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『劇場の灯を消すな!松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭』ストーリーと感想

2020-09-06 10:08:05 | テレビ
WOWOWライブで2020.7.5(日)放送の舞台『劇場の灯を消すな!松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭』を録画したものを観ました。
感想を備忘録として書きます。

※ネタばれがありますのでご注意ください。
※文中の敬称は省略させていただきます。





【番組の詳細】
コロナ禍の劇場の灯を消すな!WOWOWが劇場と演劇人とタッグを組んで展開するオリジナル番組。第一弾は渋谷Bunkamuraシアターコクーン!


【ストーリー】
MCの中井美穂、皆川猿時 (大人計画)が舞台に立ち進行する。大人計画の劇団員に加え、松尾スズキ作品に出演したことのある俳優たちが登壇して、歌やダンス、朗読を繰り広げる。

*ミュージカル『キレイ』 から4曲。歌唱は①生田絵梨花、麻生久美子、②小池徹平、神木隆之介、阿部サダヲ、③秋山菜津子、村杉蝉之介、④多部未華子。
*舞台裏紹介。麻生久美子、伊勢志摩。
*『THE 灯市』荒川良々ほか。
*『キャリオカ』ダンス。
*SP対談 MC中井美穂、松尾スズキと根本宗子。
*書き下ろし演劇『ゾンビVSマクベス夫人』。阿部サダヲ、池津祥子。
*音楽劇『もっと泣いてよフラッパー』から1曲。歌唱は松たか子。
*朗読『泥と雪』 井上ひさし『十二人の手紙』より。大竹しのぶ、中村勘九郎。


【感想】
2019年9月にシアターコクーンの芸術監督に就任した松尾スズキが、今できる劇場の在り方を模索した舞台。無観客でMCの中井美穂、皆川猿時 (大人計画)が進行するのだが、皆川猿時の台詞は台本なのかアドリブなのかよくわからない。中井美穂が苦笑しているし。

舞台は美術らしいものは見当たらない素舞台。コロナ禍を逆手にとった?ような「マツノボクス」が登場。高さ2m以上と思われるアクリルのボックス(内側に2個のハンドル付き)に俳優が入り演じるので、感染リスクゼロ!ということらしい。
客席のSE卓に松尾自身が座り、SEの操作をして拍手の音出しをしていた。時々、皆川に「松尾さ~ん!押して~!」と催促されていたり。

オムニバスの演劇イベントを観ているような印象。特に『キレイ』の歌唱は、ケガレやミソギ役の感情が伝わってきて、ぐっとくるものがあった。

『THE 灯市』の殺陣は大変だったと思う。狭いアクリルボックス内で敵と戦っているように観せなければならないし。荒川は頭から顔まで汗びっしょりだった。

『ゾンビVSマクベス夫人』はシェークスピアの『マクベス』の稽古を、閉鎖された劇場で演出家の夫と女優の妻が二人っきりで稽古する。演出家と女優にとって、ある意味至福の時間だ。
実は妻はゾンビウイルスに感染していてゾンビになっていた。夫は妻の変化を、役に入りきった素晴らしい演技だと納得しようとする。笑っているうちに、いつの間にか泣けてしまう。ラスト、何故か夫だけは感染を免れ、ワクチンの製造に貢献することになる。
短い芝居だがとてもいいなぁ。。と思った。

『泥と雪』は郷愁を誘う心温まる初恋物語かと思えば、とてつもなく怖い話だった。妻を離婚させたい愛人が巧妙な策略を練り、お金で若い男に嘘の手紙を書かせ、妻の心を開かせて離婚届けに記名捺印させてしまうのだ。
『アメリ』にも似たような話はあったが、あれは純粋な善意から出た行動でハッピーエンドだったし。これは悪意の塊だから…。井上ひさしの描く人間は描け過ぎていて怖くなる。
妻役の大竹しのぶは舞台に居るだけで存在感がすごく、表情と台詞の感じに観いってしまう。一人で全てをもっていってしまう。『ガラスの仮面』の初期に北島マヤのそんなシーンがあったな~。


【余談】
松尾スズキ作品といえば、『キレイ』、『マシーン日記』、『もっと泣いてよフラッパー』もWOWOWで観たのに、感想はアップしていなかった模様。画像だけはフォトチャンネルにアップしてあったけど。
『キレイ』と『マシーン日記』はよかったな。。上手く表現できないけど、心がざわついて、それでいてぐっとくるものがあったから。
そんな気持ちになりたくて、観劇を続けているのかもしれないな~。


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