アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

旅の反省

2023-03-17 | 旅行

4年ぶりのインド旅行は、大成功とは言えない旅になりました。マイナス要因を挙げてみたいと思います。

[OMG! のマイナス要因]

①風邪からくる気管支炎
今回の旅は、寒さにやられました。まず、行きに前泊する成田のホテルに向かうため乗った、京成線のイブニングライナーがものすごく寒かったのです。座席の上に脚を上げたりして寒さをしのいだのですが、前泊のビジネスホテルに到着後、湯船にお湯を張って脚を温めたりしたぐらいで、そのあたりからもう体は風邪を引き始めていたのだと思います。飛行機の中も寒く、ずっとダウンコートを着ていました。使ったのはキャセイ航空ですが、キャセイはだいぶ経営難のようで、搭乗口は香港以外はいつもへんぴな所に配され、いろんなサービスも低下していました。

インドに入ると、気温が20度を超えるので当然冷房の世界になりますが、チェンナイで泊まったホテル、ザ・レジデンシーは4つ星のホテルで結構部屋が広く、サービスが行き届いていました。上は、ソファー前のテーブルにおやつ(!)が乗っているところです。片方はチキーというお菓子の丸形で、ピーナツを飴で固めたお団子です。もう片方は塩味のクッキーで、5個ずつ入っていて、食べると補充してくれました。この行き届き方なので、外出時には自動的に換気の空気が流れ込み、不在の間中冷気を部屋に送り込みます。この冷え冷え~が風邪の大敵で、留守中に止める方法はないかとキー差し込み口にいろんなカードを代わりに入れてみたのですが、ダメでした。そしてついに風邪を引いてしまった、という次第です。途中、毛布ももらったのですが、赤ちゃん用かと思われる小さなものしかやってこず、がっかり。まあ、外はこんな暑さなので、冷房を効かすのが当たり前の世界なんですよね。ここに写っているのは、チェンナイの老舗書店です。

旅行中に気管支炎で声が出なくなる、というのはこれまでも何度か経験していて、香港で友人が紹介してくれたお医者さんにかかったのが3度。帰国後日本の病院にかけこんだことも2,3度あります。インドでは初めてでしたが、処方してくれた抗生物質が3種もあるのに、なぜ効かなかったんだか。インドも日本と同じように、薬は薬屋さんで買うのですが、医者が「5日分」と処方していても、その薬の1パック単位でしか売ってくれないのです。というわけで、5日間飲んで「全然効かない!」となったあとの様子がこれ。1錠だけ無駄になったのならまだしも、10錠無駄になるのはいかがなものか、と思いますが、切り離しては売ってくれないそう。

というわけで、昨日は日本の病院に行ったのですが、「咳が出て...」と言うと、「すわっ!」という感じで新型コロナの「発熱外来」に回され、看護師さんからしつこいぐらい症状を聞かれたあと、防護服に身を固めた医師のところへ。話を聞いた医師は「新型コロナの疑いは薄い」と診断して薬を3種出してくれたのですが、「2週間...いや、4週間出しておくからね」という言葉からも即効性はないようで、昨夜も咳に悩まされました。咳で眠れないのはつらいですね。昔、デリーに赴任していた人が「妻が喘息で、ベッドに横になると咳が出て眠れないため、自動車に乗せて一晩中デリーの街を走って回った」と言っていたことを思い出しますが、実は1975-76年に初めてインドに行った時も、後半ののデリーで同じように気管支をやられ、YWCAのホステル(ここがもーのすごく寒かった)からちょっと高級なYWCAゲストハウスに移り、一人部屋で一晩中咳をしてはぜいぜい言っていたことを思い出します。どうも私の中では、インドと気管支炎は密接に結びついているようです。

②官僚相手の交渉ごと
今回の旅の一番の目的は、CBFC(Central Board of Film Certification/中央映画検定局)に行って、ネットに発表されていない2017年4月1日以降のインド映画製作本数データをもらってくることでした。アメリカや日本は、公開本数を発表することでその年の映画界状況を伝えているのですが、インドではどの映画も検定を通す必要があるため、この検定本数を映画界状況の目安としています。CBFCは毎年詳しいレポートを発表し、60数ページにわたるこの報告書は、CBFCのHPにも掲載されています。ところが、2016.
4.1~2017.3.31の報告書を最後に、データがアップされなくなったのです。高倉嘉男さんと私は、インド映画を紹介する時に「インド映画の○○年の製作本数は~本」というデータを入れたいがために、何とかこのデータを入手しようとしているのですが、いまだ成功していません。というわけで、今回トライしてみることにしたのです。

チェンナイでは、こちらで書いたように、South Indian Film Chamber of Commerce(南インド映画商業会議所)で親切にしてもらい、あそこには書きませんでしたが、お役所が集まる庁舎シャーストリー・バワン(上写真)にあるというCBFC Chennaiのオフィスにも行ってきて、お願いしたのでした。あいにく、CBFCのトップD.Balamuraliさんは不在だったのですが、担当者の方が「伝えておくから」と言って下さり、その前にこのバーラムラリさんに「お訪ねします」というメールを出していたせいか、後日そのメールのお返事という形でデータが来たのでした。下がそのメールです。
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Madam,

With reference to your email, the desired information is given hereunder -

Digital Films Certified at Chennai Regional Office (Calendar Year-wise) 
2018 - 309
2019 - 362
2020 - 183
2021 - 269
2022 - 342
2023 (upto February) - 49

The statistics pertaining to the year 2017 will be sent to you in due course.

सादर धन्यवाद / Thanks & Regards,

                                  
डी। बालमुरली, आई.ए.एस.
D. BALAMURALI, I.A.S.

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担当者の方に「チェンナイで検定された映画の数ならすぐわかるから、それでいいのかな?」と言われて、「ほとんどがタミル語映画ですよね。それで結構です」というお願いをしたのですが、よく考えると「言語別もわかれば」と付けておけばよかったなあ、と後悔しています。いずれにせよ、チェンナイのお役人は親切で、かつ迅速に仕事をして下さることがわかりました。

一方、こちらに書いたように、ムンバイのCBFCは、長い間待ってトップのマヘーシュ・ヤシュワント・パーティルさんに会えたものの、そこで約束して下さったリストはいまだに送られてきません。アマン・サチデーワさんが紹介してくれたアドバイザー、ウダイ・シャンカル・パーニさんからは、「彼らは官僚だからね、一筋縄ではいかないよ。よし、レターヘッドのあるメールで、これこれのことを書いて送ってくれ」と指示が飛んで来、「レターヘッドのあるメール文??」とか思いながら、ただいま頭をひねって作成中です。昔から、インドの映画関係の官僚にはずいぶん悩まされたのですが、ひさびさにその壁にぶち当たりました。日本の映連や、韓国のKOFICのように、データを毎年発表してこその映画大国だと思うんですが、情報放送省に属するお役所としては仕方がないのかも知れません。まだまだ体力がもどらないので、ケンカにいまいち力が入りませんが、がんばってデータをゲットしなくちゃ、です。言語別の映画製作本数をゲットするだけでも、こういう苦労があるんですよ~。インド映画研究者はつらいよ、ですね。

 

 


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