の重心位置が下がり、内臓の重さを受ける脊椎位置が下部に集中してくるので腰が反ります。

下垂は二足歩行に起因することなので致し方無い事ですが、過食を避けたり、消化を助ける工夫で消化器系の負担を軽減すること、また腹筋を鍛えることでも、多少の改善がみられます。


もう一つの原因は椎間板の変形で、背中側が薄くなってくることですが、これは寝る時の姿勢が大きく影響します。

反り腰は慢性化してくると腰痛を伴いますから、布団は固い方が良いとか、うつ伏せ寝はしない等の工夫をしている方も多いと思いますが、大切なのは寝始めの姿勢です。

仰向けに寝て、腰と布団の間にできる隙間が大きいと、寝ている間も背中の筋肉が緊張し、反り腰が進行してしまうのです。これがあるので体を休めているはずなのに「寝すぎると腰が痛い!」という事が起こります。

この隙間を埋めるために、仰向けに寝て、膝を立て、腰が布団に密着する状態を10分程度保ってください。そのまま寝てしまっても良いのですが、膝が高い位置のままだと心臓に負担がかかりますので、気付いた時に普通の仰向けに戻しておきましょう。

この姿勢をとった後だと、足を伸ばしても腰の隙間が無くなっていることに気付きます。
この状態を朝まで保てると翌朝の腰の痛みは軽減されているはずですが、寝返りをうつこともあるでしょうし、目覚めたら、うつ伏せだったという場合もあると思います。時間があれば起き上がる前に、同じように膝を立てて隙間を無くして10分を実施してください。少しずつでも反りが無い時間をつくることが改善の道です。

普通に寝ると腰が反ってしまうのに、なぜこの方法だと隙間が無くなるかと言えば、脊柱起立筋が弛緩したからに他なりませんが、ここが背骨の厄介なところです。

背骨というのは自分の意識で動かせるのに、その筋肉の緊張度は意識的にはコントロールできないのです。意識的に緩めることができないので、ギックリ腰をやると、骨に異常が無いのに、筋肉が硬直したままになり痛みます。背中の筋肉を痛めてしまうと長い間痛みが残るのも、「動かせるのに、緩められない」という特性が原因です。
 
この筋肉を意図的に緩ませるためには、それを目的に設計した「かたち (=フォーム)」と「重力からの解放」が必要です。仰向けでできる「腰の隙間」だけで重力に対抗する緊張が起こり緩められない状態に陥ります。

※膝を立てただけでは、腰の隙間が無くならない人は、お尻で歩く動作(実際はその場で足踏み)をすると腰が伸びるのですが、文章では分かり難いと思いますので後日、動画をアップする予定です。
 

運動能力の向上 ボルト氏の偏平足 その5

2017-01-30 01:46:53 | 身長


ウサイン・ボルト氏に見られるようなスプリンターの偏平足や、同型で踵骨の過回内を伴う偏平足の機能的な回復方法を紹介していきます。

石の上のような不整地を歩くと足は自動で地面を掴むので、リスフラン関節は機能回復の動画と同じ動作を行います。(注:前回記事と同じ動画です)

 


この動作は意識して足指を曲げる動作とは異なり、

①足底筋膜が押されることによってリスフラン関節が閉じ、
②そのままの状態から足底筋膜が収縮し
③リスフラン関節が挟み込む力を出す


という足底筋膜を押す外力が必要な動作になります。


一方、現代人の日常は平坦な道を、足の機能を妨げる靴を履きながら歩きます。

①アキレス腱が緊張し→足底筋膜も緊張収縮しようとするのに、
②常に足の裏は平らに伸ばされ、靴によって甲を丸める動作も抑えられ、
③足底筋膜だけが引き延ばされリスフラン関節も足指も動作できません。


毎日この不自然なストレッチを要求されますから、足底筋膜は伸ばされ弛んだ状態になっていきます。靴に中敷を入れて足裏アーチを保つ方法も、靴の締め付けがきつく甲を丸める動作を妨げてしまうようだと逆効果になります。



身トレで成長痛を味わった人なら、足底筋膜の伸び縮みの激しさは実感を持って理解できると思います。朝の起き抜けは立ち上るのも痛いのに、5分もすると痛みが消え、夕方には足のサイズが変わるほど伸びるのです。

しかし実際にはこの伸び縮みも、「平らな所しか歩かないから余計に伸ばされてしまっている」というのが正確な表現です。


たとえ伸びてしまって扁平化してきた足でも、一晩眠れば足底筋膜が元の長さに戻り回復するはずなのですが、リスフラン関節にズレが起きてしまうと伸びたままになって回復しなかったり、あるいはズレたまま縮んでズレが固定化されたりといった状態になります。

回内足は、O脚・X脚の原因にもなり、ここでも僅かですが身長に影響します。
また、身トレでの踵の成長は踵骨が伸びる成長ですから、踵骨が傾いたままだと成長効果が半減されますので回内足を改善することをお勧め致します。




そうは言っても裸足で歩く機会も少ないでしょうから、前回の動画の整体をおやすみ前に実施してください。動画の様に自動車のサスペンションの様な動きができる状態にして睡眠をとれば、機能的回復が可能です。

ちなみに、青竹踏みをしたらどうなのか?というと、これは方法によって、かえって足底筋膜を弛ませますので、アキレス腱の緊張⇔弛緩を把握し、弛緩している時に加重する必要があります。

感覚的に表現すれば、「痛くないように踏む」ことになりますし、足裏にストレッチ効果を感じるようだと足底筋膜は伸ばされていますので逆効果です。


人間は自然の産物

身トレでは自然環境でのトレーニングを推奨しておりますので、「なぜ自然でなきゃダメなのか?」というお問合せをいただくのですが、裸足で歩かないだけで足の形を保てなくなるのですから、骨を伸ばすという人間の能力を根本から鍛え直すトレーニングには、どうしても自然環境が必要になります。

なぜなら人間は「人工物」ではないからです。当たり前のようですが、忘れがちなことだと思います。人間は生物学的にみれば野生生物と変わりなく自然の産物です。

平らな道路と靴に代表される平坦で均一な環境は人間が誕生した後にできたもので、便利ではあっても、人間に適した環境ではありません。人間は、人工環境では万全に発育できないのです。

野生生物を健康で完全な能力のまま飼育したいなら、環境を自然の状態に近づけようとすると思います。自然の産物である人間にも、自然での運動が必要なのは当然のことです。

野生の動物→ 人工環境(劣悪)で運動 → 健康・運動能力は劣悪に
野生の動物→ 自然環境で運動 → 健康・運動能力は万全

人間 → 人工環境(劣悪)で運動 → 健康・運動能力は劣悪に
人間 → 自然環境で運動 → 健康・運動能力は・・・?


運動能力の向上 ボルト氏の偏平足 その4

2017-01-22 15:23:00 | 身長

大人でも背が伸びる! 身長を高くするトレーニング


ウサイン・ボルト氏に見られるようなスプリンターの偏平足や、同型で踵骨の過回内を伴う偏平足の機能的な回復方法を紹介していきます。

 

リスフラン関節の機能回復

私が直接指導でお会いしたお客様で踵骨が過回内している人(偏平足の人)の全てが、リスフラン関節が脱臼ぎみの状態で固着していました。

 

ここの機能を回復させる簡単な方法をYouTubeに上げておきましたのでそちらをご参照ください。トレーニングの直後に撮影したので、足が汚れているのと茨城弁はご勘弁です(笑)

 

なお、この整体で回復できるのはリスフラン関節の機能です。偏平足の根本的な原因はまた別にありますので完全に問題を解消するのであれば、その原因を取り除く必要があります。

 https://www.youtube.com/watch?v=f47Uq92ui_4

https://www.youtube.com/watch?v=HjFPUIwLmSo


ご覧いただけばお分かりのように整体とも言えないような単純な動きで、関節を動く方向に動かしているだけです。こんなに簡単に機能回復するのに、なぜ関節が固着してしまうのか?と言うと、それは裸足で自然の中を歩かないからです。

 

もう一つの動画をご覧ください。裸足で石の上を移動しています。

https://www.youtube.com/watch?v=L37QWHmpYq8


中腰になって自分で撮影しているので、やや歩みが不自然ですが、二歩目の親指の動きが良く撮れていますので注目してください。

 

着地後、体重移動が始まると石を握り締めるように動きます。これが人間の足に元からプログラムされている動作なのです。

 

どこにこのプログラムの記憶装置が有るかと言えば足です。機械式の自動制御プログラムです。

 

①踵が接地→小指球が接地→この間アキレス腱は弛緩、足底筋膜も同調して弛緩→
足底筋膜が弛緩しているので足裏は石に沿うように曲がり密着し母指球が接地→

②踵・小指球・母指球の3点が接地するころ体重が移動→アキレス腱が弛緩から緊張に転ずる→
アキレス腱に呼応し足底筋膜が緊張→それに呼応し各足指が握る動作を開始→

③反対の足が歩みだすと→逆の過程でアキレス腱の緊張が弛緩に転ずる→
足指の握る動作は解除される→・・・

 

分かり難いですね(笑)、暇ができたら作図して解説しますが、

①重心位置と
②地面の状態
③それに対応する最適な足の接地
④足指の地面の掴みと、その解除

 

という複雑な運動を足は機械式処理によって、勝手に最適を選択してくれるのです。

 

「選択」という表現の意味は、棘があったらどうするのか?滑ったらどうするのか?といったこともプログラムされていて、裸足で歩くのに慣れてくると、足が自動で回避してくれるということです。もちろん回避能力に限度はありますが、その動作はまさしく「反射」であり、脳に情報が届く以前に処理されます。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチが 「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である。」と評した所以です。

 

自然淘汰や、突然変異という進化論だけでは到底説明できないほどの精密・高機能です。更にこの機能は二足歩行能力に直結していて、この機械式制御によってアシモ君の電子頭脳も及ばないほどのスピードで情報処理できるので、走る・跳ぶといった運動が可能なのです。

 

足には元からこれらの機能があるので、平坦な道を歩き続けるとリスフラン関節が解放され固着していきます。


次回に続きます。

 

大人でも背が伸びる! 身長を高くするトレーニング