「稲穂」は2001年12月発売のシングル「さわって・変わって」の4曲目です。
また、2004年3月発売の「色色衣」にNEW MIXとして収録されています。
シングルとアルバムを聞き比べても、私の貧乏耳では
差を感じることができませんでした。シングルのほうが少しボーカルの
エコー(リバーブ)が強いのかなという気がしたぐらいです。
イントロなしに歌が始まります。
が、歌の直前に軽~いブレスを聞くことができます。
もちろんファンのために意図的に残しているものでしょう。
(このブレスはアルバムのほうが若干はっきりしています。)
生ギターがきびきびとしたストロークを刻んで、リズム隊が合流してからも、
躍動感のあるベースと軽快なドラムがいいテンポで歌声を乗せていきます。
明るく朗らかな青春ソングですね。
稲穂といえば、「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」(詠み人知らず)
をすぐに思い出します。こういう人間になりたいものです。
さて、この歌の稲穂って何かの象徴でしょうか。
成熟した女性? 充実した人生のこと?
そうではないですね。
好きになった人の名前です。美穂(あるいは実穂)さん、これで決まり。
私の中学の同級生にも美穂さんがいました。やはりかわいらしくて
聡明な女の子でした。今はどうしているのかな。
さて、「初めて本気でカワイイ蜂に刺された」僕は、軽くなでられただけで
君から逃げられなくなってしまった。
美穂さん、実は年上でかなりのテクニシャン。
それは冗談ですが、初めて女性とつき合った男の子のうきうきした気持ち、
じっとしていられないような気持ちが素直に伝わってきます。
ふたりで見る夕焼け、明日も晴れる。また泣いたり笑ったりしようね。
「遠い国の景色」を自分だけ見てもつまらない、君にも見せてあげたい。
相手を思いやる気持ち、何歳になってもお互いに持ち続けたいものです。
たとえふたりとも脱穀された稲わらになったとしても。
おしまい