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♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2023年8月号

2023-07-29 12:56:07 | 随想

2023(令和5)年

8月号(No.117)

了雲寺 釈幸華

慶聞抄(きょうもんしょう)

   サービスエリアから明石海峡大橋を臨む

お年ごろ

コロナ第9波目下微増中らしいですが、善は急げの精神で、高校時代の4人グループの“青春ジャーニー”は有馬温泉へ、オヨメが「自分らの結婚25周年です」と言うので「私らは50周年や」と言ったら、次男とこが10周年というのも加わり、若いのがチャッチャと動いて淡路島渦潮1泊旅行が実現しました。

高知の義父の33回忌が未だできないままの家族旅行だったので心苦しいのですが。ま、できることから取り組むということで。第一、高知のことはしかるべき人が采配を振らなくてどうするのですか? 淡路島には来ず、スマホのラインミーティングで数分お顔を拝見しただけでしたぁ!

私は今夏72になります。思い出すのは十数年前亡くなった一番年上の従姉。入院したと聞いてすぐさま駆け付けると、ベッドに横たわった姿で迎えてくれました。経過を説明してくれた後言ったことが「私、いくつやと思う?73やで。もう立派なお婆さんや。」相変わらず色の白いきれいな顔でした。そしてその病院を元気になって退院することはありませんでした。

(死ぬ時の)理想は74歳、と言った人がいました。お子さんはお嬢さん二人。それぞれご家庭もあることだし、お連れ合いのお葬式のご縁をいただいたあとしばらくして、お墓とお仏壇じまいの相談があった時のことです。出してこられた手帳は、ある公害病患者であることを証明するものでした。笑顔を絶やさない物静かな方。去年お亡くなりになったときは80歳でした。

もうそろそろ、と、まだ若い、の間。「お年ごろ」には違いありません。淡路島行を思い出すたびに、「幸せの絶頂」というフレーズが脳内にコダマします。そして要らぬ想像が後を追って再コダマします。絶頂の後は、転がり落ちるしかないではないですか。

 

月刊誌「大乗」7月号の最終末の読者欄に、こんな投稿がありました。

ある地方新聞に、娘を48歳の若さで亡くした80代の父親が「これからどうやって生きていったらいいのか」と投稿なさっているのがあったので、同年代として少しでも寄添いたいと思って、和泉式部*の歌を引用して投稿しました。一月ほどのち、自分の投稿が載ったのはいいのですが、書いたはずの「仏説阿弥陀経」や「倶会一処」*という言葉が削られ、「お浄土」が「あの世」となっていました。一般紙だから無理もないのですが、せめて「あの世」を「仏さまの国」としてほしかった。

この方は、長年お聴聞を重ねておられるのでしょう、よく浄土真宗のご法義を理解されておられることが分かります。他のご宗旨であれば、「冥福」を祈らねばならないので、救いにはなりますまい。往生、つまり阿弥陀仏の浄土に生まれさせてもらうということを聞いてゆかねばなりません。

 

この夏、予定としては最後の職場仲間が10人ほど集まるN会と、母の遺言で続ける従姉妹会が控えています。ともにコロナ前以来の開催。あっ、お盆の里親ウイークも! コレッ、まだ、終息宣言してないのに!

 

*仮にきて親にはかなき世を知れと教えて帰る子は菩薩なり :娘を亡くした和泉式部は、我が子がお浄土に自分を導いてくれたと詠っています。

*くえいっしょ:またひとつところ(お浄土)でお会いしましょう:「仏説阿弥陀経」  

                            合掌 

 

学校行くの⁈ 行かないの⁈ 4

 

こんにちは、坊守の由美です。

 

 「明日は学校に行く‼」というお子様の言葉に、喜んでホッとしたものの、次の日になると頭が痛い、お腹が痛いと訴え休んでしまう、「行く行く」詐欺にかかっている親御さんが多いそうです。

 

 でもそれは、嘘をついている訳でもなく、騙そうとしている訳でもありません。

 

 私たち大人だって「やるやる」詐欺をやっていますよね。押し入れの整理とか、靴の断捨離・・。

 

 本当はめんどくさくてやりたくないんだけど、した方が良いのは分かっている、その重圧から逃げたくって、意を決して「明日こそやろう」って言うのです。

 

 そして次の日「やっぱりやーめた」となってしまうんですよね。それは、子どもも一緒。学校に行った方が良いし、お母さんを安心させたい。でも本当は行きたくないから当日カラダが拒否しちゃうんです。

 

 小さい身体を必死に駆り立てて、お母さんの喜ぶような子になりたい。そんな子どもの健気な気持ちも分かってやってほしいなと思います。

                     ランタナと蝉の抜け殻

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慶聞抄2023年7月号

2023-06-25 11:06:49 | 随想

2023(令和5)年

7月号(No.116)

了雲寺 釈幸華

慶聞抄(きょうもんしょう)

摂取不捨

刑法が改正され(6/16)、レイプは「不同意性交罪」に、先進国の中で最も低い13歳からとしていた「性交同意年齢」は16歳に引き上げられました。

従来、どれだけ抵抗したかなどと問われ、恐怖で体が動かない被害者の実態が理解されてきませんでした。2019年に性犯罪の被告に無罪判決が立て続いたことが女性の怒りを買い、フラワーデモが行われました。

女性弁護士たちは、(法律が作られた)明治時代の男性によって作られたのだから、女性による見直しが必要だと言っています。また、被害者が声をあげても脅迫や中傷をSNSなどで受けることがよくあり、それを恐れて被害に遭った男女の(男性も!)6%しか届けを出していなかったという現実もあります。

同じ日「LGBT理解増進法」が成立しました。L=レズビアン(女性同性愛者)G=ゲイ(男性同性愛者)B=バイセクシュアル(両性愛者)T=トランスジェンダー(出生時に判断された性にとらわれない人)。その後、Q=クエスチョニング(特定の範囲に当てはまらない人)というのも分かってきました。

しかし、法律の成立過程で、政治家の多くが「理解」していない、いや「理解」したくないということがよく分かりました。本来、自分の性のあり方を人に理解してもらうとかもらわないとか、ほっといて!の世界ではありませんか。

性的少数者と一括して呼ばれますが(電通の調査によると、日本には8、9パーセント、つまり40人のクラスがあれば3~4人がそれに当たる。そもそも公的機関による調査がないのが問題)、圧倒的多数が異性愛者ゆえ、無視、差別され続けてきました。

当事者たちが人権問題だと勇気をもって声をあげたので、やっと気づかれたわけです。しかし、「すべての国民が安心して生活できるよう留意する」との留意事項が新設されるなど、誰のための法律なのか疑問満載です。

Gセブンで日本に求められたのは「差別禁止」なのです。かわいそうな人たちだから、でもないのです。人間の尊厳に対して、数の多さで優位にある人たちが、数の少ない人たちに与えているいじめ、暴力だと言えばいいでしょう。

私は、もう5年も前になりますか、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見てゲイへの理解が進みました。英国のロックバンド・クイーンのフレディ・マーキュリー。一旦は女性の恋人と結婚しますが、自分の本当の気持ちに気づき悩みます。

そして、アラン・チューリング。名前だけは聞いていましたが、これも映画で知りました。第2次大戦下の英国で独軍の暗号エニグマ解析に取り組んだ天才数学者。今ではコンピューター科学の父と呼ばれていますが、当時の英国ではゲイは「違法」であり、罰せられました。

WHO(世界保健機構)が同性愛を国際疾病分類から除外したのは1990年のことです。それにしても、ゲイは「おっさんずラブ」とか言ってドラマになるのに、レズビアンはあんまりならないなぁ? ここに女性差別を感じてしまう私です。

人間は一人ひとり、全く違う。この当たり前のことに理解が至らない、困った存在。それゆえ、如来さまのおこころ、摂取不捨=誰ひとり見捨てない、が沁みてきます。 SDGs風に言えば

 No one will be left behind.       合掌 

 

学校行くの⁈ 行かないの⁈ 3

こんにちは、坊守の由美です。

 

最近は、公立学校の教員の離職率が高くなっているそうです。子どもも先生も精神的な理由で学校に行けなくなっているんですね。

 

Bさんの息子さんは、小学校の高学年頃から反抗期が始まり、Bさんと口をきけばケンカになるような日々が続いていました。ママ友に相談しても、思春期なので男の子はそんなものと言われ、そんなものかと軽く考えていました。

 

ある日、いつものようにケンカになり、その後部屋にこもり、一切口をきかなくなりました。Bさんは、毎日ドアを叩いたり大声で怒鳴ったりしましたが、効き目はありませんでした。

 

反抗期は成長の証です。

親に反抗的な態度をとったからと言って、親を信頼していないわけでも嫌っているわけでもバカにしているわけでもありません。

 

Bさんの息子さんは、口を開くとつい返す刀として悪い言葉を浴びせてしまう自分が嫌で黙っているのかもしれません。

 

 親は、子どもの成長を信じて待つ力が必要ですね。

 

           月下美人

 

 

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慶聞抄2023年6月号

2023-05-20 19:19:48 | 随想

         ミカンの花・・・合宿参加の友人からのプレゼント写真(以下同様)

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コロナの谷間の連休明けに、ビハーラ研修でご縁を得たNさんのお寺に、同期プラスその連れ合いで、5人の合宿が実現しました。大阪(私)、広島、そして何と群馬から、和歌山の濃い緑とミカンの花の香りにどっぷり浸りました。

2023(令和5)年

6月号(No.115)

了雲寺 釈幸華

急傾斜の坂道を上がったところに忽然と本堂と庫裏が出現。お寺だけでなく、ミカン畑は全て石垣の上。営々と人の手で築かれたその佇まいに、ご先祖さまらのご苦労が偲ばれます。

Nさんは、ご両親亡き後会社勤めを終え、大阪に家族を置いて単身赴任で住職を務めておられます。朝の散歩でミカン畑の道を登っていたら、いつもお参りする漁村がすぐだというのです。山道で何を言い出すかと不信に思っていたら、急に視界が開けて本当に青い海が見えてびっくり。リアス式の半島だったんです。すぐ下に寄添うように集まっている家々の屋根が見えました。「全員がお爺さんとお婆さん」とNさん。(自分らもまあそうやけど。)

 

Nさんも通った大阪・津村別院の学習会で聞いた話を思い出します。その人は吉野の人で、大阪は茨木在住。無住の寺の総代を務める人が、ある日茨木の家を訪ねて来ました。「ぼん、ワシの葬式出しとくなはれや。」と言われて彼は泣いたそうです。あれから10年余、彼も総代さんもどうしておられるやら。

 

過疎化は今に始まったことではありません。お寺は減り続けています。ただ、コロナで「家族葬」が一般的になったのは確かで、人々の繋がりが希薄になるよう拍車がかかりました。

釈徹宗さん(宗教学者・僧侶)は、この人々の繋がりを『新時代の浄土真宗』の中で「中間共同体」と呼ばれています。

「日本は中間共同体の組み立て直しの最中だとも言えます。・・他の先進国に比べて急速にしぼんでいっているのが、データとしても確認されています。かつての我が国の中間共同体は、地縁・血縁・職縁を土台にして形成されたものがほとんどで、ともすれば排他的で抑圧的な面ももっていました。差別もあった。でも、そういった共同体がどんどん機能しなくなっている。中間共同体が瘦せると生きづらい社会になるのも確かなんです。ですから、旧来型の復活ではなく、この時代に即した、新しい中間共同体が立ち上がるべきだと思うんです。できるだけフェア(差別なく)で、分かち合う(シェア)ような、そういう共同体を立ち上げるべき状況に直面している。・・そういう意味ではいよいよ仏教の出番もあるのだと思います。」

 

和歌山行の数日前、うちの仏教女性会会員のOさんからお連れ合いの50回忌法要を頼まれました。若くして夫を亡くした当時の厳しい状況をお聞きしました。特に女一人とみた輩が玄関をドンドン叩く恐ろしい夜のことを。

お勤めが終わって振り向くと、ご一家オールキャストが勢ぞろいです。お子様ご夫婦、2人のお孫さん、そのうちのお兄ちゃんの方に新しい家族が出来ました。お二人の間に授かった坊やの他に、パートナーには2人のお子がおられたのです! Oさんは一挙に3人のひい祖母ちゃんになられました! 過去のいのちに思いを馳せ、新たないのちの未来に思いを巡らすひと時を分かち合ったことでした。  合掌 

 

 

     ↑ これは去年のうちの紫陽花

学校行くの⁈ 行かないの⁈ 2

こんにちは、坊守の由美です。前回から子どもの不登校についてお話しさせていただいています。

A子さんの娘さんは、中学1年生の時に不登校になりました。ある朝、娘さんがトイレにこもり、泣いて出てきませんでした。それをきっかけに、翌朝もその翌朝も、布団から起きてこなくなりました。

 

このまま休みグセがついたらどうしよう⁈と不安になったA子さんは、焦りから無理やり布団をひっぺ返したたきお越しました。それでも起きてこない時は、優しくお願いしてみたり、交換条件を出したり、泣いたりわめいたりしてみましたが、娘さんの心は閉じていくばかりでした。 

 

A子さんはその時のことを振り返り、あの時に娘の心に寄添ってあげられたら、不登校もこんなに長引かなかったのに・・・と後悔しています。

 

私自身、二人の子どもをもつ母親として、ああすれば良かった、こうすれば良かった、と後悔することも多いのですが、若いお母さん方に伝えたいことは、将来の不安に取りつかれて、今という時間をイライラ、ガミガミで食いつぶさないで欲しいということです。

 

学校へ行っていようが行ってなかろうが「この子は将来どうなるのだろう?」という不安はあると思います。でもそれよりも、子どもの良いところに目を向けたいですね。

 

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慶聞抄2023年5月号

2023-04-20 11:20:35 | 随想

  長谷寺の回廊(友人がラインで送ってくれました)

 

憲法は死なせない

私の4月の始まりは37.9度の発熱でした。PCR検査(コロナとインフルエンザの両方)は、幸いにも陰性。しかし、その頃から首が回らないわ腰はぎっくりやわ、自分の身にこんな痛い事が起こるのか!というくらいのエライ目に遭うこと1週間。定例の仏教女性会もお流れ(初めて!)、お花まつりも飛んでしまいました。結局、頚椎症とのことで、経年劣化をまた一つ宣告されました。はぁ・・・

コロナは今月からインフルエンザ並みの5類に引き下げられるとのこと。しかし、専門家は第8波を越える第9波の可能性を指摘しています(4/19)。そうなら、経年劣化、既往症アリの高齢者は引き続き身動きできません。親鸞聖人850年・立教開宗800年の団体参拝も恐るおそるです。

新緑の候。従来なら浮き立つような歓喜のゴールデンウイーク!ですが私の憂鬱は、この経年劣化の故のみではないのです。この国の政治家たちの多くが、憲法記念日を祝うのでなくて「経年劣化」とうそぶき(憲法に失礼な!劣化は人間の方やわ)、「改正」を企んでいます。(ドイツでは、公職にあるものが憲法に背く言説をしたら即問題になるらしい!)

既に昨年12月、岸田内閣は安全全保障戦略を改定しました。相手国のミサイル基地を攻撃できる能力を自衛隊が保持することを決めたのです。「専守防衛」が国是のはずだったのでは? 元内閣法制局長官の坂田雅裕さんは「憲法第9条は死んだ」と話されました。改正する前に踏みにじられている。「法治国家」が泣く。

実は、私が痛みに悲鳴を上げているさ中に、日本が議長国を務めるG7に向けて「今こそ停戦を」と呼びかける24人がいたのです。やっとPCを開ける気になって知った時、胸の高鳴りを覚えました。日本にもこのような人たちがおってくださるのだと。

4月5日の記者会見。伊勢崎賢治さん(元アフガン武装解除日本政府特別代表)の言葉は熱を帯びていました。「どれだけの人を犠牲にすればいいのですか、(米ロの)代理戦争ですよ。即時停戦です。ゼレンスキーさん、戦争遂行がウクライナの総意って、総意って何ですか、私はサイパン玉砕の家族です。即時停戦です。」

2021年4月、オスロに集まった「北極協議会」---極北の氷が解け、全世界の気候変動の引き金となる可能性と心配して集まっている専門家たち---は、プーチンの開戦を予想していました。彼らの声がなぜ届かなかったのか。ただでさえ地球の環境破壊は待ったなしなのに、核兵器使用の恐れや、あろうことか原子力発電所が戦場になるなんて。

同じく田原総一朗さんの発言。「プーチンとバイデンを会わせようとの動きがあった時(去年秋)、その前に岸田さんからバイデンに停戦を言わせようと考えていたら、自民党の実力者から米国防総省が変わったと聞かされた。アメリカはロシアの弱体化を狙っているのだと」

憲法には「国際紛争の解決に武力による威嚇、武力の行使は永久に放棄する」とあります。私たちの戦後はここから始まりました。ならば、日本政府がすべきことは、G7の首脳たちに武器援助ではなく、中国、インドとともに停戦交渉の仲裁国となることを訴えることです。

 その中に真宗僧侶もいてほしい『新時代の浄土真宗』ページめくりつ     

                                   合掌 

・・続いて由美さんコーナー

学校行くの⁈ 行かないの⁈

こんにちは、坊守の由美です。今回から子どもの不登校についてお話します。

私は5年ほど前からライフワークとしてお母さんたちのコミュニティ(SNS上)の代表をしています。イベントを企画したりシングルマザーの支援をしたり、情報の共有や相談などを受け付けています。最近多いのがお子さまの「不登校」についての相談です。

不登校というと、だいたい中学生か高校生かと思われるようですが、小学生にも多いのです。文部科学省の発表では、小中学生の不登校は去年過去最多の24万人越えだそうです。

私たちの昭和の世代は、学校でいじめられようが仲間はずれにされようが親が離婚しようが、学校を休むという選択肢はありませんでした。例え休んでも、家に昼ご飯というものは無く、給食だけは食べに行ってました。

その時代の私たちから見ると、いざ我が子が、孫が、不登校だと聞くと、甘えているのではないか、サボリぐせがついているのではないかと、思ってしまいますね。

 今では、中学生は25人に一人は不登校の時代(去年)。確実に不登校の子どもは増えています。家庭と学校が生活のほとんどの割合を占める子どもにとって、学校に行かないことは社会からの「孤立」を意味します。親も育て方が悪かったのではないかと自分を責め、社会から「孤立」していきます。

そこで、お寺にいる私にできることは何か、悩みを抱いた方の居場所となれるような活動ができないものか、そんなことを考えています。    (次回は具体的なお話です)

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慶聞抄2023年4月号

2023-03-20 15:27:02 | 随想
慶聞抄(きょうもんしょう)


    馬見丘陵公園

私は民生委員

去年12月より、民生委員をさせてもらうことになりました。一人住まいの、あるいは不自由な高齢者を、ちょっと元気(そうに見える)高齢者が気配りするお役目と心得てお受けしました。同じタイミングで弟にもお話が来たのが心強いことでした。

早速、グループラインに招待されて、新旧委員の歓送迎会に呼んでもらい、顔だけ旧知の散歩仲間の名前を知ることが出来ました。なかなかディープな活動の予感がしています。新参者は私や弟のみで(多分)、他の方は一期3年のところ何期も続けておられるツワモノ揃い。前任者もそうでした。
 
先日、電話の音に起こされました。飛んでいって受話器を取ると、女性の緊迫した声で「緊急通報があったので、様子を見てきてください」と。時計は午前3時26分。緊急通報装置を最近設置したお家です。パジャマのズボンはそのままに、上着だけ羽織って走り出ました。
 
すでに救急車は到着していて、中に2人の係の人とご本人の頭髪だけが見えます。係の人に話を聞くことができ、搬送先の病院が決まるのに時間がかかるとみて15分くらいで引き上げ、**セキュリティ―センターに報告した後、冷えた体をお布団に潜り込ませました。
 
次の日、申請に助力してくださった方に報告しておこうと電話したら、ご本人はその日のうちに退院なさっているのが判明しました。安堵した半面、えっ、私には事後報告はないの? と、腑に落ちません。市役所の高齢介護課とセンターに確かめてみて分かったことは、病院からその先どうなったかは個人情報になるので連絡することはないというのです。じゃぁ、知らせてほしいと思うのはワガママなんですかぁ?

後日、定例の委員集会があり、テーマはこの「緊急通報システムサービス」でした。私の電話に出てくださった市役所(お名前は覚えた)と**センターの担当者から一通りの説明があり、質問時間となりました。やっぱりここで一言言っておかなと思ったその時、左手方向の向こう側で勢いよく手と声を挙げる男性がいました。

その人の質問趣旨は、救急車に一緒に乗るか乗らないかはっきりさせてほしいというものでした。過去、何回も(何回も!)一緒に乗って病院まで行ったと。そのたび、状況を巡って判断する場面で、遠くに住まう身内に代わって何かしらの必要性があったと。

うーーん、負けた。私にはあの時そんな選択肢はなかった。寒くて寒くて、一刻も早くお布団に入りたかったぁ・・。

答弁は、やはり「乗るべきだとは言えない」というものでした。行政としてはそう言うしかないだろうと思う一方で、そんな「民生さん」に担当される人は幸せやろなあと思いました。なので私の質問はトーンダウンし、「個人情報の壁」に切り込むまでには至りませんでした。(そんなんこっちが家族さんの信頼を得て、聞いたらすむ話違うん?)

わたくしたちは、隣人愛をもって、社会福祉の増進に努めます
                     *民生・児童委員信条の一

み仏の恵みを喜び 互いにうやまい助けあい 社会のために尽します
                     *浄土真宗の生活信条の一  

                                               合掌 
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