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『贋作 桜の森の満開の下』ストーリーと感想

2020-08-16 10:49:41 | テレビ
WOWOWライブで2020.3.8(日)放送の舞台 NODA・MAP第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』を録画したものを観ました。
感想を備忘録として書きます。

※ネタばれがありますのでご注意ください。
※敬称は省略させていただきます。





【番組の詳細】
妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太ほか豪華俳優陣で送る、演劇史に残る圧巻の舞台。野田秀樹の最高傑作との呼び声高い壮大な物語をお届けする。


【ストーリー】
ヒダの匠の弟子である耳男と山賊のマナコ、素性を語らないオオアマの3人は、ヒダの王家の夜長姫と早寝姫のために仏像を彫ることを命じられた。しかし、3人の仕事は一向に進みそうになく…。
王家と大海人皇子、鬼と人、それぞれの野心と世界が絡まり合いながら物語は進んでいく。


【感想】
この作品を劇場では観ていないけど、何かの折りに放送されたものを観たような…観たことはないような…。その辺りの記憶は定かではない。
野田作品の最高峰と言われるだけあって、よくはわからないものを残しつつ、美しく哀しい世界が描かれていて、素直に「演劇っていいなぁ。。」と改めて思った。
美しい美術、特に満開の桜の大木が美しい。紅色の伸縮性のある幅広の紐を使い、いろいろなものを表すのも演劇ならではの手法だと思う。観ているものの想像力と集中力が必要で、演者と時間と空間を共有している気持ちになれるところがまたよいのだ。

登場する俳優陣は、若手もいるがベテランの実力者揃いで安心して観ていられるし、役柄にぴったりと嵌っていて誰もが魅了的だった。野田秀樹を除いては…。
こんなことはあまり書きたくないが、「夢の遊眠社」も野田秀樹もとても好きだからあえて言うと、野田秀樹はこの作品では脚本と演出に専念されたほうがよかったのではないだろうか…。体はまだ動くけど声が出なくなってきていて、ざらついて耳障りになってきている。これは実は数年前から感じていたこと…。
「夢の遊眠社」時代から本人がずっとやり続けていた、小柄ながら身体能力が高く、高音で恐ろしく早口に台詞を畳み込む、エキセントリックな役柄がもう無理なんだと思う。正直、観ていて痛かった…。本人のカンパニーなのに、ひとりだけ作品の世界から浮いてすらいた。
素敵な作品なのに、ずっと観ている間中、この違和感が去らずに困惑していた。なんなんだろうな…この感覚は。

『エッグ』でも思ったが妻夫木聡と深津絵里は、年齢不詳の若々しさと瑞々しさと華がある。特に、深津絵里は美しいけれど鬼のような恐ろしい姫を体現していた。思わず引き込まれてしまった。
ほかのナイロン100℃の大倉孝二、村岡希美、第三舞台の常連だった池田成志、新感線の古田新太、秋山菜津子、門脇麦も素晴らしかったと思う。

できれば、劇場でこの世界観に浸りたかったなぁ。。としみじみ思った。やっぱり舞台は生が一番だと思う。放送や配信もそれはそれでよいのだけど。


【リンク】







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