アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅵ期 <第4回>「インド映画と宗教」

2022-01-17 | インド映画

一昨日、スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅵ期 <第4回>「インド映画と宗教」の1回目のお話をさせていただきました。この第Ⅵ期は、「新たなるインド映画の世界」の記述に基づき、作品分析をしていくもので、今回は高倉嘉男さん執筆の「多様で寛容でありながら、時に争いも生み出すインド社会の精神」(P.130&131)をもとに、『PK/ピーケイ』(2014)と『ミルカ』(2013)を詳しく見ていきました。その場でも言ったのですが、『PK/ピーケイ』は非常にうまく作られている作品で、インドの宗教の諸相を取り上げていくそのレトリックの巧みさには舌を巻いてしまいます。宗教を真っ向から描く作品は、インド映画界ではタブーと言ってもよかったのですが、本作はある設定にすることで見事それをクリア。そんなお話もまじえながら、楽しくお話させていただきました。また、後半はシク教について考えていただくということで『ミルカ』にしたのですが、参考文献もご覧に入れたりしながら多くのご質問にお答えしたりして、充実した内容になったと思います。その合間にはサーイー・バーバー(両方です)や「オショー」の話なども入れて...というわけで、映画に描かれたインドの宗教について、ある程度俯瞰できたのではと思っています。この講座、あと2回同じ内容で開催しますので、ご興味がおありの方はぜひお運び下さい。

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅵ期
「新たなるインド映画の世界」から
  <第4回>インド映画と宗教
~『PK/ピーケイ』&『ミルカ』から見るシク教~

 

 スペース・アーナンディ「インド映画連続講座」は、緊急事態宣言解除後も定員を約半分に制限し、感染予防策を徹底させながら実施を続けています。今期の第Ⅵ期「『新たなるインド映画の世界』から」は、4月末にPICK UP PRESSから発売された本をベースに、毎回2作品を分析していく、という試みをしています。その第4回は、「多様で寛容でありながら、時に争いも生み出すインド社会の精神」(P.130/執筆:高倉嘉男)を参考に、「インド映画と宗教」を考えます。『PK/ピーケイ』(2014/ヒンディー語)ではインドの宗教全体を、そして『ミルカ』(2013/ヒンディー語)ではこれまで日本であまり知られてこなかったシク教を少し詳しく見てみたいと思います。
  インドの宗教については、すでに過去の講座でお話をしているのですが、今回は『PK/ピーケイ』に基づいて、登場する全ての宗教を俯瞰し、さらに映画の中で批判的に描かれている新興宗教についても、ちょっと触れてみたいと思っています。インドの新興宗教については、井田克征著「世界を動かす聖者たち」(平凡社新書、2014)が参考になりますので、ご興味がおありの方はぜひお目通し下さい。
シク教については、「ターバンを被ったインド人」というアイコンで昔から親しまれているのに、その実態はあまり知られてきませんでした。『ミルカ』の中では、開祖グル・ナーナクの絵姿が登場すると共に、歴代グルの1人グル・ゴービンド・シンの逸話も披露されており、シク教の教義のほか、現在に至るまでの歴史も簡単に辿ってみたいと思います。

  グル・ナーナク<右>とグル・ゴービンド・シン<左>

 日時:2022年 1月29日(土) 15:00~17:30
         2月 5日(土)  15:00~17:30     (お好きな日をお選び下さい)
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停18分>下車1分)
 定員:11名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

 シク教総本山アムリトサルのゴールデンテンプル(1979年)

 今回も、①定員は約半分、ソーシャル・ディスタンスを確保する、②参加者はマスク着用、手の消毒も徹底する、③会場は消毒を励行、換気も徹底する、④その他、できうる限りの感染予防策を取る、という点に注意して実施します。現在全国の感染者数増加は1日200人を切る状態が続いているとは言え、この冬に第6波到来か、という予測もいまだ否定されてはいません。こんな不安定な状況なので、中止のご連絡をする可能性もなきにしもあらずです。その点、悪しからずご了承下さい。
 ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。

<シリーズ最終回の予定>
“「新たなるインド映画の世界」から“最後のテーマは、⑤「踊り」(P.120)の予定です。日にちだけは決まっていて、①2月26日(土)、②3月12日(土)、③3月26日(土)の3回です。なるべく早く内容を固めて、またこのブログでお知らせ致します。

昨日は皆様に、お年玉(通貨はカリブの海賊金貨)とシク教シールもプレゼント。あとの2回にも付きますので、ご出席下さる方はお楽しみに(と言うのもはばかられるようなかわいいプレゼントなんですが)。今年もスペース・アーナンディ/インド映画連続講座を楽しんでいただければ幸いです。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『シティ・オブ・ジョイ』が... | トップ | インド映画DVD一挙に発売! ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事