「不思議」はアルバム「さざなみCD」に収録されています。
名作の誉れ高いアルバムです。
この曲をウォークマンで聞きながら歩くと、ちょうどよいきびきびした歩きになるので、
自分で勝手に「不思議マーチ」と名づけています。
メロディのハイトーンはこの曲に始まったことではありませんが、
サビの3回目と4回目の間の「(はぐれ鳥追いかけていく~)う~ううう~」のところと、
4回目の「不意にぶつかる」の「不意に」のところは、参りましたと言わざるを得ません。
羨望といいましょうか、ねたましいといってもいいような見事な歌いっぷりです。
曲のタイトルが「不思議」ですが、では、一体何が不思議なのでしょうか。
いま、なに食べたい? → おでん → あっ、一緒だ
好きな色は何色? → 色? うーん、緑色かな → ああ、また一緒だっ
ねえ、雨上がりって好き? → いいねえ、好きだよ →あああ、また一緒だあっ
というふうに、ラブラブな君と僕は考えることがいつもシンクロしちゃいます。
そして君の「絵になるスマイル」で、僕はメロメロ。
それはあたかも、さわやかな春のそよ風に吹かれて、
その心地よさに現実を忘れてぼーっとしてしまうように……。
まあ、周りから見れば「それが不思議かよ、ケッ」っていうようなことですよ。
でも、恋するふたりには、その何でもないことがまさに「生きた証」だと。
とりわけ「僕」は、これまで引きこもりとも言えるような硬派な日々を過ごしてきて、
いきなりこれですから、「恋はブキミ」ということになるのも無理はないでしょう。
ついつい「わざとよけ」たり「不意にぶつか」ってみたり、
小学生のような愛情表現もしてしまいますよね。
「シャレたとこはまるで無いけれど」、「憧れた場所じゃないけれど」なんて
謙遜というか自分たちを卑下しているようなことを言ってますが、
つまるところ、こんなハッピーですみませんっていうことでしょう、結局。
「君で飛べる 君を飛ばす」って、受け取り方はいろいろあるかもしれませんが、
男女のまぐわいによるエクスタシーのことでしょう、このスケベ。
はあ、いいですね、「はぐれ鳥を追いかけていく」がごときの交接、
どういう例えかよくわかりませんが、若いときはそうでなくっちゃいけません。
若い人に、「何なんだ? 恋のフシギ 生きた証」という恋をしてほしいなと、
このマーチを聞きながら、切に願う53歳でした。
最後に「ふしぎ発見!」
おしまい