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〜かたることばが歌になる風になる〜

後継者の器 中国ドラマ「星漢燦爛」 (9月28日)から

このドラマは、単なるラブロマンス時代劇ではありません。
韓国ドラマでも中国ドラマでも、島国の日本とは違って
他民族と国境を接している国の侵略などの脅威と悲惨さは、想像を超えていて
シナリオが秀逸で見応えがあります。

「星漢燦爛」で出てくる皇帝(文帝)も、若かった頃から
他民族との和睦と平定などで苦労して、十数年経ってようやく
安寧な世を築き上げてきています。
しかし、皇族たちのそれぞれの思惑、足の引っ張り合い
臣下たちの腹の探り合いなどは
以前書いた「三国志〜司馬懿〜軍師連盟」にもあった
戦国の世の人間模様はどこも同じ。

宮廷を舞台にした複雑な人間模様の中で
主人公二人が、銀河の中で一際さんざめく星のように
生き生きと描かれている物語のようです。
ようやくドラマの半分あたりにきた所。

初めて読まれる方に中国ドラマ「星漢燦爛(銀河のような愛)」の簡単な概要です。

両親が武人の、程少商(チェン・シャオシャン・字名嫋嫋<ニャオニャオ>)
両親が遠征で何年も不在だったため、十分な躾も学問も施されてこなかったけれど
機転が効いて頭は良く、自分の思うがままに行動するので
同じ世代の娘たちには虐められたりするが、へこたれないし小気味の良い仕返しもする。
自分が学を身につけていないことに卑屈感がなくて口達者。

男性主人公、凌不疑(リンブーイ・字名 子晟<ズーション>)
幼少期に武人の父が戦で亡くなってからは皇帝のもとで育ち
若いけれど百戦錬磨で数々の功績を上げている将軍。
同じ武官にはその厳しさと能力で恐れられている孤高の存在で
都の女子(おなご)らには嫁ぎたいと憧れられている男性。
どんな女子にも心を動かすことなかった彼が
ニャオニャオに遭って一目惚れして熱烈に迫って求婚し
皇帝の命が下り婚約します。

そしてズーションの妻になるための見習いとして
彼女は宮廷の仕来りや理(ことわり)に慣れるために
皇后の元で学ぶこととなります。

ニャオニャオの母は、戦から帰還して以来
躾のために彼女には悉く厳しくキツく当たるのですが
思ったことを屈託なく発言する、彼女の忌憚ない部分とその賢さと器用さは
皇后や侍女たちには気に入られ、慈悲深い皇后は彼女を「偏愛」し
初めて自分に優しくしてくれる人に出会った彼女は
自分の母以上に尽くしています。

先週のドラマでは、皇帝(文帝)の後継者の資質について
子育てについて深く考えさせられるお話でした。

文帝には、皇后との間に皇子と公主(姫)
側室(越妃)との間にも皇子や公主がいて
後継者の有力候補は嫡子(皇后との)の皇太子です。

国の長(おさ)として立った時、国を治める者としての能力
臣下や或いは親族の失態や罪を理性的に断罪できるかどうか
冷徹さも要る後継者としては、皇太子は少し優しすぎて弱いのです。

皇后は、太子が一般の平民なら凡庸でも良かったとニャオニャオに
母としての嘆きと苦悩を吐露し
息子を、一国の統率者として育て上げることができなかった自分を責めています。

国のことを第一に考え、陛下のために戦の修羅場を経験してきたズーションは
皇太子はその器でないことを憂いていて
ニャオニャオが国の内情を知らずに
図らずも太子に、少し称揚するような言葉をかけたことを知って
皇宮や東宮(皇太子と皇太子妃の場所)に関わるなと注意します。
彼女が、複雑な宮廷の内情に巻き込まれないようにとの思いからでしたが、、、


宮廷という世界を何も知らなかった自分を引き入れてしまった彼に
平凡な結婚を望んでいた自分は求婚に躊躇したと。

そして、自分は後先考えずに思うように行動する。

でも嫁ぐと決めた以上、どう自分を変えずに満足してもらえるかと。

二人の関係がギクシャクしてしまうという内容のシーンでした。

会社経営とか町工場などのリーダーの立場で
自分の息子に継がせるという場合、本人の経営者としての手腕や
その人が持つ性格が適正かどうかがとても重要な一つ。
ドラマは中国という広大な国を統べる者の器についてです。

人生も子育ても一度きり。
人生の終焉に近い私ですが、それでも深く考えさせられます。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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