元館長の統合ブログ

空手・セイルボート・身長を高くするトレーニング・その他を全て統合。

身トレ弐段へのアップデート時期について

2017-02-21 01:53:57 | 武道
成長期を過ぎても背が伸びる! 身長を高くするトレーニング

身トレでは下表の様なサイクルで成長効果が変化します。
したがって、お客様ご自身で成長期間終了を予測し、タイミング良くアップデートもしくは「休止→再トレーニング」を行うことが効率良い成長を可能にします。


※同じ運動量のトレーニングで効果を出すには1年以上の休止が必要です。

この様に、同じ運動では効果が無くなってしまうのは、身トレの成長は運動負荷によって起きているからです。骨強度が上昇してしまうと運動負荷が不足し効果が得られません。
この関係性を理解するために、身トレの成長原理から解説していきたいと思います。

身トレの成長原理
身トレは「マイクロクラック」+「モデリング」+「骨の柔軟化」の三つの要素が相互に作用しあうことで大人の骨を成長させるトレーニングです。

マイクロクラック
マイクロクラックとは骨折に至らない微細な骨の損傷です。
イリザロフ法のような切断が、骨細胞~オステオン(骨単位)程度の規模で起きると考えれば分かり易いと思います。

簡単に言えば、「マイクロ・イリザロフ」です。


しかし、ただ骨細胞の損傷を繰り返すのでは、疲労骨折へと発展するだけで成長は得られません。マイクロクラックを成長へと結び付けるのが残り二つの要素です。

モデリング
大人の骨は「リモデリング」という骨細胞の入れ替えを行っており、細胞が増えることはありません。これを「モデリング」という骨細胞が増える状態へと体質変化させる運動が必要になります。
モデリングへの体質変換が完了することで、マイクロクラックを「つなぐ修復」から「新細胞で埋める修復」が可能となり成長が開始しますが、この体質変換に3ヶ月が必要になります。

骨の柔軟化
骨の運動のためには大きな負荷が必要となりますが、過大な負荷を受けても骨折せずマイクロクラックで済むためには骨の柔軟性が必要になります。

また、この柔軟性がモデリングのへの体質変換にも関わっており、マイクロクラックとモデリングを結び付ける重要な懸け橋ですし、「つなぐ修復→埋める修復」への変化にも柔軟性が関与すると推測されます。

~次回へ続きます
大人の骨を伸ばす! 身長を高くするトレーニング

武の道

2017-02-19 23:13:28 | 武道
今回は趣きを変えて少し武道について書きたいと思います。(こっちが大本ですが・・・)

最近、「武道の練習で相手に怪我をさせて何が悪い?」という見解を目にするのですが、これが武道人全般の考えと思われては心外です。

相手に怪我をさせても「致し方ない」と判断されるのは、相手の実力が互角以上の時だけです。

相手が強ければ、怪我は相手の責任。相手が弱ければ、怪我は自分の責任。これが本当の武道です。

私なら上級者が下級者に怪我をさせれば厳重注意ですし、故意なら破門します。この理由は、「何のために実力差のある相手と稽古するのか?」を考えてみれば分かることです。

下級者が上級者と試合形式で稽古することを「掛り稽古(かかりげいこ)」といいますが、掛り稽古は弱い相手をコテンパンにやっつけて、上級者の力を見せつけるためにするのではありません。それでは双方にとって何の進歩も無い稽古です。

掛り稽古の本来の目的は、上級者がハンディキャップを設定して実力を互角以下に落として稽古することです。

これは例えば、右手は使わないとか、左足は移動しないとかです。

もし、私から空手道参段の認可を受けたいなら、「目隠しして初段を圧倒する、それも攻撃は一切なし」という実力が必要です。そのくらい実力差があるから、「段」であり、段が違えば文字通り「段違いの強さ」がなければなりません。

実際の掛り稽古では、下級者は上級者をボコれますから、夢中になって弱点を突いてきますし、弱点を探します。

上級者は自分の弱点を指摘してもらえるのですから、殴られるたびに何が必要かを考え、不足する部分を認識できるようになります。

いつか弱点を克服し、下級者の攻撃を全て凌いだとき、本当の意味で実力差を見せつけることができますし、本物の尊敬の念を得られるでしょう。

この様なハンディキャップ付きの稽古は、上手く設定すれば少人数の道場であっても非常に高度な稽古が可能となるので、武道の稽古形態として発展してきました。

この掛り稽古で絶対に守るべきことは、「下級者に怪我をさせない」ということです。

至極当然のことです。実力差があるから掛り稽古として設定しているのであって、それを無視して怪我までさせてしまっては「稽古の意味が分かってるのか?」と問い質す以外にありません。

どうしても、やり込められるのが嫌な人は、鹿島神流・國井善弥先生のように、「打たずして勝つ」まで自身の技を鍛えましょう。

柔道の三船十段の空気投げも、「投げずして勝つ」です。

合気道でも塩田剛三先生が「自分を殺しに来た相手と友達になること(=敵を怪我させることなく勝つ)」ですし、空手では優れた弟子を育てる人間が最高の空手家とされています(=怪我をさせては育たない)。

これが武道の理想ですし、そこまで高めることが出来れば「打って勝つのは当然」ですから無敵です。

骨強度が運動能力を決定する その2

2017-02-14 01:03:19 | 身長

骨を鍛えて背を伸ばす! 身長を高くするトレーニング



前回の記事で以下のように述べました。



①エネルギーを受け止める骨と、エネルギーの発生源が異なるため、骨折が起こり
②エネルギーの発生源が骨を駆動する筋肉に限定される場合、骨折しない


しかし、現実の運動では一つの骨に様々な場所からエネルギーが伝わりますから、骨折が起こらないように調整が必要になります。調整とは何かと言えば、

①筋力の100%を使ってしまったら、どこかの骨が骨折するので、
②全力では運動できない。
③だから、一番弱い骨の強度に合わせて運動するしかない。

という調整・制御です。

すなわち、「どこかの骨が弱いから、運動能力を抑えるしかない」のであり、「その骨が強ければ、もっと高い運動能力を発揮できる」ということになります。

無意識での制御

しかし、多くの人が「弱い骨に合わせて運動してる」というイメージは無いと思います。それはこの制御が無意識で行われるからです。

無意識制御の学習は皆さんが生まれた時から開始されていて、それは「痛み」の経験の積み重ねです。
「痛み」は「失敗」として脳に強く記憶され、「痛み」が起きそうな運動は、意識に上る以前(無意識)に制御がかかる様になります。

例えば皆さんは「歩く」という動作で幾つの関節が動くのか数えたことはあるでしょうか?


動かず関節の数が分からないのに、どうやって意識して動かしているのでしょうか?

この様に問えば分かるように「歩こう!」と決意すれば、運動はどこかが勝手に制御してやってくれているわけです。「痛み」を予防する制御もその内に含まれています。

「歩くだけで骨が折れるの?」と思うかもしれませんが、先天性無痛症という痛みを感じない障害では歩行による骨折が多発します。「痛み」はそれ自体としては不快なものですが、とても重要なものなのです。

身トレにおける「痛みを感じては骨を鍛えられない」という言葉もこの無意識の制御に関わってきます。
 

トロイ・ポラマル氏 NFLピッツバーグ・スティーラーズの代表的選手であったポリネシア系アメリカ人。

ポリネシア人は体重に対する骨量の比率が高く、他人種を大きく上回ります。

アメリカの人気スポーツ、アメリカンフットボールでは、人口比で考えた場合、ポリネシア系のプロ選手比率は他人種に比べ40倍高く、ラグビーや格闘技など肉体を酷使するスポーツで優位を見せるのがポリネシアンです。

 



骨強度が運動能力を決定する

2017-02-10 00:46:59 | 日記

「なぜ、骨が強くなると運動能力が向上するのか?」これはスポーツに熱心な高校生や、プロスポーツを目指し日夜努力している人達からいただく質問です。彼等に向けてあまり専門的でなく解説していきたいと思います。

まず骨に関わる原則的な体の構造があり、「筋力は骨強度を超えることはできない」という決まりがあります。

骨折はほとんどの場合、外力の過剰によって起こり、自分の筋力で骨折するというのは非常に困難です。例えば、自力で骨折するとは、

手を握り締め過ぎて、指が折れる。

勢い良く懸垂をして、前腕が折れる。

登り坂でスピードを上げ駆け登ったら、スネが折れた。


といった事で、自分の体、自分の体重を筋力でコントロール際に骨折してしまうことを意味します。反対の例と対比することでより分かり易くなると思います。

重い物を勢いで持ち上げようとして、指が折れる。→

足や腰の筋力を使った勢いを指の骨で受け止める。
 
鉄棒に跳び付こうとしたら、腕が折れた。→
足による蹴りだしと、重力を腕が受け止める。
 
高い所から飛び降りたら、スネが折れた。→
重力加速度をスネが受け止める。

これらの例では、エネルギーを受け止める骨と、エネルギーの発生源が異なるため、骨折が起こります。

この様に、エネルギーの発生源が、骨を駆動する筋肉に限定される場合、「そんなことで骨が折れるわけがない・・・」という運動になり、それが「筋力は骨強度を超えることはできない」という構造(仕組み)です。


では、どこで骨が折れないように力をコントロールしているかと言えば、腱の附着面積です。

①骨が太ければ
②腱が附着する面積は大きくなり、
③腱が太くなるので、
④腱につながっている筋肉も太くなる


実に単純ですが、確実に「骨強度を超えない」というルールが守られる仕組みです。
筋力が過度に発揮された場合でも筋肉が切れたり、腱が剥離したりという結果になります。

この仕組みを運動のパフォーマンスに当てはめれば、自ずと答えがでてきます。

ある動作(フォーム)を実行する能力は、筋力トレーニングやフォームの反復練習などで、向上していくわけですが、その基盤には骨強度があり、骨の強さが「これ以上の力は出しちゃダメ!」と根本で規定しているわけです。

すなわち、ある人に傑出した能力がある場合、そこに他人とは違った骨の特性を見出す可能性が高いということです。

画像は、ハビエル・ソトマヨル氏。
走高跳で1993年に世界記録(2m45cm)を達成。24年経った今でも破られない大記録です。
丸く大きく発達した踵骨によって、アキレス腱モーメントアーム(踝→アキレス腱の距離)がウサイン・ボルト氏と同様に長大であることが分かります。

反り腰を治す

2017-02-05 20:26:33 | 身長
 

反り腰は骨盤の傾きがありますから、これを修正すれば背が伸びるのは確かなことです。


しかし、反り腰とは「状態」であって「形態」ではありません。具体的には、腹を引っ込めるようにすれば傾きが治るはずですから、身長の問題だけであれば腹を凹ますようにすれば良いことです。

したがって問題となるのは、どうして知らず知らずのうちに「反り腰の状態で立ってしまうのか?」ということです。

その原因の一つが、加齢とともに内臓が下垂することです。下垂することで内臓全体の重心位置が下がり、内臓の重さを受ける脊椎位置が下部に集中してくるので腰が反ります。

下垂は二足歩行に起因することなので致し方無い事ですが、過食を避けたり、消化を助ける工夫で消化器系の負担を軽減すること、また腹筋を鍛えることでも、多少の改善がみられます。


もう一つの原因は椎間板の変形で、背中側が薄くなってくることですが、これは寝る時の姿勢が大きく影響します。

反り腰は慢性化してくると腰痛を伴いますから、布団は固い方が良いとか、うつ伏せ寝はしない等の工夫をしている方も多いと思いますが、大切なのは寝始めの姿勢です。

仰向けに寝て、腰と布団の間にできる隙間が大きいと、寝ている間も背中の筋肉が緊張し、反り腰が進行してしまうのです。これがあるので体を休めているはずなのに「寝すぎると腰が痛い!」という事が起こります。

この隙間を埋めるために、仰向けに寝て、膝を立て、腰が布団に密着する状態を10分程度保ってください。そのまま寝てしまっても良いのですが、膝が高い位置のままだと心臓に負担がかかりますので、気付いた時に普通の仰向けに戻しておきましょう。

この姿勢をとった後だと、足を伸ばしても腰の隙間が無くなっていることに気付きます。
この状態を朝まで保てると翌朝の腰の痛みは軽減されているはずですが、寝返りをうつこともあるでしょうし、目覚めたら、うつ伏せだったという場合もあると思います。時間があれば起き上がる前に、同じように膝を立てて隙間を無くして10分を実施してください。少しずつでも反りが無い時間をつくることが改善の道です。

普通に寝ると腰が反ってしまうのに、なぜこの方法だと隙間が無くなるかと言えば、脊柱起立筋が弛緩したからに他なりませんが、ここが背骨の厄介なところです。

背骨というのは自分の意識で動かせるのに、その筋肉の緊張度は意識的にはコントロールできないのです。意識的に緩めることができないので、ギックリ腰をやると、骨に異常が無いのに、筋肉が硬直したままになり痛みます。背中の筋肉を痛めてしまうと長い間痛みが残るのも、「動かせるのに、緩められない」という特性が原因です。
 
この筋肉を意図的に緩ませるためには、それを目的に設計した「かたち (=フォーム)」と「重力からの解放」が必要です。仰向けでできる「腰の隙間」だけで重力に対抗する緊張が起こり緩められない状態に陥ります。

※膝を立てただけでは、腰の隙間が無くならない人は、お尻で歩く動作(実際はその場で足踏み)をすると腰が伸びるのですが、文章では分かり難いと思いますので後日、動画をアップする予定です。