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瀬賀倫夫 メモリアルコンサート

2010年1月10日、新潟での「瀬賀倫夫メモリアルコンサート」に出演してきました。

瀬賀さんが亡くなってからもう1年あまり…昨年6月にも追悼企画のライブで呼んでいただきましたが、今回は生前親交のあった多くのミュージシャンが一堂に集まり、スタッフももちろん、関わりの深かった有志によるコンサートです。

前日(9日)夕方に入り、共演の江部賢一さんと合流して多田行規さんと待ち合わせ。このコンサートにはギタリストが5人以上出演します。小川紀美代さんが札幌から到着するのは夜になってからなので、まずは一杯…酒ではなく、お茶をいただきます。

公民館でのリハーサル。始めてまもなく、長岡から畠山徳雄さんが到着。19時半ごろには小川さん、さらに東京からダンサーのエパ!(長野太郎さん・塚田美紀さん)、主催のセキヤクラブの方たちも到着して、一気にコンサートに向けて気持ちが高まります。多田さんのボーカルはそのままのすばらしい声で、20年前を思い出してしまいました。踊りの入る曲など、一通り合わせたところで、当初の予定よりかなり早く終了。

「こんな感じでいいでしょう」
「もう少しやらなくて大丈夫ですか?」
「いや俺はもう2曲が精一杯だよ」
「そういえば瀬賀さんもリハで1回うまくできたらもうそこでやめてたよねー」
「じゃ、飲めるね!」

一同大爆笑、まるで瀬賀さんがいるときとまったく同じような雰囲気のリハでした。

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さて本番当日。ほのかに心配していた二日酔いにもならず安心、というか私にとっては新潟入りしたときから瀬賀さんの「コンサート」の中にいる感じです。昼の公演なので少し早めに10時会場入り。300人のホールでチケットは今年に入ってすでに完売、問い合わせへの対応が大変だったそうです…

出演者が多いので舞台上のセッティング替えに大忙し。私の出番は第二部から、小川さんとのドゥオを中心に江部さんとのトリオ、そして多田さんとエパ!&ダンサ・エレンシアとの曲があり、後半は出ずっぱりです。

開演は14時から。MCで多田さんが登場。「ロス・デル・セキヤ」ではほとんど瀬賀さんがしゃべりを担当、ステージでは美声のトップボーカルでいて無口だった多田さんが、「今日はまだ何も演奏してないのにこんなに拍手いただいて…」MCでも全開です。

トップバッターはジャズギタリスト経麻朗さんのギターソロから。続いてフラメンコギター徳永武昭さんのソロ、そして2人によるギターバトル。経麻朗さんと徳永さんは「ギターギャング」というユニットを組んでおられていて、かけあいがものすごいです。ステージの後ろには瀬賀さんの演奏写真、笑顔のスナップ写真がスライドショーで流れています。きっといてもたってもいられなくなるだろうな…

多田さんがポンチョ姿で加わってチャマメを演奏、エパ!のダンスが入ります。続いて江部賢一さんのソロ。江部さんは瀬賀さんの学生時代からの友人で、ギター編曲で出版された楽譜集は数知れず。楽器店で売られているギター曲集には必ず登場する方です。さらにマエストロ畠山さんとのドゥオ、畠山さんのソロと続きます。

瀬賀さんは「セキヤ」解散後、ウクレレの講師もされていました。そこでお弟子さんだった佐野さんと小黒さんが友情出演、気がつけば畠山さんもアロハシャツを着ていました。なお瀬賀さんの晩年の写真の多くは、佐野さん撮影によるものです。もう1組の友情出演はフォルクローレ・グループ「ロス・ワイラス」。第一部ラストは多田さんのボーカルも加わってサンティアゴのフアンカの曲「家へ入れよ」でした。

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後半が始まります。まずは自分のソロから演奏。どの曲にしようか悩みましたが、「子どもの頃瀬賀さんに薫陶を受けた智詠」として最初に作曲したテーマにしました。小川さんと交代、小川さんは瀬賀さんのために書いた曲を気迫のバンドネオンソロで弾きます。

ドゥオ「Tango tinto」として3曲演奏したところで江部さんアレンジのアルゼンチン・サンバを3人で、そして多田さんとエパ!&ダンサ・エレンシアでフィナーレ。私も多田さんと初めてコーラスをして、最後は瀬賀さん作詞作曲の「ダンサ・エレンシア」で盛り上がりました。

ここでちょっとしたハプニング、これまで安定した音響が最後になるにつれて急にハウリング(ヒィーンという音)を起こすようになりました。最後まで解決せず、コンサートとしてはトラブルでしたが、この日に限っては違うような気がします。私はきっと瀬賀さんがすぐそばで一緒に演奏していたと信じています。

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コンサート終了後、車に分乗して瀬賀さんのお墓参りをしました。順番に手を合わせて、私もコンサートの報告をしました。法要が終わったばかりできれいな花も飾られています。でも瀬賀さんの似合う場所はいつも人がたくさんいるところ。寒かったし、やっぱり来たんですね!

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メモリアルコンサートはここまで。しかしここからがまたすごかったです。打ち上げ&二次会の会場は徳永武昭さんとフラメンコダンサー小島正子さんのお店「アンビエンテ」。ワインとビールで乾杯、店内にステージがあり、早くも第二回公演の予感。

多田さんと私でのコーラスで一曲、前日のリハでオフで練習した成果が早くも出ています。江部さん、経麻朗さん、小川さんも入って次から次へどんどん演奏、主催者として奔走されたキワさんもハワイアンを踊ります。茨城放送の番組でおなじみ、コスキン・エン・ハポンの司会のあの声の飯田利夫さんのトーク、さらに長野さん&塚田さんによるチャカレーラのレッスン&ペーニャでみんなで踊りまくり、徳永さんと私のドゥオでブレリアまでやってしまいました。なんとトータル3時間!おつかれさまでした。

ホテルにいったん戻ったあとさらにもう一席。これまでお酒を控えていた多田さんがようやく解放、新潟の酒と肴で乾杯。思い出をたっぷり語り合います。

ほんとうに多くの意味を持つイベントで、たくさんの方の思いがいっぱい詰まったコンサートでしたが、お話しした方はみんな同じことをおっしゃっています。「瀬賀さんがこんなに人を集めてくれたんですね」。新潟で集まって音楽を楽しみ、楽しませて自分たちも元気になる。こんなすばらしい時間をプレゼントしてくれた瀬賀さんに、もう一度乾杯!

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