異常な程小雪な今冬ではあるが、ここ3日ほど低温が続いたお陰で吾妻連峰の中腹から上部には新雪が深そうに見える
天気予報は曇り。麓から見る限り朝8時の段階では吾妻小富士や一切経、家形山まで冠雪した山頂が望めた
県道70号線(高湯街道)を車で進み、信夫温泉を過ぎ無水消雪道路を過ぎてもまだ路面に雪が無い
標高750mの高湯温泉街に辿り着くと漸く路面にも雪が。
異常な程少ないが、公衆浴場の「あったかゆ」は朝9時で既に満車
警備員と話すと「今年は雪ないからね、安心して車で登ってくるんだね」とのこと
温泉街を抜けて以前はゲートが設けられていた「スカイライン」へ突入
積雪はまだ20㎝程度。「冬季通行止めゲート」へ着いた
先着のワゴンが一台とまっていた
山スキーを履いた男性がソロでスカイラインを歩いてゆく姿が見えた
彼の車だろうか
標高は830m地点
身支度をしていると背中にスノーシューを背負った60代くらいの女性が登山靴のまま登山道へ入ってゆくのが見えた
自分は今日はスノーシューではなくて「スノーポン」なるものの試し履き
アイゼンと一緒に履けるカンジキタイプのもの
スノーポン単体でもギザギザの金属クランポンが二枚縦に付いているので平坦な雪の上なら歩ける
登山道のような15%以上の勾配だと丸いパイプフレームでは滑って登れない
アイゼンと組み合わせるとかなりの急登でも登れるらしい
モンベルのスノーポンには3類あって、カジタックスアイゼン専用のアルパインスノーポンと、ライトアルパインスノーポン
この2種はカジタックスアイゼンの2番目の爪を入れる場所が決まっていてきちっと固定されるらしい
自分のは、カジタックス以外のアイゼン、例えばグリベルなどでも使えるライトアルパインスノーポンだ
しかし、大体にして靴も冬用ではなく夏用のゴアなので本格的アイゼンを装着できない
自分の持ってるアイゼンはなんちゃってメーカー製の14本爪である
なんちゃって、とは言えかなりしっかりした造りで氷上を歩くのには特に問題が無い
12本爪が一般的だが、このなんちゃってアイゼンは2列目の刃がダブルになっていて14本爪
それが仇となったのがスノーポンに履いてみようとすると、爪が邪魔してハーネスに着ける位置がなかなか決まらない
せめてモンベルのアイゼンだったらこのあたりもっとちゃんといくんだろうなあ
どうにかうまく履いたのだが、歩き出すと横に動いてずれてしまう
特に斜面を歩くとどうしても斜面の低いほうに足がずれてしまう
カジタックス専用スノーポンなら母指球の辺りがずれないように工夫されてるからこんな事は起きにくいのかも知れません
スノーポンの真ん中か、少し内側に足が来ると良いのだが、外側に外側に足がずれてしまう
歩くたびに自分の足で反対側のスノーポンを踏みつけそうになる
何度か縛り方を調整して、何とか固定できた
なんやかんや時間が掛かってしまい出発まで30~40分も掛かってしまった
いつものスノーシューなら15分もあれば着替えてスノーシュー履いて出発できたはず
家で一回練習してくればよかった・・・後悔先に立たず
曇りの予報とは裏腹に10時頃は晴れて青空もくっきり
数名の踏み跡があった
スノーシューの足跡と、ずぼ足の跡。どっちも一人ずつだろうか
積雪は40㎝かなあ。ストックで突いてみるとそんな感じだった
前に積もった雪は溶けたり凍ったりしてるからここ数日で積もったのはせいぜい30㎝
長靴でも歩けそうなほどだった
だんだん雪深くなってきて傾斜もきつくなってきた
ズボ足は消え新しいスノーシューの踏み後に変わった。きっとあの女性が履き替えたのだろう
スノーポンは、この程度の雪に適しているらしく、踏み抜きもせずに
アイゼンとスノーポンのクランポンがしっかりと雪と氷に食らいついていて歩きやすい
スノーシューだと自分のが25~26インチと大きめなので、深雪でも踏み抜きは少ないのだが
大きさゆえに小回りが利かずによじ登るような直登の壁だと登りにくいが
スノーポンはかかとがフリーなお陰でアイゼンだけで登ってるような感じで崖をよじ登れる
写真には撮らなかったが、県道を横ぎる場所はかなりの激登り。前を行くスノーシューの軌跡は
斜めにジグザクしている
思い切って真っすぐ登ってみたが、ずるずる下がることもなく登れた
こういう場面を想定してモンベルはスノーポンを開発したんだろうなきっと
不動沢道と合流する地点は一旦下らなくてはならないので県道70スカイラインを少し歩く
やっぱり車が走れるように作ってある道は楽ちんだな。距離は3倍だけどね
そうこうしてるうちにつばくろ谷へ到着
登山道入り口には踏み跡がなかった
きっとつばくろ谷の橋には寄らずに登山道で賽河原や慶応山荘へ向かったのだろう
つばくろ谷
レストハウスは雪囲いしてあってトイレも当然閉まっていた
風除けの屋根の下でカップラーメンであったまった
このあと、もう少し上の天狗の庭の手前あたりで吹雪いてきて視界もなく寒くなってきたので下山
標高1300mあたりだったかな
つばくろ谷からはまた登山道を降りた
下りはもってきたヒップソリで遊びながら滑り落ちた
わざと木の根元を歩いてみたら思いっきりズボッ。腰まで埋まってしまったがスノーシューより小ぶりなスノーポンは簡単に脱出できた
登山道登り口付近まで降りてきたら多くのスノーシューの足跡や山スキーの滑った跡があった
みんな、登山道を歩かずにスカイラインをのんびり歩いてるのかな
もふもふあそびするには、登山道よりもスカイラインを登ってって、高湯スキー場跡を降りてきた方が楽しい
家族連れなんかはきっと向こうで遊んでるんだろう
ゲートについて車に戻ると、自分より先に止めてあった車がまだあった
どこ迄行ったのかな?山荘まで行ったのか、いや、スキーの跡は登山道になかったし、つばくろ谷のスカイライン上にもなかったから
もしかしたらどっかで何回も登ったり滑ったりして遊んでるのかな
さて
スノーポンを履いてみての感想です
アイゼンとの相性がかなりあるので、カジタックスのアイゼンを用いるか、スノーポン買う前に手持ちのアイゼンと合せてみるべき
もふもふ遊びには適さない。深雪ではズボ足よりはマシ、程度なもの
ワカンは履いたことがありませんが感覚的には似てる気がします
細いスキートレースを追うような場面では軽さと小ささゆえに歩くのが楽
かかとを乗せるデッキがないので、足裏全体で滑るように歩くスノーシューと違い普通の靴のように歩く
ヒールリフトもないのでつま先のクランボンを意識して歩く必要がある
傾斜がきつくなればなるほどスノーシューよりも登りやすくなると思う。つま先を蹴るように突き刺しながら
凍ったトラバースのような滑りやすい斜面でもアイゼンと併用なら滑りにくい
もっともそんな場面だとストックじゃなくピッケルが欲しくなるだろうが
自分のような登山初心者ドシロウトには向かないかな
春先のガチガチの雪とか、沈み込みが少ない堅雪向けだと思います
アイゼン付けずにスノーポンだけだと平坦な雪の少ないところ向け
アイゼン併用なら3000mクラスの氷雪の斜面を登るような人にはいいかもしれない
アイゼンで登ってゆくが、意外に雪が深くて埋まってしまうようなときにアイゼンに被せて(履かせて?)
使わないときはザックに結わえて、といった使い方が向いてるんだろうと思う
アイゼンとスノーシュー、どっちも持っていくのは重量的に重い山行と感じる場合なんかに。。。
或いは、スノーボードを背負ってBC(バックカントリー)する方とかはいいのかも
便利アイデア装備、ともいえるけど、どっちつかず、と言えなくもないかも知れません
なあんてなまいき~~っすね(笑)
高湯温泉まで降りて来て、相変わらず満車のあったかゆでイモ洗い状態でとっぷん。
やっぱりいい湯だな高湯は。にっぽんいちです。まちがいない。