ウサイン・ボルト氏に見られるようなスプリンターの偏平足や、同型で踵骨の過回内を伴う偏平足がどの様に進行していくのかを解説しています。
1.リスフラン関節が過度に開放される。
ボルト氏の足は、足指(趾)の第三関節に当たる「リスフラン関節」が通常より大きく開かれた状態です。
この状態では足裏アーチが押し潰されるため踵骨の前後(踵⇔つま先方向)の傾きが大きくなります。ボルト氏の特徴的なアキレス腱は、これが原因で大きく張り出した状態になっています。
下のボルト氏の画像を見ると、アキレス腱付着部の様子から踵が大きく傾いていることが確認できます。アキレス腱は通常、踵の背面に沿うものですが、踵骨途中から立ち上がっています。
おそらく偏平足が進行し、下図の様に踵骨までもが位置変化を起こし、足の骨がほぼ一直線に並んだ状態になっていると思われます。
リスフラン関節を構成する中足骨は脱臼や骨折し易い骨ですから、大きな衝撃のかかるスプリンターのつま先接地ランニングは、リスフラン関節を過開放する原因となります。
また、大きな衝撃だけでなく長時間の立ち仕事などで足底筋膜が疲労した状態が続くと、やはりこの関節が大きく開いた状態になっていきますが、この関節は自分の意志で動かす関節ではなく、加重によって受動的に動く関節であるためか、脱臼に近い状態で関節がズレていても気付かずに過ごしている人が多いようです。
通常、立ち仕事などで伸びてしまった足底筋膜は、休息をとれば回復し元の長さに戻って再び足裏アーチが復活します。
しかし、中足骨が位置ズレを起こすと、足底筋膜は伸ばされたままで回復できません。
そのままでの状態が繰り返されると、やがて解放された形が固定的になっていきます。
次回は、この偏平足がどの様な影響を及ぼすのかを解説していきます。
旧い科学とは、すなわち迷信です。
骨端線閉鎖後も成長できる身トレの事実が、今の科学を迷信へと変えていきます。