大人の骨が伸ばせる! 身長を高くするトレーニング
食生活・神話
「ここ数十年で日本人の平均身長は大きく伸びた、それは食生活の変化に原因がある」 という考えは、間違いではありません。
しかし、この論理も歴史に照らし合わせて考察しなければ、「神話(=根拠のない出鱈目)」となり全く役に立ちません。
論理には適用可能な範囲・条件というものがあります。この範囲を逸脱して「絶対的・真理的」なものとして扱うと誤った答えを導くことになりますが、これもその典型です。
食料難の時代
私の父母は戦前に生まれました。
戦中から食糧難が始まり、地域によって違いがありますがそこから昭和30年近くまで食糧難の時代が続きます。
成長期の子供がどんぶり一杯の米に、卵一個をかけて4人兄弟で分けて食べる。それが一日の食事(一回だけ)という時期もあったと聞ます。
食パンをもらって大喜びしている父の少年時代の写真は、今も心の中に焼き付いて消えることがありません。
そこから高度経済成長期を迎え、昭和30年代から40年代にかけて給料額が10倍になるほどの所得変化があり、昭和60年代まで経済成長が続きます。
時系列でみる食糧事情
①昭和10年代の生まれは、子供の時に戦争があり食糧難の中で成長期を迎えます。
②昭和20年代生まれも食糧難の真っ只中で生まれ、成長期後半は食糧事情が良くなってきますが、経済が不安定なので質素倹約で成長していきます。
③昭和30年代生まれは、親が食糧難を経験した世代です。
経済が復興してきても食べ物の大切さを教えられ、やはり質素倹約の生活を送ります。
④昭和40年代に入ると給料が跳ね上がり、物も豊かになって「もう戦後じゃない!」と、消費の拡大が起こります。
食糧難を経験した親は一転して「自分の子には腹いっぱい食わせてやりたい」と考えるようになりました。そのなかで育ったのが私の世代で、この平均身長が170cm程度、現在と変わらない時代になります。
10年ごとの食糧変化
こうして振り返ると、見事に10年単位で物資、経済、そして精神面での変化が起きていることが分かります。
この変化が日本人の平均身長の伸びにピッタリと一致しているのです。
10年代生まれ 食糧難
20年代生まれ 食糧難→質素倹約
30年代生まれ 質素倹約
40年代生まれ 食糧豊かな飽食の時代
つまり「良い食品を食べれば背が伸びる」と言っている人は「食糧難」と「飽食」を比べて言っているわけです。
この論理自体に誤りはありませんが、飽食の時代を迎えてから50年も経つ現在に「食糧難→飽食」の論理を適用するのは誤りです。
必然的に答えも誤りとなり、それが「食生活・神話」です。
バブル経済崩壊以前の「土地の値段は上がり続ける」という土地神話と同じで、ある範囲までは事実であり絶対的であるように見えても、条件が変化してしまえば成立しなくなるのが論理というものです。
「良い食品なら背が伸びる」とする「食生活・神話」も、昭和40年代生まれ以降には成立しない論理になります。
つづく・・・
骨は鍛えて伸ばせる! 身長を高くするトレーニング
食生活・神話
「ここ数十年で日本人の平均身長は大きく伸びた、それは食生活の変化に原因がある」 という考えは、間違いではありません。
しかし、この論理も歴史に照らし合わせて考察しなければ、「神話(=根拠のない出鱈目)」となり全く役に立ちません。
論理には適用可能な範囲・条件というものがあります。この範囲を逸脱して「絶対的・真理的」なものとして扱うと誤った答えを導くことになりますが、これもその典型です。
食料難の時代
私の父母は戦前に生まれました。
戦中から食糧難が始まり、地域によって違いがありますがそこから昭和30年近くまで食糧難の時代が続きます。
成長期の子供がどんぶり一杯の米に、卵一個をかけて4人兄弟で分けて食べる。それが一日の食事(一回だけ)という時期もあったと聞ます。
食パンをもらって大喜びしている父の少年時代の写真は、今も心の中に焼き付いて消えることがありません。
そこから高度経済成長期を迎え、昭和30年代から40年代にかけて給料額が10倍になるほどの所得変化があり、昭和60年代まで経済成長が続きます。
時系列でみる食糧事情
①昭和10年代の生まれは、子供の時に戦争があり食糧難の中で成長期を迎えます。
②昭和20年代生まれも食糧難の真っ只中で生まれ、成長期後半は食糧事情が良くなってきますが、経済が不安定なので質素倹約で成長していきます。
③昭和30年代生まれは、親が食糧難を経験した世代です。
経済が復興してきても食べ物の大切さを教えられ、やはり質素倹約の生活を送ります。
④昭和40年代に入ると給料が跳ね上がり、物も豊かになって「もう戦後じゃない!」と、消費の拡大が起こります。
食糧難を経験した親は一転して「自分の子には腹いっぱい食わせてやりたい」と考えるようになりました。そのなかで育ったのが私の世代で、この平均身長が170cm程度、現在と変わらない時代になります。
10年ごとの食糧変化
こうして振り返ると、見事に10年単位で物資、経済、そして精神面での変化が起きていることが分かります。
この変化が日本人の平均身長の伸びにピッタリと一致しているのです。
10年代生まれ 食糧難
20年代生まれ 食糧難→質素倹約
30年代生まれ 質素倹約
40年代生まれ 食糧豊かな飽食の時代
つまり「良い食品を食べれば背が伸びる」と言っている人は「食糧難」と「飽食」を比べて言っているわけです。
この論理自体に誤りはありませんが、飽食の時代を迎えてから50年も経つ現在に「食糧難→飽食」の論理を適用するのは誤りです。
必然的に答えも誤りとなり、それが「食生活・神話」です。
バブル経済崩壊以前の「土地の値段は上がり続ける」という土地神話と同じで、ある範囲までは事実であり絶対的であるように見えても、条件が変化してしまえば成立しなくなるのが論理というものです。
「良い食品なら背が伸びる」とする「食生活・神話」も、昭和40年代生まれ以降には成立しない論理になります。
つづく・・・
骨は鍛えて伸ばせる! 身長を高くするトレーニング