林光さんが作曲家として活動し始めたと言われる何十年も前
ロシアの童話作家サムイル・マルシャークが書いた「森は生きている」という
さしずめロシア版の「シンデレラ」のような物語をオペラとして作曲された。
このオペラを聞きに来た子供たちが、コンサート後、オペラの中で歌われた
「12月(12つき)の歌」の「燃えろ燃えろあざやかに~」というメロディーを
口々に歌いながら帰っていくのを聞いて、作曲家としてやっていこうという思いを
新たにしたと、ずいぶん前の「徹子の部屋」で林さんはお話されていた。
物語の大筋は、
お城のわがまま女王さまが春に咲く松雪草(雪割草)を見たいと言い
「新年のお城にそれを持ってきた者にはたくさんの褒美を渡す」という
お触れを出す。
それを聞いた継母と連れ子の姉が、先妻の子供、妹に大晦日の夜
あるはずもない松雪草を探しに森へ行かせる。
その森では大晦日の夜、12の月の精たちがお祝いの宴をするという伝説があって
森へ行った女の子は雪の中で12の月の精たちと出会う。
4月の精が、1月、2月、3月の精に時間を譲ってもらい、真冬の12月に一瞬だけ
4月が訪れて松雪草がいっぱい咲きだす。
このお花をうちに持ち帰ると、継母と連れ子の姉はそれを自分たちがみつけたように
お城に持っていく。
女王様は松雪草を探しに行くから、どこに咲いていたのかと母娘に尋ねるが
トンチンカンな返答をする母娘をお城に閉じ込めて、女の子と家来を連れて
森へと出かける。
このお話を、林光さんは全編ピアノ伴奏によるオペラとして作曲された。
日本の多くの子供さんたちが「森は生きている」の中のいくつかの歌を
音楽の授業で歌ったりしているようだ。
「女声合唱団風」では、ナレーションを入れながら、このオペラをコンサートで演奏した。
この時ナレーション等のシナリオのたたき台は私が作った。