長岡市の仮設住宅に精神障害者のグループホームがある。それまで市内の民間の寮で一緒に暮らしていたが、中越地震後、寮は取り壊されて仮設に移った。地震から7カ月、交通事故の後遺症や統合失調症もあり、環境変化に弱い障害者たちは難局を迎えている。
仮設に移ったのは、NPO法人長岡メンタルヘルス協会が運営する「グループホーム虹」。現在、同じ敷地内に分散する仮設8戸に、40代から70代の精神障害者13人が暮らす。
別の仮設1戸に事務所を開設。そこで指導員の小野塚フサさん(59)が13人分の朝晩の食事を支度し、薬や金銭管理を手助けしている。寮生活からの長い付き合いだ。
5月連休明け、ふだんは陽気な60代のAさんがいら立っていた。
自分の銀行口座から8万円おろしてきた。小野塚さんに通帳と5万円を手渡した。小野塚さんは「残りはどうしたの」と聞くと、Aさんは「前から英語の辞書がほしかったんだ」と、ぶっきらぼうに答えた。
「領収書は」となおも聞くと、Aさんは「いろいろ必要なんだ」と、むきになって早口で返した。小野塚さんはAさんの表情から疲労の色を見て取り、それ以上は追及しなかった。
おだやかな40代のBさんも疲れ切った表情だ。
地震前と同じように週5日、朝9時から夕方4時まで作業所に通う。仮設住宅から徒歩約20分の距離だが、「帰ってくると、もうくたくた」と力なく笑う。
70代のCさんは「仮設住宅を出ても行く先がなく、心配です」と言う。13人全員が共通して、晴れない気持ちを心に抱え、将来への不安から、様子が変わった。
長岡メンタルヘルス協会副理事長で、県立精神医療センター精神保健福祉士の服部潤吉さん(54)は「引っ越しは、精神障害者にとって異国の地に来たような生活の変化です。将来の不安も負担になっている」と説明する。同協会は27日までに、長岡市に対して復興基金などを使って早急にグループホームを新築してほしいと要望した。
朝日新潟
仮設に移ったのは、NPO法人長岡メンタルヘルス協会が運営する「グループホーム虹」。現在、同じ敷地内に分散する仮設8戸に、40代から70代の精神障害者13人が暮らす。
別の仮設1戸に事務所を開設。そこで指導員の小野塚フサさん(59)が13人分の朝晩の食事を支度し、薬や金銭管理を手助けしている。寮生活からの長い付き合いだ。
5月連休明け、ふだんは陽気な60代のAさんがいら立っていた。
自分の銀行口座から8万円おろしてきた。小野塚さんに通帳と5万円を手渡した。小野塚さんは「残りはどうしたの」と聞くと、Aさんは「前から英語の辞書がほしかったんだ」と、ぶっきらぼうに答えた。
「領収書は」となおも聞くと、Aさんは「いろいろ必要なんだ」と、むきになって早口で返した。小野塚さんはAさんの表情から疲労の色を見て取り、それ以上は追及しなかった。
おだやかな40代のBさんも疲れ切った表情だ。
地震前と同じように週5日、朝9時から夕方4時まで作業所に通う。仮設住宅から徒歩約20分の距離だが、「帰ってくると、もうくたくた」と力なく笑う。
70代のCさんは「仮設住宅を出ても行く先がなく、心配です」と言う。13人全員が共通して、晴れない気持ちを心に抱え、将来への不安から、様子が変わった。
長岡メンタルヘルス協会副理事長で、県立精神医療センター精神保健福祉士の服部潤吉さん(54)は「引っ越しは、精神障害者にとって異国の地に来たような生活の変化です。将来の不安も負担になっている」と説明する。同協会は27日までに、長岡市に対して復興基金などを使って早急にグループホームを新築してほしいと要望した。
朝日新潟
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