年末に公開情報をアップしたインド映画『デリーに行こう!』、ヴィジュアルをたくさんご提供いただきましたので、ちょっと詳しくご紹介します。まずは、映画の基本データからどうぞ。
『デリーに行こう!』 公式FB
(2011年/インド/ヒンディー語/120分/原題:Chalo Dilli)
監督:シャシャーント・シャー
主演:ラーラ・ダッタ、ヴィナイ・パタック
配給:Thati Media Corporation
2月15日(土)より、オーディトリウム渋谷ほか全国順次公開
ストーリーは以前にもご紹介したように、ムンバイで投資会社を経営するバリバリのキャリアウーマン、ミヒカ(ラーラ・ダッタ)が仕事でデリーに行こうと飛行機に乗ったところ、どういうわけかジャイプルで降ろされ、その後いろいろ苦労してやっとデリーに辿り着く、というお話です。その過程で、デリーの布地屋マヌ(ヴィナイ・パタック)と出会い、彼と道連れになって、助けられたり、振り回されたり(こっちの割合多し)。あまり品のよくないマヌの口癖、「コゥン・シー・バリー・バート・ホー・ガイー(たいしたことじゃないよ、それがどうしたってんだい)」を何百回と聞かされ、それに終始イラついていたミヒカですが、旅を終わってみると...という、笑わせながらラストはしんみり型の、上手な筋運びになっています。
ミヒカとマヌはまず、ムンバイ空港へ行く途中で最悪の出会いをし、飛行機に乗り合わせます。
マヌのうるさいおしゃべりに辟易したミヒカは、ヘッドフォンで音楽を聴いてやり過ごそうとしますが、そのせいで機内アナウンスを聞き逃し、自分の乗った飛行機が行き先変更をしてジャイプルに着くことを知りませんでした....って、そんなのアリ? アリかも。冬の間はデリー空港は濃霧に襲われ、飛行機の発着陸ができなくなることがあります。そんな時は付近の空港に着陸するしかないので、まあ、ジャイプルに変更、もなきにしもあらずなんでしょうね。
ミヒカはタクシーを雇ってデリーに行こうとしますが、そこにマヌが強引に乗り込んできます。タクシーは途中で故障し、トラックで国道沿いの食堂まで送ってもらった二人は、その後ラクダの牽く車に乗り、さらにトラクターの牽く乗り合い車に乗って鉄道の駅へ。ところが、オーマイガッ!な出来事がそこでも待ちかまえていて、ミヒカとマヌは『DDLJ』ごっこをする羽目に。インド人、好きですね~、『DDLJ』ごっこ。
♪ トゥジェー・デーカー・トー・イェー・ジャーナー・サナム~(君を見たらわかったんだ)♪ と『シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦』 (1995)のメロディーが聞こえてきそうです。無事列車に乗れてこれで一路デリーへ、と思ったのも束の間、いやいや、そうすんなり行っては映画が終わってしまいます(笑)。とにかく、一難去ってまた一難、これでもか、これでもかの不運の落とし穴が待っているのです。
やれやれ、いつになったらデリーに着けるやら。途中の町では、こんな色っぽいお姉さんも登場します。はい、このアイテム・ソングのシーンですね。彼女はヤナ・グプタという、インド人と結婚(&離婚)したチェコ出身の女優です。「ライラー・オー・ライラー」の部分は、『犠牲(Qurbani)』 (1980)のこの歌が元歌となっています。
大サービスでもう1枚。
ところが、彼女の魅力にやられてしまった町の顔役二人の抗争が勃発、非常事態となって、町は封鎖状態に。そこへ、敢然とミヒカを助けにやってくる彼女の夫こそ――。最後は、下のようなウルッとするシーンが登場してハッピーエンド、かと思ったらまだオチがありまして...。最後の最後まで目が離せない作品です。
今回、残念ながらラーラ・ダッタのアイテム・ソングは登場せず。『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』 (2011)では、こんなステキなダンスシーンを見せてくれた彼女です。でも、前述の町のホテルに泊まるシーンで、ちょっと色っぽい格好で登場します。全編あまりにも着た切りスズメだったので、サービスカットというところでしょうか。このブラウスの肩が破れたこともあって、脱いじゃうんですね。
芸達者なヴィナイ・パタックとラーラ・ダッタだからこそ、成立したコメディとも言えます。元ネタは、『デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』 (2010)だそうですが、こちらの作品は男二人組のお話で、かなり趣きが違いますね。いや、この『デュー・デート』はむしろ、王宝強(ワン・バオチァン)と徐崢(シュー・ジエン)共演の大ヒット中国映画『人在orz途(Lost on Journey)』 (2010)にそっくりでは、と、新たな発見をした『デリーに行こう!』でした。試写では上映用素材が間に合わなくて、ということでサンプル盤が上映されたのですが、あと1ヶ月の間に無事完成することを願っています。