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♪♪ 私の お寺ライフ ♪♪

 ブログアップして9年目に突入。相変わりませんが、私の「如是我聞」をお送りします。南無阿弥陀仏

慶聞抄2025年9月号

2025-08-21 16:05:09 | 随想

2025(令和7)年

9月号(No.142)

了雲寺 釈幸華

慶聞抄(きょうもんしょう)

          エライ!

 

正見・正思・正語

半年ぶりの市大病院(名前が変わったらしいけど昔の名前で呼んでます)での健診。前に言われていたので、マイナンバーカードを初めて使用。最初は採尿。ところが汗かきまくってお小水が出ない。やっとの思いで50cc。次に採血。私の番号が出て採血室に入ると、10数人が席について採血されている。待ちながら、採血ロボットに針を刺される未来の場面を想像していました。今よりも採られる血液量は少なくて済むだろうとか。

3階から2階の腎臓関係受付14番へ移動。私の番号が電光掲示されるのを待ちます。かなりの時間待って、N先生の部屋へ。必ず連れ合いのことを聞いてくださる。もう2年前になる腎臓生検で、死にかけたときに会った印象が強かったのか。腎臓の数値は年並だそうで、それより今回初めて「数値では糖尿病です。」とはっきり言われてしまいました。いよいよ来たか、母もそうだったので仕方ない、おやつは食べません、朝だけでなく夕方も散歩するようにします!

この夏2つの映画を観ました。1つは「HARBIN」ハルビン。韓国併合の前年、1909年、旧満州のハルビン駅で伊藤博文を銃殺した安重根(アン・ジュングン)の歴史を再現。アン・ジュングンには、「愛の不時着」で韓国を代表する人気俳優ヒョンビン。新聞の紹介記事で、こんな重要人物を自分が演じていいのだろうかと、逡巡したことを吐露していました。アンを尊敬する気持ちとその謙虚な姿勢が、主人公の重厚で気品ある人間性と重なり、悲劇でありながら見終わった後も、一抹の爽やかさに包まれました。伊藤博文役のリリー・フランキーの好演も記しておきます。

2つ目は「黒川の女たち」。旧満州という舞台は同じでも、どれだけの人がこの事実を知っているでしょうか。いや、ないことにされてしまうところを映画化できたは、快挙です!

満州「開拓」は国策でした。ソ連防衛の兵站前線として送りこまれ、「開拓」ではなく中国の人々の農地を取り上げたのが実態です。広島に原爆が落とされた3日後、突如としてソ連が満州に侵攻しました。守ってくれるはずの関東軍はとうに姿がなく、集団自決を選択した開拓団もあれば、逃げ続けた末死んでいった人も多かったのです。そんな中で、岐阜県から入植の黒川開拓団(560人余り)は、生きて帰るためにソ連軍と取引しました。護衛してもらう代わりに、18歳以上の未婚女性15人が性の「接待」ということで差し出されたのです。

敗戦から1年後、黒川開拓団の人々は帰国を果たしますが、彼女らを待っていたのは差別と偏見でした。「満州にいるときより帰国してからの方が悲しかった」。故郷を離れるもの、口をとざすもの、夜も寝られない思いを抱えて互いに集まったり、手紙のやり取りをする中、2013年、「満蒙開拓記念館」で行われた講演会で2人が公にしたのです。戦後70余年にして、ついに戦時性暴力は鎮守の森に碑文が建てられ、村の歴史として刻まれました。

彼女たちにも変化が現れます。家族に一度も話したことがなかったのに、告白したことを理解し労わる孫からの手紙を受け取り、笑顔が戻ったのです。人間としての尊厳の回復。

*性暴力とは奇妙な犯罪である。圧倒的に女性が被害者なのに、「穢れた存在」として扱われる。上野千鶴子 

*正見・正思・正語(正しい見解を持つ・正しい思考をする・正しい言葉を使う:八正道から)

今年も、9月18日(満州事変勃発の日・1931年)、千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要に合わせて平和の鐘を撞きます。         

                                            合掌

     エライ!  2

 

釈明和

明かる~く和む今月の一言


9月と言えばお彼岸なのに、まだまだ暑い日が続きますね。

さて、我が家は、子ども達が巣立ち、今年は、花火もプールもない初めての夏休みとなりました。(高校生でも花火とプールしとったんかい?!)

友人や姉妹たちに、子どもが出ていったら、寂しくなるねー。と言われておりましたが、それが全然寂しくない。毎日楽チンで嬉しい😃😃 

 

楽ちん>寂しい 

 

と言う図式が出来上がりました。

とはいえ、毎日、小忙しいのです。


なせがといいますと、、、以前は座る間もなく、バタバタと過ごしていたのですが、今は急ぐ用事もなく、何かするたびに座る、寝転ぶ、テレビをつける、スマホを見る‥‥という感じで、すべき事が、後ろへ後ろへズレこんで、後から、わぁぁ〜時間が無い(汗)と、めちゃくちゃバタバタするんです。

暇な人時間ない

という図式が出来上がりました。

夫婦+犬1匹の暮らしぶりはこんなものですが、我が家の子どもたちは、帰ってくる度にキラキラの別人になっています。ヘアースタイルとファッションも食べ物の好き嫌いも、しゃべり方までも親以外の影響を受けて成長をしています。

お母さんたちもアップデートしなアカンでーなどと言われています。

 

そう言われちゃぁ、こちらも負けてられない。早速、子ども部屋を解体して、ゲストルームを作りました。

ということで、今では子ども達が帰ってくると、自分の家じゃないみたい、、と嘆いています(笑)

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慶聞抄2025年8月号

2025-07-25 18:59:37 | 随想

    海と空と・・・沖縄平和祈念公園にて

 

 

2025(令和7)年

8月号(No.141)

了雲寺 釈幸華

慶聞抄(きょうもんしょう)

君の怒りの先は

予想していたこととは言え、トランプの支持者受け狙いのアホな施策の数々、うんざりです。ハーバード大学などの留学生に圧力をかけたり、研究資金にストップをかけたり、やることがいじましい! 大学の門の前で報道関係者にインタビューを仕掛けられた男性が、リスクを恐れて身を引く様子を見て、萎縮する社会の象徴に見えました。「自由の国アメリカ」はどこへ行ったのか? これでは強権政治のロシアや中国とどこが違うのか?

際立ったのが、あたかも富を不法に取られたかのような堂々たる被害者ぶり。その矛先が移民、難民に向かうとき、フェイクニュースや偏見・差別のオンパレードとなります。ドイツやフランスなどEU諸国でも、従来極右と言われた勢力がもっぱら難民攻撃をして支持を拡大したことは記憶に新しいところです。そして、それを助長するのがSNSであることも世界中共通しています。

 参院選で、外国人排斥の主張が政治家や政党から繰り返しなされました。特に「日本人ファースト」を掲げる参政党は、日本人と日本人以外の人を分けて、日本人を優位に考えるということで、選挙に便乗して差別の扇動をしているかのよう。人種差別撤廃条約違反ではないですか。

そうでなくても、1923年に起こった関東大震災において、在日朝鮮人に加えた虐殺行為に対して正面からの反省があるでしょうか。「都民ファースト」を掲げた小池知事は、犠牲者追悼式典に何年も追悼文を送付していません。先の東京都議選では、日本国籍を取得した元外国籍者の候補者に対し、「国に返れ」などヘイトスピーチが起こったとの報道があります。

問題は、日本人の定義です。国籍保有かそうでないかではなく、血筋、言語、あるいは「こころ」とか、とてもあいまいな、ひょっとして「売国奴」とか「非国民」とか、状況次第で誰もが落とし込められるような理由で差別の対象にされる気味の悪さを感じます。80年前までの日本社会で正にそうであったように。戦後の人権尊重の歩みは一体どこへ行ったのでしょう。

100年前、1925年。男性のみが普通選挙権を得ました。同時に「治安維持法」が通り、国体(天皇制)の変革や私有財産制度の否定を目的とする結社や行動を取り締まることを目的としていました。実際は、社会主義運動や共産主義運動、さらには平和主義者や新興宗教など、幅広い思想や活動を弾圧の対象としました。つまり、「もの言わぬ民」にされ、戦争への道をさらに踏み固めたのでした。今年は、そういう年であることを肝に銘じます。

「計算社会科学」の知見では、怒りなどの感情は伝わり易く、偽情報は事実よりはるかに速く拡散するそうです。外国人。社会にあって一番不安を抱き、弱い立場にある人々ではありませんか。イチロー選手がアメリカから帰ってきてスグのころ、口にした言葉を忘れることはできません。「みんな一度は外国人になればいい」。玉石混交の情報過多のただ中にあって、アンテナの錆を磨きましょう。

 

さまざまな人々のためにすすんで友となり、これらの人々の苦しみを背負い引き受け、導いていく。  *仏説無量寿経 上巻  合掌

 

釈明和

明かる~く和む今月の一言

  万博に行ってきました~‼

 

連日暑い日が続きますね。

いかがお過ごしでしょうか?

先日は、大阪万博に行ってまいりました。今回の万博は、賛否両論もあり、1970年の戦後の経済発展の象徴のような万博で はないし、一体どんなものだろう?と思っていましたが、結果、めちゃくちゃ素晴らしかったです。
 

社会問題となっている、環境、資源、食料問題などをテーマしたパビリオンも多く、これから人類は、どこに向かっていくのか、を考えさせられました。

ウサギのお肉とワニのお肉も食べました。どちらも、鳥の胸肉のような感じで、食べられます。ワニは、高タンパク、低脂質で、ヘルシー思考の方には、人気が出そうです。

大学教員でメディアアーティストの落合洋一さんのパビリオンでは、自分のAIを作成しました。自分の性別、年齢、住んでるところ、好み、ポリシーなどを入力し、音声もとりAIを作成します。なんと、今の時代は、自分のAIと対話が出来るんです。

自分と自分が喋ったら、どうなるか?悩みを相談したらどうなるか?気になりませか??気になりますよね?

試しに、AIの自分に聞いてみました。「今日、何食べたらいい?太るからカロリーも気にしてます」と聞いたら、「何でも好きなモン食べや!!カロリーは気にしたら負けや!!」と返してきました(笑笑)私、めっちゃ言ってそう〜その後、色々対話してみましたが、私、こんな感じなんやぁーとちょっと落ち込みましたね(笑笑)

さて、後10年後の日本はどうなっているでしょう、何を食べて、どんな価値観でなっているのでしょう。最近の社会問題や環境問題ついて、ついつい昔はこんなんじゃなかった、あの頃は良かった、と口にしがちですが。

かのブッタもこんな名言を残しています。
「過去に囚われてはいけない。未来を待ってもいけない。ただこの瞬間にのみ集中しなさい。」
終わってしまった事を後悔したり、起きるかどうかわからない未来を案ずるよりも、今、この瞬間を大切にしたいものです。

今日、この瞬間、好きなモンを食べましょ。カロリーなんて気にしてたら負けです‼️ (笑)
熱中症に気をつけて、夏を乗り切りましょう。               合掌

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慶聞抄2025年7月号

2025-06-24 14:23:39 | 随想

慶聞抄(きょうもんしょう)

2025(令和7)年

7月号(No.140)

了雲寺 釈幸華

     明神谷にて・・奈良と三重の県境

 

戦争の実相

坊守・釈明和のお仕事がない朝は、二人でお逮夜参りに出かけます。前の日にお知らせしているので、たいてい座布団を2枚用意して待っていてくださいます。正直に言うと、斜め後ろからの視線を感じるので、一人の時より幾分丁寧な所作になります。お茶のお作法ほどではありませんが、おひかり、お香、おりん、お経本と、流れるような手の動きであるようにと心がけています。(苦笑)

ある日、「讃仏偈」「重誓偈」と進んで、お念仏6回したところで、もうお経本をいただいてしまいました。アレレ・・回向句・願以此功徳・・は? 初めての出来事にびっくり。明和に「お母さんも忘れることもあるんですね」と言われてしまいました。

しっかりしているようで、体と脳の衰えは着実に進んでいます。最近、一番ダメージを受けたのが、スマホのブラックアウト事件。遠くに引っ越した**ステーションに汗だくで駆け込んだら、ただの充電不足とのことでした。帰りの自転車のペダルの重かったこと・・

朝ドラ、「あんぱん」は、戦時下の「銃後」の様子が描かれていて観るのも辛いです。「お国のために」と言われると、言いたいことも言われず我慢を強いられます。崇(たかし)も兵隊に取られて中国にやられました。食糧の補給路が断たれ、乾パンも底をつき、タンポポの根っこも食べつくして、とうとう農家のお婆さんに食べ物を出せと銃剣を向けました。お婆さんが差し出した茹で卵の殻をむく間も惜しみ、バリバリ貪る姿・・。

これが「アンパンマン」誕生の原点! 空腹は嫌だ! 戦争の実相は、恐怖と欠乏!(日本軍が実際、かの国で行ったことはこの程度のものではなかったでしょう。華北、特に中国共産党が抗日根拠地としていた地域では、残虐を極めたと言われています。焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くす、中国の人は「三光作戦」と呼びました。)

イスラエルがガザに、また6月に入ってイランに攻撃し始めました。これに歴代大統領の中で最もイスラエル寄りのトランプのアメリカがどう絡んでくるのか、世界全体がどうなっていくのか、予断を許しません。 

ナラティブ=物語。人も国も物語を必要とします。イスラエルは「自衛のため」、ロシアは「キエフ・ルーシという共通の祖国」、アメリカは「昔は偉大だった」と。自画像はいつも独りよがりで、不都合なものには目を閉じます。この点も人と国は同じ。

日本は敗戦から80年、いろんな場面で来し方が語られる夏。最近聞いたのが、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」。本人は生前この映像化は断っていたのが、2009年からNHKで足掛け3年にわたって放送されました。誤解されたら危険だから。それをくみ取って遺族と話し合い、NHKは原作にないシーンを2か所、挿入したのだそうです。崇が卵を貪る類の、戦争の実相を。

日露戦争も帝政ロシアの当時の政情が日本に有利に働いただけ。ポーツマス条約に不満の人々が日比谷焼き討ち事件を起こしましたが、戦争の実相を政府がちゃんと伝えていたら、そうはならなかったでしょう。もっと言えば、そのあとの昭和の戦争もなかったかもしれない。

 

願以此功徳 平等施一切 

同発菩提心 往生安楽国

・・願わくば この功徳をもって 全ての人や生き物に分け与え ともに仏の悟りを目指す心を起こし 極楽浄土に往生せん

               合掌

 

 

釈明和

明かる~く和む今月の一言

暑い日が続いていますね。
日傘をさして日陰を探して歩く毎日です。
皆さんも、くれぐれも熱中症、脱水症に気をつけてくださいね。

さて、最近の私は、かねてから興味のあった「終活アドバイザー」の資格の勉強を始めました。

終活とは、人生の終わりに向けて、残された家族の困りごとが少なくなるように、また、自分自身の人生をより充実させるために、身の回りの整理、葬儀やお墓の準備、財産管理、介護や医療に関する希望などを事前に準備する活動のことです。

人間は、必ず最後の日を迎えます。
どんな人でも致死率は10

皆さんは、明日が人生最後の日だったとしたら、残された1日をどう過ごすでしょうか?

最後くらいパァーッと行きたいから、高級クラブでジャパンをおろして、
🎵ア、ソ〜レ、ソ〜レ🎵
ってする方もいらっしゃるでしょうし、

一度はやりたかったルパン三世の峰不二子のように、札束のバスタブに浸かってみる方もいらっしゃると思います。(いるか⁉)

はたまた、何にもしない、昨日と同じように過ごすという方もおられますよね。

最後の日に思うことは何でしょうか?

毎日、夫婦喧嘩ばっかり出来て良かったな❤️子供に口うるさく言って、嫌われてよかったな❤️ とは、思いませんよね。最後に味わいたい気持ちはどんなでしょう。

そして、次の日はお葬式。そのお葬式には、誰が参列しているでしょうか?そして、どんな話をしているでしょうか。

あの人は、〇〇だったね。その〇〇は、何だったら、嬉しいでしょうか??

そんな来たるべき日を思い浮かべて、自分が大切にしたいものをもう一度、確認してみてくださいね。

今からでも間に合います。
それが、終活です。

終活は最後の日のためにあるのではなく、今生きる自分のためにあるのです。

合掌 🙏

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慶聞抄2025年6月号

2025-05-21 14:24:39 | 随想

慶聞抄(きょうもんしょう)

2025(令和7)年

6月号(No.139)

了雲寺 釈幸華

    大阪側からの二上山

聖徳皇と示現して

お母さんの百か日に合わせて埋骨なさるというので、大阪市内まで出かけました。桑津という名前から、昔、養蚕が盛んだったのでしょう、今は住宅に囲まれた、いかにも古そうな墓地です。九州が梅雨入りとのニュースもあり、雨を心配して石屋さんがテントを用意してくださっていましたが、幸いにも法要時には止んでいました。

普段は名古屋にお住いの長男さんは、12年前にもお父さんをここに埋葬されています。お父さんは96歳で、お母さんは98歳で。終わりのご挨拶をするのに、自分のことのように安堵して、つい「おめでとうございます」と口に出してしまいました。

自然の土のところを探すのも難しくなっている現代です。都会の中の墓石の下が、わずかにこの世の生を終えて土に返ることを許された場所であることを思います。そしてその場所は喪主さんにとって、自分に繋がるご先祖がいつからとは分からなくても確かに命を紡いでこられた所縁の地であることを知らせてくれています。

「御堂さん」5月号に聖徳太子の話題がありました。石川南組の一画、磯長(しなが)の地・叡福寺に御廟があり、母君と妃と3人のお棺があるそうです。空海さんや御開山・親鸞聖人もお参りされたそうで、特に御開山は太子を「和国の教主」と、尊敬されておられます。

「王陵の谷」とも呼ばれるだけあって、敏達、用明(太子の父)、推古、孝徳の天皇陵がある太子町。実力者の蘇我氏の勢力範囲であったこともありますが、それよりは大和からは二上山の向こう側、西方浄土、もしくは黄泉(よみ)の国と考えられたのでしょう。

聖徳太子が取り上げられていたのは、実は「十七条憲法」のことでした。対立と分断の世、今こそ聖徳太子の「和」に学ぶというところです。ですが、私にとって607年の遣隋使が、実は2回目だったというのが発見でした。1回目の遣隋使は、推古天皇8(600)年。「隋書」の「倭国伝」に記録されているようです。日本の使者が隋の文帝から日本の様子を尋ねられた際、ちゃんと返答できなくて失敗に終わったので「日本書紀」には記録されなかったらしいです。(外交儀礼に疎く、国書も持たなかったと。)

2回目の小野妹子が持って行った国書が有名な「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す」で始まるものでした。隋はこの時、煬帝(ようだい)。世界に天子はただ一人、無礼千万!というところに一歩も引かない対等平等の外交姿勢!(編集長の菅氏)失敗から7年(この間に冠位十二階、十七条憲法の実施)あらゆる情報を得て研究した結果、隋には日本を攻める余力はないと見抜いてのこと。すぐ滅んでしまう国情をよくご存じだったのです。(法隆寺住職の古谷氏)だったら、何で行ったのか新たな疑問?  *隋 581年~618年

ああ、それから千四百余年! 日米関税協議の我が国代表の「格下の格下」発言。その上MAGAの赤いキャップまで!名前が赤〇だからって被らんでも!(コレ、歴史に残るよ)

 

救世観音(くせかんのん)大菩薩

聖徳皇(おう)と示現(じげん)して

多々(たた)のごとくすてずして

阿摩(あま)のごとくにそひたまふ

 ・・救世観音は聖徳太子としてこの世に現れ、まるで父や母が我が子を思うように見捨てることなくいつも付き添っていてくださる  

  *「正像末和讃」             合掌

 

      葛城古道から葛城山を望む

 

釈明和

明かる~く和む今月の一言

立夏から夏至へ、暑さと雨が心配の季節となりました。今年、私は50歳になるのですが、先日、高校の50歳記念の同窓会が開かれました。発起人、お二人の雑談から始まったこの企画ですが、SNSの繋がりで、あっという間に総勢125人の参加となりました。取り仕切ってくれた幹事の方々には感謝しかありません。懐かしい顔ぶれとの再会に、感慨深い1日となりました。

 50歳ともなると、皆、それぞれに人生色々で、結婚、離婚や再婚、離職に転職、お子様が亡くなられた方、ご自身の病気

家族の病気、介護、お子さんの不登校、そしてコロナもあり、お互いに良くぞここまで潜り抜けたなぁーと、手と手を取り合いました。そして、友達とケンカしたり、彼氏と別れたりひっついたり競い合ったり、人と比べて落ち込んだりした事を懐かしく思い、あの時は何であんなに必死だったのかー??と笑い合うのです。

 煩悩を持つ我々は、思い通りにならない現実に悩みます。あの人が好きと思っても、成就されない思いに、悲しみ怒り、あの人さえ手に入れば、、と執着します。子供さえ授かれば、、良い学校にさえ受かれば、、お金さえあれば、、あの人さえ変わってくれたら、、と執着してしまいます。自分の欲に振り回されて、多くの時間やお金、人を失ったりもします。煩悩は諸悪の根源、と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こうやって、悩み、もがき、四苦八苦して生きるのもなかなかエキサイティングで良いのではないかとも思います。

そうやって体当たりで戦って得た人生の教訓は、その人の宝物になると思います。「聞いて❗️あれから、大変やってん!!」という旧友のキラキラした目が忘れられまん。皆、色々と抱えながらも、今日、ここで元気に会えた事が奇跡!!歳をとるっていいもんだなぁーとしみじみ思いまた。

現世は、この四苦八苦を存分に楽しんでから、お浄土に参りたいと思っています。

※「四苦八苦(しくはっく)」とは、仏教の言葉で、人生における苦しみを指します。具体的には、生・老・病・死の四つの苦しみ(四苦)に加え、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦(ごおんじょうく・人間の心と体を形成する要素から生じる苦痛や苦悩)の四つの苦しみを合わせたものです。「四苦八苦」は、人生において避けられない苦しみを指し、人間が苦しみを経験することは避けられないという仏教の教えを表します。
       合掌

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慶聞抄2025年5月号

2025-04-20 10:37:11 | 随想

2025(令和7)年

5月号(No.138)

了雲寺 釈幸華

   散歩道で・・

 

當相敬愛(とうそうきょうあい)

教科書のメモをどこへやったのか、授業がもうすぐ始まるのにまだ見つからない、どうしよう!と焦っているところで目が覚めました。うっすら汗ばんでいるのを感じながらほっとため息。そういえば、母も退職してから何年にもなるのに、「研究授業案がまだ出来ていない夢をみる」とこぼしていました。(そんなにしんどかったんかい!)

お逮夜参りに出かける朝のムラの道は、近隣の企業に勤める多くの若者の通勤路でもあります。おしゃべりしながらのグループもありますが、たいていは無表情で黙々と歩いています。お仕事は順調なのか、困りごとを抱えてはいないか、少しばかり気にはなります。すれ違いざまに、おはようございますと声をかけて、何人かからお返事が返ってきたときは、ちょっとホッとしたりします。

ある大学の紀要が新聞で紹介されていて、不登校や引きこもりを経験した若者の「自分研究」を読みました。・・中学で不登校になった男性は、授業に出てほしいと言う母と激しく言い争いになり、そのたびに「見限られポイントが積み上がっていることを恐れた」。別の男性も小学生のとき、班で給食を食べていて「食べ方が女っぽくって気持ち悪い」と言われ、給食のたびに責められていた。教室は「戦場」だったとつづる。「生き延びるためには、自分を殺してやり過ごすしかない」。ゼミで読みあい、語り合う。発表者が読む。他の学生がうなずいて言う。「あ、その不安を重ねるところ、わかる」「わたしも同じように苦しかったな」。発表者もうなずく。そして、ほのかにぬくもりのある空気が流れるのだ。・・

では、働く現場はどうなのか。競争、ノルマ、足の引っ張り合い・・それこそ本当の「戦場」ではないのか。フジテレビの問題では、女子アナが人間ではなくモノとして扱われて退職に追い込まれ、兵庫県では公益通報者保護法を理解しない知事によって〈訳のわからない人物とSNSの誹謗中傷も絡んで〉結局3人もの死者が出ました。セクハラ、パワハラの極致です。

エラそうにする、というのは偉くないから。本当に偉い人は、エラそうにしません。職場に必要なのは、覇権的な上下関係ではなく、リーダーシップとメンバーシップ。目標は同じなのだから。もっと言えば、近江商人(ご門徒たち)の「売り手よし、買い手よし、世間よし」です。調べていて「三方よしを世界に広める会2010」というのがありました! トランプに教えてやりたい!

もし「五月病」「うつ状態」になった場合、迷わず心療内科を受診してください。「気分の落ち込みは脳のエネルギーが切れて上手く働かなくなっている状態だから、先ずはエネルギーを貯める、つまり休みなさい。頑張るのはそれから。抗うつ薬は、不安などで無駄に脳がエネルギーを使っているので、その無駄な働きを抑えるのが目的。無理に気分を盛り上げるものではない。」とのことです。

 近くの児童心理治療施設から、「五周年記念誌」をいただきました。社会的養育が必要な子どもの施設です。当初は職員の多くが経験がなくて、施設長は「子どもと一緒に過ごし、耳を傾け、いっぱい話を聴いてあげてください。」と言い続けたそうです。職員は「発達の積み残しの深刻さ」に戸惑い、「児童の暴力・暴言、対応に追われ」つつも「自分の気持ちを自覚させ、人を大切にすること」に奮闘します。私が最も心惹かれたのは「隣の人が孤独になっていないか」と常に職員同士も支え合っていることです。そこには「子どもの最善の利益とは何か」を問い続ける多職種連携の実践がありました。

 

 當相敬愛・・自らを慈しむように他者をも相敬うべし *仏説無量寿経          合掌

 

  河原を席巻するセイヨウアブラナ

釈明和

明かる~く和む今月の一言

 

日に日に木々の緑が濃さを増し、気温が一気に上昇して驚かされます。

 

新生活スタートで、ピカピカのランドセルやブカブカの制服に身を包んでいる子どもたちを見かけますと、こちらまで嬉しくなってきますね。

 

4月5日の仏教女性会では「花まつり」をしました。これは、お釈迦さまのお誕生日をお祝いする行事で、灌仏会(かんぶつえ)といいます。

 

右手を天に向け、左手を地に向けている「誕生仏」に甘茶をかけます。

 

お釈迦さまは生まれてすぐ7歩歩き「天上天下唯我独尊」* と言われたのは有名な話ですよね。

 

それは本当の話なのか??といいますと、きっと事実ではないでしょう。

 

人に人物像を伝えるのには、物語が必要なのです。経歴だけでは伝わらない。

 

例えば、○○年に生まれ、○○年に幼稚園を卒業し、○○年に小学校に入学し、なんて事実を並べても、どんな人間なのか伝わりません。

 

それよりも、三度の飯より阪神が好き、寝る間を惜しんで本を読み漁る、という方が親近感が湧きますよね。

 

お通夜では、そんな場面によく出会います。故人はこんなモノが好きで、よくこんなことをしてました。それがその人のストーリー。ストーリーがその人の人生そのもの。

 

皆さんは、今、どんなストーリーを生きておられますか?       合掌

 

*「唯我独尊」について

「自分より尊い者はいない」と「ひとりよがり」や「うぬぼれ」といった意味で受け取るのは間違い。誰とも代わることのできないただ一人の人間として、何一つ加えることも変えることもなく、そのいのちのままに尊いのだという発見なのです。

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