アジア映画巡礼

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『マニカルニカ』で明ける2020年<3>『マニカルニカ』と『バーフバリ』&『バジュランギおじさん』&FGO

2020-01-02 | インド映画

いよいよ明日1月3日(金)から、『マニカルニカ ジャーンシーの女王』公開です。新宿ピカデリーでは1日3回上映ですが、明日の一番行きやすい14:20~の回はすでに「残席わずか=あと4席(22時30分時点)」となっています。しかし、最初の回が8:50~だなんて、そりゃいくらインド映画ファンとはいえ、お正月から朝6時起きはつらいよねー。最後の回は20:10~なので、次の日が休日ならこの回でもOKかと思いますが、「男はつらいよ」じゃなくて、「インド映画はつらいよ@日本」状態はまだまだ続きそうです。でも、他の劇場でも上映中で、川崎チネチッタでは1日2回上映ながら、『燃えよスーリヤ!!』とのダブルヘッダーも可能。公式サイト劇場情報をチェックして、お正月休みの間にぜひ楽しんで下さいね。

そしてYouTubeには、『マニカルニカ ジャーンシーの女王』の脚本家K.V.ヴィジャエーンドラ・プラサード(作品によってV.ヴィジャエーンドラ・プラサード、あるいはヴィジャエーンドラ・プラサードとも)のメッセージがアップされていました。内容を聞くと、クリスマス前に収録されたもののようで、日本到着まで時間がかかってしまったようです。アップされた日が12月27日となっているため、年末にかかって日本語字幕が付けられなかった模様。下に画像と、メッセージの大体の訳を書いておきますので、とても素敵な『バーフバリ』生みの親からのメッセージをお楽しみ下さい。

『マニカルニカ ジャーンシ―の女王』K.V.ヴィジャエーンドラ・プラサードからのビデオコメント

「私はヴィジャエーンドラ・プラサードです。皆さんは映画『バーフバリ』で私のことを知っていて下さるかと思います。あの映画の監督、S.S.ラージャマウリは私の息子です。息子が話してくれたのですが、日本に行った時には本当に素晴らしいおもてなしを受けたとか。『バーフバリ』をご覧になり、気に入って下さった日本のファンの皆さんに、心から感謝する次第です。そしてこのたび、私が脚本を書いた映画『マニカルニカ ジャーンシーの女王』が公開されますが、これは非常に感動的な物語です。大英帝国の仕打ちと戦った女性の物語で、出演者とスタッフが心を込め、一生懸命作り上げた作品です。日本では1月に公開されますので、せひ劇場に足を運んでご覧になって下さい。では、日本のファンの皆さん、楽しいクリスマスとよいお年をお迎え下さいますように」

K.V.ヴィジャエーンドラ・プラサードさん、声も口跡も素敵なので、映画に出ていただきたいぐらいですね。そうそう、この方は昨年早々にヒットした、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)の脚本も担当していましたっけ。まさしく、ヒット・メーカーという感じの方で、『マニカルニカ ジャーンシーの女王』の脚本も実に上手に作ってあります。そのあたりも、じっくりとお楽しみ下さい。

ⒸEsselvisionproduction(p) (LTD)

あと、タイミングよくまた映画紹介サイト「BANGER!!!」が記事をアップして下さいました。こちらです。歴史上の事実なのでネタバレとか関係なく、映画のストーリーとその背景を少々詳しく書いておきました。インド人なら誰でも知っているマニカルニカ(結婚前の名前)=ラクシュミー・バーイー(結婚後の名前)の話ではありますが、日本人の我々には馴染みがないですものね。

ⒸEsselvisionproduction(p) (LTD)

しかし、てな話を年末に配給会社の方としていたら、何と!ゲームキャラに「ラクシュミー・バーイー」が存在するんだそうです。「FGO(FateGrandOrder)」という有名なゲームだそうで、例えばネット上にはこちらこちらで「ラクシュミー・バーイー」のゲームキャラが紹介されています。名前や地名の音引きも正確だし、歴史的な事実もちゃんと押さえてあるし、このゲームの制作者はすごいですね。「ヒンドゥー語」などとデータに書くインド映画ソフト制作会社に、爪の垢を煎じて飲ませたいです。

ⒸEsselvisionproduction(p) (LTD)

インドでは、最近歴史映画が増えている気がします。一つには実録映画ブームというか、実際に起こった出来事に基づく作品が増えたことで、現代を描く作品でも『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)や『SANJU/サンジュ』(2018)のように、実在の人物の伝記映画的作品が何本も作られてヒットしており、歴史上の人物にもそれが広がっていっている、という現象があります。歴史上の出来事、特に近代となる前の18世紀以前の出来事を映画化するには莫大な製作費がかかり、誰でもができるわけではありませんが、著名な監督らが挑戦しているケースがいくつもあります。歴史映画が増えたもう一つの理由は、モーディー政権下でちょっといびつな「愛国心」が鼓舞されている現在、それをよしとする風潮に迎合すれば映画のヒットは間違いなく、この機に歴史映画を、ということで企画されているのでは、と思われます。ただ、失敗作となって大赤字、という作品も結構あり、ついこの間公開されたばかりのアーシュトーシュ・ゴーワリカル監督作『Panipat(パーニーパト)』も、製作費の半分ぐらいしか興収が上がっていません。

ⒸEsselvisionproduction(p) (LTD)

そんな歴史映画の中で、一時的にせよ興収トップ10にランクインし、100カロール・クラブ(10億ルピー超えの興収をあげた作品は、ヒット作としてこう呼ばれる。「カロール(Crore)」は1千万を表す単位)入りを果たした『マニカルニカ ジャーンシーの女王』はなかなかのものです。どんな作品なのか、ぜひご自分の目で確かめてみて下さいね。最後に予告編を付けておきます。

映画『マニカルニカ ジャーンシーの女王』予告編  

 


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