2013年3月9日に父は亡くなった。
昨年合祀墓(ごうしはか)ができたので、妹と二人で森の中にあるお寺の境内にある
合祀墓をお参りしてきた。
ご住職がお寺にいらっしゃるか確かめないで来たので
お会いできなかったらお参りだけして失礼しようと思いながら
玄関のチャイムを鳴らすとご在宅だった。
本堂でお線香をあげた後しばらくお話をさせて頂いた。
父の遺作の陶芸作品を、いつかお寺の玄関や本堂に置かせて頂くことは
以前に伝えていたので、自然と朝ドラ「スカーレット」の話題に進んでいった。
妹と私の感想は、最近の「スカーレット」は話の焦点がわからないということ。
「女流陶芸家」としての苦労や作品を生み出す過程といったものが
あまり描かれていない気がする。
どこにでもあるような家族の団欒シーンは少なくて良い。
ネタ切れで時間稼ぎみたいな、友達夫婦の喧嘩シーンなんかなくて良い。
ドラマのモデル陶芸家神山清子さんの息子さんは、陶芸家として
生前に活動をされたこともインターネットには出ていたので
「亜鉛結晶秞」という言葉が出てから、その後どんなのが出来るのかを期待した。
父が作った亜鉛結晶の作品の写真をアップした時の、凄まじいアクセスの多さに
「スカーレット」の信楽焼の、あるいは陶芸ということへの関心の高さを思った。
ドラマのシーン、息子たけしの白い水盤が焼き上がった時、窯業研究所の先輩と
「亜鉛結晶か?」と2人が水盤を覗き込んだが、結晶ができていたのか否かは不明。
そんな不完全燃焼な気分で見ていて、ドラマに対する不信感を決定的にしたのは
父の八郎が「亜鉛結晶の次は何をするんや?」と言った時。
「え〜!まだ焼き上がったかどうかも出てないのに、作品は⁉️」
このドラマどうなっているの❗️だった。
釉薬を使わず窯の炎で焼き上がる「自然秞」の母とは反対に
息子さんは釉薬を研究して「天目茶碗」を焼き上げたというのはネットに出ている。
ご住職は二週間ぐらい前から見る気がしなくなって見ていないとおっしゃる。
私たちはやっぱりそうか!と納得した。
私自身ずっと、えらそうにこんなことを書いてはいけないと思っていた。
ドラマの中に出てきた「穴窯」のことももっと知りたいし、陶芸作品も
画面の中でしっかりと大写しで見たいと思うが、喜美子の作業所の中に
無造作に並べられた作品がチラッと見えるだけ。
「信楽焼」という焼き物の郷なのに、そういう地元の雰囲気も含めて
主人公の女流陶芸家としての生き様があまり伝わってこない気がするのは
私たちだけだろうか。