cheeky~ひろりん☆ぶろぐ~

ラジオで言い足りなかったことか本の感想ブログ

アンダスタンド・メイビー

2011-02-08 22:41:58 | 日記

アンダスタンド・メイビー

かなり重たい話でしたが、久しぶりに島本作品で胸を打たれました。

といっても感動したとかではなく、せつない気持ちの方です。

主人公・黒江の中学生から20歳までを描いています。

最初はさわやかな青春モノのようですが、途中からあやしげな雰囲気になっていき、集団強姦、カルト教団、自殺未遂といった衝撃的なものを交えながら、「トラウマ」をテーマに家族関係と人間関係について綴られていきます。

とにかく黒江は男に対して隙があり過ぎ

ま、男の人を魅了する何かがあるんでしょうが、普通の女子は山崎博にも、ひどいことしたあげく連絡を絶った賢治君にも、のこのこついていかないぞ

黒江が下巻で「傷つけるのも男、助けてくれるのも男」と言ってたが、同性に対して距離がある理由もちゃんと描かれていて、全ての謎をしっかりと最後までに解き明かしてるので、読み終わって納得がいきます。

彌生君は本当に気の毒です。

こんなにイイ人傷つけて、黒江はひどい!(黒江にしてみたら仕方がないことなんだけど)。

島本理生は男性を描くとき、すっごくいい人とどうしようもなくひどい男の二者に分かれますね。

借りてきた初日、夢中で上巻を読んで、久しぶりに深夜三時まで没頭しました。

この5日間で上下巻を2回読み返しました。

私自身、いろいろ考えるところがありました。

本にアンダーラインをひきたくなるくらい、素敵な表現もちりばめられていて、文庫本になったら買おうと思いました