アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

グレゴリ青山さんから、新しいご本をいただきました

2020-06-16 | 旅行

あー、ありがとうございますー、ね。今、グレゴリ青山さんから「グレさんぽ」の続編をいただきました~。こんなん、なんぼあってもええですからね.....と、思わずミルクボーイのマクラを使いたくなる嬉しさで、「グレさんぽ 猫とかキモノとか京都とか」(小学館)を読ませていただきました。ミルクボーイのあのマクラは、「もろてもしゃーないモン」を反語的に言っているわけですが、グレゴリ青山さんのご本は文字通りの意味で「なんぼあってもイイ!」なんです。その証拠に、昨日帰宅して届いているのを知り、すぐに開けて「そやそや、そやねん」とか言いながらだーっと読んでしまい、今日またじーっくり読んだのですが、何度読んでも面白い! 前作「グレさんぽ 琵琶湖とかインドとか」(小学館、2017)もそうでしたが、副題におさまり切らぬトピックスが満載で、それを描写するグレゴリさんの絵ちから、筆ちから、発想力が抜群に面白いんですよね。加えて今回のご本では、驚くような美術表現が参加しています。まずは、表紙をどうぞ。表の方は帯付き、裏は帯なしでスキャンしました。

で、この表紙(正確に言うとカバーですが)を彩っている写真というかイラストというか、何だかわかりますか? そうなんです、なんとなんと、刺繍なんですっ!!  表の方は、グレゴリさんが愛猫2匹と一緒に日本舞踊を踊っている図柄です。上には提灯、愛猫のキジトラのムン、黒猫のホク(名前の由来は本書にあります)は、それぞれに着物の柄に合わせた色の扇を持っていて、グレゴリさんもそうなんですが、グレゴリさんのお着物だけ模様が違いますね。千鳥が飛んでいるのかな? 曲は「祇園小唄」でしょうか、それとも「京の四季」? 3人とも、もとい、1人と2匹が膝を折り、小腰をかがめるポーズを取っています。まー、こんな細かい刺繍をよくまあ、と感心してしまうのですが、全部グレゴリさんご自身の手になるものです。表も、下の写真の裏と同じく、裾の方に川千鳥が飛ぶ鴨川といった水面が刺繍してあります。そして、表の方の水面には、トンデモなものも刺繍されているのですが、たしかにこれは帯で隠してあった方がいいですね....。

裏の方は、お地蔵さん(ですよね、赤いよだれかけをしているから。中に地蔵盆の話がありましたし)とインド料理の定食ターリーを模した刺繍がしてあります。ターリーの方は、チャパーティーの焦げ目がついていたりと、本当に芸が細かいです。この、丸の中に描いていく、という表現は、おそらく前作「グレさんぽ 琵琶湖とかインドとか」の表紙デザインを踏襲して、それを刺繍で表現したものでしょう。前作のデザインはこんな感じでした。

本の中で取り上げてあるものが、マルの中に描かれています。というわけで、今度の「グレさんぽ 猫とかキモノとか京都とか」は同じコンセプトのデザインを、手刺繍で完成させてある、ということなんですね。また、中の扉には、いろんなデザインの円形刺繍が並べてあります。インドのラージャスターン地方やグジャラート地方の民芸品によく見られるミラーワーク(刺繍の真ん中に小さな円形の鏡を編み込む)も登場していますが、こうなるともう刺繍作家ですね。グレゴリさん、すごいです!

掲載の漫画には、上に引用したようなインド映画関連のものもあります。インド映画ファンの方、猫好きの方、旅好きの方、文学好きの方、レトロな風景好きの方、京都&滋賀(ミルクボーイがディスるほど、滋賀、悪いとことちゃうやん)好きの方、ぜひ読んでみて下さい。アマゾン沼でのご注文ページはこちらです。レーコちゃんや元ヤンキーの弟さんというお馴染みキャラに加え、今回は「脳内の僧」という新キャラや、インドにも詳しいイラストレーター森優子さんも登場。読むと、つらかったこの2ヶ月余りを忘れられるぐらい、気分が上向きになります。グレゴリさん、今回はお手伝いもしませんでしたのに、ご恵存ありがとうございました~。

<追記 6/17>

グレゴリ青山さんから別途メールをいただき、「またぜひおいしいものを食べに行きましょう!ボリウッドカラオケも!(え?おいや?もう第5弾も出てますよ)」とのことで、ボリウッド映画ソングのカラオケサイトを教えてきて下さいました。こちらです。私はカラオケが全然ダメなので(生まれてこの方、1回しかカラオケやったことがない人間ですねん)パスしてしまいますが、お好きな方はぜひ試してみて下さい。新旧とりまぜて、ヒットソングが目白押しです...。

 


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4 コメント

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ありがとうございました! (グレゴリ青山)
2020-06-17 10:29:10
cinetamaさま、拙著をこんなに丁寧に紹介して下さって涙涙です。
カバーの刺繍、京都ふうに踊っているイメージで縫ったのですが、曲までイメージしていただいてとってもうれしいです~~♡そして前作とのイメージの連続にまで気づいていただいて…著者冥利に尽きます。デザイナーさんも喜ばれることでしょう。ありがとうございます!
刺繍、もう、自分でもびっくりなほどはまり込んでしまいました。夢中になってチクチクするのはいいけど、気が付いたら目はしょぼしょぼ、指はガチガチになっていて、針を置いてからものすごく疲れていることに気付きます。
ミラー刺繍、こちらの本の著者宮内愛姫さんが先生でした。https://www.amazon.co.jp/%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%84%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%88%BA%E7%B9%8D-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AB%E4%BC%9D%E3%82%8F%E3%82%8B%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E3%81%AE%E6%8A%80%E6%B3%95%E3%82%92%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8-%E5%AE%AE%E5%86%85-%E6%84%9B%E5%A7%AB/dp/4416618344/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%88%BA%E7%B9%8D&qid=1592356961&s=books&sr=1-1習って以来、インドの刺繍を見る目がおお―、こんな色で、こんなステッチで、とか、ねっとり視線に変わりました。
では、コロナで世界中が大変ですが、またぜひお会いして、おいしいものを食べましょう!
返信する
グレゴリ青山様 (cinetama)
2020-06-17 11:11:03
早速にコメントを下さり、ありがとうございました!
今日はこれから、3回目に突入しようかというご高著「グレさんぽ」、本当に読むたびに、自粛で萎縮した心がほどけてくる感じです。
「おまけの章」とかにある、ハミダシの説明が夜はじっくり読めず(右目が老眼、左目近眼というものすごいガチャ目)、好天の今日は「細部読み」に絶好なので、もう一度読み直す予定です。

刺繍の先生、「インドで刺繍をならってきた女性」とあったので、どなたかなあ、と思っていたのでした(欄外の説明を今、発見)。
今回書いて下さったアドレスを辿って、「かわいいミラー刺繍: インドに伝わる伝統の技法をわかりやすくアレンジ」(誠文堂至誠社)のアマゾンのページに行きついたんですが、宮内愛姫(あいこ)先生のプロフィールがまたすごい。
インドのカッチ地方のほか、あちこちでいろんな手仕事経験を積んでこられた方なんですね。
グレゴリさんの次の刺繍作品も楽しみにしていますが、くれぐれも膀胱炎には気をつけて(意味がわからない人は、この本を読みましょう)。

ホンマに、京都にでもぱぁーっと行って、おいしいもん食べたいです。
「じゃばら」で「新型コロナ退散!」やりたい...。
あとしばらく、がまんの子ですね。
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Unknown (Unknown)
2020-06-18 09:07:15
宮内愛姫先生、カッチの、バスもない村までヒッチハイクで刺繍を習いに行かれるツワモノです。教え方もとてもいい感じで、HPでは、すてきな作品も載っていてうっとりです。http://aikomiyauchi.com/works/
そして、あら―、残念!ボリウッドカラオケ、松岡さんの正しいヒンディー語でお聞きしたかったのに~。ふふふ、でも、ほんと、むずかしいいんですよ!メロディーラインがないので、画面にカタカナが出ているのに、え、ここどんなメロディだっけ?としょっちゅう中断です。何十回も効いている曲にもかかわらずです。インドの歌い手さんはホンマすごいと改めて思います。それでもつい、大好きな曲があると歌ってみたくなるんですよねー。ボリウッドカラオケ、私の趣味を知ってくれていてるん?と思うようなけっこう古いのがあるのがうれしいです。早く安心してカラオケに行けるようになりたいですね。
cinetamaさんに何度も読んでいただいて幸せもんです。ありがとうございました!
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Unknown様 (cinetama)
2020-06-18 20:49:37
コメントをありがとうございました。
宮内先生、すごいですねー。
好きなればこそ、ですね。
HPも教えて下さって、ありがとうございました。

カラオケですが、インドの人はメロディーラインがあると歌いにくいのでは、と思います。
昔はインド人のお宅に泊めていただいたりして、ご家族の方から歌をよく聞かせてもらったのですが、皆さんビミョーにオリジナルのメロディーと違っているんですよ。
ビブラートを効かすとかだけでなく、ちょこっと半音上がり下がりしていたりして、おお、感じが違ってまたいいではありませんか~、と思いながらいつも聞いていました。
そういうのが全部再現できたらなあ、と、音痴の私はずーっと残念に思ってはや45年、です。
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