「資格検定情報センター」準備事務局より

各種資格・検定の情報を分析し、信頼性の高さや疑問点の有無を報告します。

通検、V通検が試験実施中止

2008-11-08 18:30:57 | Weblog
通訳検定を実施している日本通訳協会が、明日11/9(日)の試験の実施を突然中止しました。新聞やテレビでもニュースになっています。

通訳の資格といえば、国家資格である「通訳案内士」が有名です。
平成17年までは「通訳案内業試験」という名称でした。「通訳ガイド試験」と言われることもありましたが、戦後一貫して通訳に関する唯一の国家試験でした。

通訳案内士試験の他に、通訳の技能を認定するいくつかの検定試験がありますが、すべて民間資格です。公的な資格ではありません。

その中でも、通訳士を認定する通訳技能検定(通検)や、ボランティア通訳検定(V通検)は比較的名前が知られている試験でした。
しかし、受験者数は公表できないほど激減していたようですから、資金繰りもむずかしくなっていたのでしょうか。
日本通訳協会の同じフロアには「株式会社通協リンガパートナーズ」がありますが、こちらの経営も厳しかったのかもしれません。
どちらにしても数人のスタッフでは、試験問題を毎回新規に作成する力もなかったと思われます。
民間資格の運営者のうち、運営組織や試験問題制作の体制について自信を持って公開できる団体は少数かもしれません。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081108-OYT1T00289.htm?from=navr
■「通訳技能検定」直前に突如中止、協会閉鎖を理由に
 独自に通訳の資格試験を行ってきた「日本通訳協会」(東京都新宿区、向鎌治郎(むかいけんじろう)代表)が、協会の閉鎖を理由に、9日に予定していた検定試験を直前になって中止していたことが8日わかった。
 公式サイトなどによると、同協会は1974年に設立された株式会社。試験中止の理由について、同社は「今般の経済不況の中で必要な金融支援も受けられず、日本通訳協会はやむなく閉鎖せざるを得なくなった」と説明。「11月下旬頃には今後の連絡先などをサイトに掲載する」などとしている。
 同協会は英語や中国語の「通訳技能検定」(通検)を全国で年2回行い、「通訳士」に認定。受験料は通検1級が1万7000円、2級が1万2000円などで、同サイトでは「34年間に通算12万9544名が受験し、3万8304名が合格した」としている。
 今月4日付で受験生に郵送された向代表名の謝罪はがきには「受験料が無駄にならないよう努力していく」などと記されていた。
(2008年11月8日11時49分 読売新聞)

http://www.jipta.net/cgi-bin/info/cf.cgi?mode=all&namber=264&rev=0
■日本通訳協会閉鎖のお知らせ

創業以来35年間以上にわたり、 通訳技能検定試験(通検)そしてボランティア通訳検定試験(V通検)、 中国語日本語 通訳検定試験(中日通検)を日本通訳協会は実施してまいりました。 しかしながら、 このたび、 今般の経済不況の中で必要な金融支援も受けられず、 日本通訳協会はやむなく閉鎖せざるを得なくなり、 通検、 V通検、 中日通検などの各試験も実施を断念せざるを得なくなりました。
各試験の直前でもあり、 皆様方には大変なご迷惑と混乱をおかけいたします点、 深くお詫び申し上げます。
なお、 予定しております2008年11月9日(日)の各試験および12月14日(日)の通検2次試験、 2009年2月1日(日)の通検3次試験のいずれも中止いたしますが、 業界の各社と協議中であり、 皆様方の受験料がむだにならないように努力していく所存です。 協議の進展に伴い、 今後の方向が決まり次第、 皆様にはご通知いたしますが、 11月下旬頃には今後の連絡先も含めまして概要をウェブサイト(http://www.jipta.net/)に掲載してお知らせしたく思っていますので、 それまでお待ちくださるよう、 お願いいたします。
ご迷惑をおかけします点、 重ねてお詫び申し上げます。

2008年11月4日
    日本通訳協会    
代表 向 鎌治郎


<参考>
http://www.bunsai.net/html/about.htm
特定非営利活動法人 文際交流協会 代表 向 鎌治郎
[略歴]
慶應義塾大学在学中マグロ船で渡米。米国ポートランド州立大学卒業。帰国後慶應義塾大学・同大学院修了。在学中に通訳ガイド養成所と日本通訳協会を創立。その後、文際教育交流センター、オープン・ドア日本協会(現在の文際交流協会)、ナセル文際交流協会を設立。

1988年、国際交流の各分野の第一線で活躍する日本全国の担い手たちの集い「箱根会議」を提唱、設立。平成5年度文部省(当時)研究助成により異文化体験ゲーム“クスクス”を開発するなど、国際理解教育と留学、英語教育と異文化理解等の分野で幅広い活動を展開中。英語教育では「通訳学習を応用した英会話学習」や「IQよりEQを重視する教育」を提唱。

2004年、地域社会振興等貢献活動功労者として(社)茗渓会より表彰をうける。現在、特定非営利活動法人文際交流協会理事長の他に、日本通訳協会/日本英語会代表を兼任の傍ら、中国の大学(北京語言大学、北京第二外国語大学)で「異文化コミュニケーション」の教鞭をとる。

[主な著書]
『オールラウンド英会話教本』(研究社)、『英語通訳への道』(大修館)、『THE高校留学』(共著/はる書房)、『高校生の留学と国際交流』(共著/三修社)、『中学英語で通訳ができる』(ジャパンタイムス社)、『DONDON 英会話』(研究社)、『英会話「通訳式」トレーニングすばやく自然な受け答え上達法』(宝島社)など多数。




多摩・武蔵野検定

2008-10-27 22:56:14 | Weblog
2008年10月27日、読売新聞の夕刊に「多摩・武蔵野検定 初回は1300人が受検」という記事が掲載されました。
同じ日の読売新聞朝刊には「検定試験を検定-文科省が指針」という記事が掲載されます。
民間の資格や検定に対して存在意義が問われている現在、新聞での取り上げ方にも注意が求められます。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20081027-OYT8T00122.htm?from=navr
■多摩・武蔵野検定 初回は1300人が受検
 多摩地区の歴史や文化などをテーマにしたご当地検定「多摩・武蔵野検定(愛称・タマケン)」が26日、調布市の電気通信大で初めて行われ、1329人が受検した。受検者からは「地元のことを知るきっかけになり、楽しかった」という声が聞かれた。
 多摩地区の魅力を再発見し、愛着を持ってもらおうと、自治体や大学、企業などでつくる「学術・文化・産業ネットワーク多摩」が主催した。今回は、基礎的な内容の3級のみ実施。受検者は100問の択一式問題を90分以内で解き、正答率7割以上で合格となる。結果は11月中旬、同検定のホームページ上に掲載され、合格者にはテレホンカードサイズの「合格証」が送られる。

(2008年10月27日 読売新聞)


<参考>
多摩・武蔵野検定公式サイト
http://www.tamakentei.jp/



文科省が検定試験を客観的に評価するためのガイドラインを策定

2008-10-27 22:29:25 | Weblog
文部科学省も現在の民間資格や検定試験の乱立状態を問題視しています。
しかしまだ資格検定業界に対して大きな変革を求めてはいません。
状況を調査しながら輪郭をなぞっているような状況に見えます。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081027-OYT1T00412.htm
■検定試験を「検定」します…文科省が指針策定
 文部科学省は、資格ブームなどの影響で増え続けている、検定試験の質を客観的に評価するためのガイドライン(指針)を策定した。
 全国規模で実施している検定を中心に、出題内容や財務状況など5項目について検定の実施者が自己評価し、その情報をパンフレットなどで公開するように促している。
 検定試験は、かつて文科省による審査を通れば「文科省認定技能審査」と認定されたが、規制緩和の一環として2006年にこの制度が廃止され、客観的な評価基準がなくなった。
 文科省は5月、学校関係者などによる「検定試験の評価の在り方に関する有識者会議」を設置して議論を重ねてきた。この結果、検定の評価対象の項目として、〈1〉検定を実施する組織や財務の状況〈2〉試験の目的や出題内容〈3〉試験の実施状況や結果公表の透明性〈4〉受検者の意見や活動状況の情報収集と公開〈5〉検定後の受検者への情報提供などの学習支援――の五つを決め、これらの項目に関する自己評価を検定の受検者に明示するように求めた。
 当面は、検定の実施者による「自己評価方式」を採用したが、いずれは、外部の第三者機関を設置して評価することを目指す。
(2008年10月27日14時48分 読売新聞)



大学と市が共催する検定(西宮検定)

2008-10-27 22:21:55 | Weblog
ご当地検定といえば各地の商工会議所が有名ですが、大学と市の共催というあたらしい形の検定もはじまりました。
四択問題五十問。関学の学生がゼミ活動の一環として作った検定試験のようです。

兵庫の関西学院大学は関東では知名度があまり高くないのですが、「カンセイガクイン大学」と読みます。
大阪の関西大学は「カンサイ大学」。
どちらも関西の人気大学です。
関西学院大学は青山学院大学、関西大学は明治大学に似た印象です。

<神戸新聞の記事>
http://www.kobe-np.co.jp/news/hanshin/0001541377.shtml
神戸新聞>阪神・北摂記事>阪神・北摂(2008.10.27)
■初の西宮検定に170人 芦屋検定は上級編も 
真剣な表情で難問に挑む受検者ら=関西学院大学上ケ原キャンパス
「甲子園球場のスタンドが禁煙になったのはいつ?」「芦屋の牧場で製造されていた牛乳の名前は?」。西宮、芦屋の両市で二十六日、地域の名所やゆかりの人物について問う“ご当地検定”があり、市民ら計二百七十人が参加した。地元愛の深さが試されるとあって、受検者はみな真剣な表情。主催者が厳選した問題に頭を悩ませていた。(小川 晶)
 関西学院大(西宮市)の上ケ原キャンパスで開催された「西宮検定」。同大と市の共催で、初めて実施した。
 問題は、同大の講座「地域フィールドワーク西宮」を受講した学生が考案。「灘酒」「西宮えびす」「甲子園」の三つのテーマを柱に、四択問題五十問が出題された。
 受検者らは、開始直前までテキストを読み返すなど、緊張した面持ち。午後二時、開始の合図とともに、十三-八十歳の百七十人が一斉に問題用紙を開いた。
 「『宮水』を発見した人物は?」「『十日えびす』の別の呼び名は?」など、テーマを深く掘り下げた問いがずらり。写真の並べ替えや、正しい記述の組み合わせを選ぶ入試のような出題もあり、「難しかった」と苦笑いする受検者もいた。同市南甲子園三、会社員藤井亮介さん(33)は「(合格ラインの)七割に届いたかどうか微妙。作り込まれた問題ばかりで楽しかった」と話していた。
 一方、今年二月に続き、二回目となる「芦屋検定」は、芦屋市民センター(同市業平町)など二会場で開催。新たに設けた上級編に、愛知県から参加した人もいた。
 両検定ともに、合格者には後日、合格証などが送付される。
(10/27 10:20)


<参考>
西宮検定(西宮検定学生実行委員会)公式ブログ
http://ameblo.jp/nishinomiyakentei/


「金融士」2010年度にも誕生

2008-05-01 11:27:27 | Weblog
4月30日、新資格制度の概要が金融庁から発表されました。
5月1日付けの新聞各紙でも小さく概要が報じられています。

ただ、「弁護士や公認会計士のような法定の業務独占資格とはしない考えで、国家資格とするか民間資格とするかの位置づけや、試験の難易度、資格者数については今後議論する方針」、と報じられているように、この資格の位置づけはあいまいです。

現実的には、何かの業務を行うために取得が必要な資格、とはならないでしょう。
ある程度の能力を評価するだけであれば、あまり広がりを見せていない「法学検定」の二の舞になるかもしれません。
社会的にあまり意義が見出されなくても、省庁の管理下にある団体が増えることは、各省庁にとっては利益となるのでしょうか。

・「金融士」の基本的なコンセプト
http://www.fsa.go.jp/news/19/sonota/20080430.pdf

すでにネットの掲示板やブログなどでは、あらたな利権の創出ではないかとか、天下り先の確保ではないかという声があがっています。
そういった声をはねかえすだけの内容がこの資格には求められるでしょう。

金融士資格創出の背景には下記のような考えがあるようです。
http://www.fsa.go.jp/news/19/sonota/20080430.pdf
P8「法科大学院修了者で実際に弁護士になれなかった者等であっても、専門職大学院で習得した知識を金融界で活かすことは有益と考えられるため、こうした者の円滑な資格取得が可能となるような工夫が必要」

法学検定が生まれたとき、趣意書には下記のように書いてあります。
「大学で法律学を学ぶ学生にとって、一つの目標として司法試験や公務員採用試験等があります。しかし、わが国の現状ではこれらの国家試験が学生にとって必ずしも共通の目標とはなっておらず、法学部の卒業生の多くは、民間企業等法曹以外の道に進んでおります。そして、それらの卒業生も、法の役割と機能を十分に理解し、社会のリーダー・担い手として活躍することが期待され、大学における法学教育の重要性は従来にも増して大きくなってきております。
 そこで、全国の法学研究者のご協力を得ながら、財団法人日弁連法務研究財団と社団法人商事法務研究会は、共同して、法学検定試験委員会を組織し、その下で、「法学検定試験」を実施することといたしました」

法学検定も、金融士も、法律を学んだ人の実力を認定してあげようという考えはわるくないと思うのですが、人を育てるためには、資格検定を設けるよりももっと大切なことがあるのではないでしょうか。
だいいち、こんなに各種の法律・金融関係の資格が細分化されているのは世界中で日本くらいのものです。
細分化され、法制化され、規制の枠にはめられ、人々の創造力を萎縮させてしまえば、世界に通じる知的なダイナミックさを持った人々の育成から程遠くなってしまいます。

金融庁では新資格について意見も募集しているようです。

●「金融専門人材について (基本的なコンセプト)」に対する意見募集の実施について
http://www.fsa.go.jp/news/19/sonota/20080430-1.html


新聞記事ではフジサンケイビジネスアイが比較的詳しく報じていました。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200805010007a.nwc
■「金融士」2010年度にも誕生 専門資格制度の概要公表
FujiSankei Business i. 2008/5/1  

 金融庁は30日、昨年からの検討結果を踏まえ、金融業界に広く通用する専門資格「金融士(仮称)」の創設について、基本的考え方を発表した。一般からの意見を求めた上で今夏から具体的な制度設計に着手、2010年度にも第1号誕生を図る。

 法令順守(コンプライアンス)と金融ビジネスの水準向上に役立てるため、金融関係法令や財務会計、金融工学など幅広い金融専門知識▽金融業に高い付加価値を生み出す能力▽法令と収益性のバランスの判断力-などの資質を求める。

 具体的には、大学などでの単位取得を条件に、資格試験合格と3年程度の実務経験により、資格取得を認定する。また、取得後も継続教育を行うことで、変化の激しい金融ビジネスでの能力維持と、取得者同士の交流を図る。

 金融庁は、資格制度とすることにより、人材育成の具体的目標ができるうえ、一定の能力水準が証明され、人材流動化にもつながると期待している。金融機関などへの就職を希望する大学生や、金融機関の役職員、金融を専門とする弁護士などの取得を想定。また、海外からの人材活用にも役立てたい考え。

 ただ、弁護士や公認会計士のような法定の業務独占資格とはしない考えで、国家資格とするか民間資格とするかの位置づけや、試験の難易度、資格者数については今後議論する方針。

 金融専門資格は、渡辺喜美金融担当相が国際金融センターにふさわしい人材の厚みを増すべきだとして提唱。昨年10月から「金融専門人材に関する研究会」(座長・吉野直行慶応大教授)で、求められる資質や資格の位置づけなどについて検討してきた。


検定:気楽に、花盛り 趣味や雑学、ご当地など150(毎日新聞)

2008-01-19 23:39:44 | Weblog
毎日新聞の2008年1月19日西部夕刊に、ご当地検定についての記事がありました。
ご当地検定の過半数は各地の商工会議所が関与していますが、検定も2年目、3年目にもなると話題性が低下し、運営が苦しくなる場合も少なくありません。
NTTドコモの社内ベンチャーもご当地検定の創設に関与しているようですが、長期的視野を持って取り組んでいただきたいと思います。

http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20080119ddg041040011000c.html
■検定:気楽に、花盛り 趣味や雑学、ご当地など150
 さまざまなテーマや分野の知識を問う「検定」のブームがとどまるところを知らない。観光振興や地方活性化を目指す「ご当地検定」やユニークなテーマの「おもしろ検定」も次々に登場し、百花繚乱(りょうらん)の様相だ。最近の検定を検定?してみる。【田中義宏】

 ◇知名度高める狙い--マンネリ化、募集定員不足も

 「全員合格です。どうぞ越前ガニの味をご堪能ください」。12日、東京都港区の福井県の施設で行われた「越前カニ検定」(福井商工会議所主催)。「日本一高額な検定料」(3万円)とPRし、定員30人を募集したところ、首都圏などから20人が応募した。全20問は「教材をみればできる程度」(主催者)の簡単なもので、メーンは終了後に行われたパーティーだ。福井産ズワイガニのフルコース。採算はあわないが、野村有三・同商工会議所専務理事は「マーケットが大きい東京で情報発信するのが目的。これをきっかけに福井に来てもらえれば」と期待をかける。

 横浜市の会社員、井上一希さん(26)と妻梓さん(26)は「ネットで見ておもしろそうだから受けた。3万円でもいい思い出に」と話し、パーティーでは「最高」とゆでガニにしゃぶりついていた。

 こうしたご当地検定は、04年開始の「京都・観光文化検定」が毎年1万人以上受検するほどに成功したのをきっかけに地方都市関係団体が続々と参戦。日本商工会議所によると、昨年12月現在で各地の商工会議所が主催・共催するご当地検定だけで54。他に非営利組織(NPO)などによるものは推定で100以上になるが、競争激化でマンネリ化し、募集定員に満たないものも出ている。

    *

 趣味や娯楽、生活や雑学に関するテーマの検定も急増中。▽阪神タイガース▽歌舞伎▽アニメ▽子育てパパ力--などだ。中には検定会場を設けず、インターネットや携帯サイト上で実施するお手軽方式も目立つ。

 07年からの団塊世代の大量退職を背景に創設された「定年力検定」(日本定年力検定協会主催)は第二の人生設計に必要な年金、保険などを問う。過去3回で計約510人が受け約360人が合格。昨年4月に合格した神戸市の横山春夫さん(58)は日用品メーカーを退職後、陶芸品販売を始めた。「長寿社会で人の世話にならないよう元気なうちに転職した。そのため老後に備えて知識を身につけたかった」と語る。

    *

 検定の制作、実施を請け負う企業も出始めた。昨年8月に創立したNTTドコモ社内のベンチャー企業「ダイナステップ」(東京)。同社によると、受検者のキャリアアップにつながる従来型検定は敷居が高く、より気軽に受検できる形式が好まれ、目的も娯楽・趣味、企業の人材育成、ブランド・商品宣伝用など多様化しているという。寺崎元治社長は「今後はブランドを普及させる場合にイベント的に1~数回で終わらせるものも増えるだろう。市場はまだまだ拡大する」と話す。

 同社の横山達也副社長は自らが「食品生活アドバイザー」など24種に合格した「検定マニア」。受検者の心理について「合格認定カードを他人に見せる時が一番うれしい。つまりは自己顕示欲なんです」と分析する。

 ◇九州でも各地で開催

 佐賀県唐津市呼子町には「唐津・呼子イカ検定」がある。唐津観光協会や市内の飲食業組合、旅館、漁協などでつくる検定委員会が実施し、ブランド力を高めるのが狙い。昨年2月の試験は313人が受験し、「イカの心臓の数は?」(答え・三つ)などの100問に挑んだ。

 また、幕末から明治維新の町で知られる山口県萩市の「萩ものしり博士検定」▽熊本県の「熊本・観光文化検定」▽長崎県の「長崎歴史文化観光検定」▽鹿児島県の「かごしま検定」--など「ご当地検定」も九州各地で開催されている。

 「環境首都」を目指す北九州市は「北九州環境学検定」を今年6月にも実施する。市内の自然や公害対策など幅広く問う予定で、市民に環境意識を高めてもらうユニークな取り組みとして注目される。【松本光央】

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 ◇ご当地・おもしろ検定の例題や過去問題◇

 (1)阪神タイガース検定

 昭和11年に佐藤惣之助作詞、古関裕而作曲、現在「六甲おろし」で親しまれている歌が発表されたが、発表時の正式曲名は。

1頑張れタイガース 2大阪タイガースの歌 3フレーフレータイガース 4タイガース応援歌

 (2)江戸文化歴史検定2級

 商品などを買う気もなく、見るだけの客を「ひやかし」といいます。言葉の由来は、あるものをつくる職人が、工程の合間をぬって吉原をぶらぶらしたことにあります。その職人がつくっていたものは?

い今戸焼 ろ佃煮 は浅草紙 に浅草海苔

 (3)明石・タコ検定

 タコの好きな貝は?

1クボガイ 2イソシジミ 3アサリ 4ウチムラサキ

 (4)香住!カニ検定

 童話「サルカニ合戦」で、サルがカニのおにぎりと交換したものはどれか。

ア小判 イ柿の種 ウ栗 エまんじゅう

 ◇解答

 (1)2 (2)は (3)4 (4)イ

毎日新聞 2008年1月19日 西部夕刊






売られる博士号(朝日新聞2008年1月6日朝刊)

2008-01-09 09:00:56 | Weblog
静岡県立大学の小島先生の健闘もあり、非認定大学の問題が広く認識されるようになってきました。
非認定大学の学位は、健康食品販売、整体、カウンセリング、講演、等々で箔付けのためによく利用されています。
朝日新聞の記事は抑え気味ですが、この記事の裏には下記のような現実もあるということを認識しておきたいと思います。

●非認定大学の学位を持っている者には詐欺的な商売に関わっている人も少なくない。
●非認定大学の学位は、高度な研究結果が評価されたものではない。
●非認定大学の学位を示して大学教員の公募に応募し採用されても、採用を取り消される可能性が高い。

また、小島先生は学位商法の業者と全面対立をされていますが、どこかに学位商法業者の逃げ道も作ってあげたほうがよいかと思います。
逃げ道を失った業者が暴発しないとも限りませんから。


90年代はまだそれほどネットも普及しておらず、学位商法に対しての報道もほとんどなく、大学教員の募集も多かったので学位商法の需要もありました。
しかし最近は学位商法に対しての情報も増え、博士号を取得しても大学教員になることは難しくなり、偽博士号に対する需要も減りました。
このままの状態で行けば、放っておいてもイオンド大学は経営難に陥るかと思います。


<参考>
朝日新聞2008年1月6日朝刊26面
ニセモノ社会>5<
■売られる博士号
 文部科学省が昨年末、奇妙な調査結果を発表した。
 実態の伴わない博士号や修士号を発行する機関があり、そこから得た「ニセ学位」をもとに04~06年度に採用されたり昇進したりした教員が、全国4大学に4人いたという。

 社会的に通用しない学位を発行するビジネスを「学位商法」と名付けて研究してきた静岡県立大の小島茂教授によると、発行機関は少なくとも数十ヵ所ある。一つの例はイオンド大学だという。
 その日本校のホームページには「文科省の所管する大学ではない」とある。総合学部や国際関係学部のほか、未知現象研究学部や催眠学部を置く。 
 日本校を訪ねると、本部は、東京都杉並区の環状7号線沿いの雑居ビル内にあった。4階が事務所で、5階に応接室があった。
 「小島教授から誹謗中傷を浴びせられ、迷惑しているんだ」。高橋斎代表は激しい口調で切り出した。
 高橋代表らによると、日本校は99年に株式会社として設立し、籍を置く学生約100人の大半は働きながら学ぶ社会人だという。「キャリアアップを目指す社会人に門戸を開くのが狙いだ」
 学生が社会で培った経験を査定評価し、単位に置き換える。名誉学士号や名誉修士号、名誉博士号を与えているという。
 「学位商法」との非難に対し、高橋代表は「非認定校と知ったうえで学位を受けて何が悪いのか。いろんな大学の形があっていい」と話した。

 「非認定校」。この言葉には解説が必要だ。
 日本では、学位は基本的に文科省の認可した大学が発行する。米国では原則として、州当局から認証された民間団体が、学位を保証する。日米ともに、公式の認証を受けていない大学は「非認定校」として扱われ、学位に疑わしい点があるとされる。
 小島教授によると、非認定校は米国には300近くある。州が認証していない団体による「認定」をホンモノと信用させ、学位を売りさばくことが社会問題化した。「ディプロマ・ミル」「ディグリー・ミル」などと呼ばれる。「学位工場」といった意味だ。 
 日本の教育界では数年前から問題視されるようになった。
 たとえば九州産業大では昨年、博士号などを与える立場にある商学部の教授(64)が、非認定校のひとつで学位を取得していた疑いが浮上し、内部調査をした。
 大学の説明によると、この教授は、農協流通研究所主任研究員だった89年、雑誌広告で通信教育制の「クレイトン大学」を知った。3年間週1回程度、都内の日本人教官のもとへ通い、日本語で経営学の論文を書いた。授業料は年60万円。学位を得るまでに資料代を含め240万円かかった。
 農協流通研の同僚の多くが博士号を持ち、大学などの教員に転職していた。この教授は「将来に備え自分も博士号を取っておいた方がよいと思った」と説明している。
 しかし、九州産業大が米国大使館などに確かめたところ、クレイトン大学は米国で非認定校として扱われていた。
 考古学が専門の早大客員教授(64)の場合、同大の助教授だった1995年、パシフィック・ウエスタン大学」の博士号を取得した。長く非認定校と気づかなかったという。「当時は英語の論文力を試したかった。学費を30万円ほど納め、論文審査を受けた。インチキとか学位を金で買ったとか疑いもしなかった」

 米国では、学位論文やリポート類に他人の書いたものを盗用する「ニセ論文」も横行している。
 盗用の有無を自動探知する事業を始めたジョン・ベリー氏によると、盗用かどうかの問い合わせは、日本を含む約90カ国から1日平均12万5千件寄せられる。
 全文の25%以上に「他人の文章」を含むものをニセ論文とすると、その数は約3割に上るという。「学位を勝手にプリントアウトしているようなものだよ」とベリー氏は話す。
 学位は、中世ヨーロッパの大学における教授職の資格が起源とされる。
 「日本では90年代、大学院の充実を図ろうとしたことから、学位の氾濫が始まった。
 学位を持っていることが当然になり、学位を出す側の教員が博士号や修士号を持っていないと、周囲は認めてくれなくなった」
 札幌学院大の佐々木冠准教授は、学位商法の横行をそう分析する。佐々木氏は昨年、この問題をゼミで取り上げた。安易に学位が取れることがどういうことか学生たちに考えてほしかった。
 「カタカナ名だと外国のちゃんとした大学と思われがちで、人物を見ない傾向がある」「ニセ学位は、何でもお金で買える風潮を反映している」。学生からはそんな反応が返ってきた。(松永住伸、田中久稔)


ニセ学位を利用した大学教員が全国で48人

2007-12-27 22:12:29 | Weblog
読売新聞にこのような記事がありました。
文部科学省による今年夏の調査によれば、全国で48人の大学教員がニセの学位をプロフィールに使用していたとこのこと。
厳密な調査をすれば、もっと多い数になるかもしれません。

大学教員を採用するとき、博士号保持者であることを条件にしている学校も多いので、つい外国の実体のない大学から博士号をもらうこともあったのでしょう。

ニセ学位、ディプロマ・ミルについては静岡県立大学の小島茂教授が詳細な研究をされています。
・学歴汚染
http://degreemill.exblog.jp/



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071227-00000014-yom-soci
■採用・昇進にニセ学位、全国で大学教員48人が利用
12月27日21時19分配信 読売新聞

 大学を名乗る海外の団体から授与された博士号などのニセの学位を、大学の採用や昇進の際に利用した大学教員が全国で48人に上ることが27日、文部科学省の調査でわかった。

 同省では、「大学の信頼低下につながる」として、各大学に厳正な対応を求めた。

 調査は、国公私立すべての大学を対象に、今年7~9月に実施。アメリカ、中国、イギリス、オーストラリアに所在地を設定しているが、それぞれの国から大学と認定されていない団体から授与された“学位”の実態について調べた。

 その結果、こうしたニセ学位を、採用や昇進の際の審査書類に書いていた大学教員は43校48人(国立は7校8人)。このうち、ニセ学位を持っていることが直接的な判断材料となり採用・昇進につながった教員も4校4人いた。多くは、大学の冊子やホームページにニセ学位を記載していた。

最終更新:12月27日21時19分

※Webには以上の内容しか記述がありませんが、本紙にはさらに次のような記述があります。

 同省などによると、こうした団体は、教育活動の実態がなく、学位を数十万円程度で売買していることから、「ディグリーミル(学位工場)」と呼ばれている。博士号が取得しにくい文系の教授などが購入するケースも少なくないという。
 国内でも、早稲田大学の元教授が、今春の定年退職まで同大の教員データベースに、アメリカの実態不明の大学の博士号を経歴として記載していた。



デューク更家さんの体育学博士号について

2007-11-23 15:31:23 | Weblog
隔週刊の日経アソシエに、デューク更家さんの記事が出ています。
(11/20発売「日経ビジネスAssocie」12/4号)

電車の中吊り広告にも、「ウォーキングドクター」の表現が確認できます。

少し調べてみると、公的な会社や大学のサイトでも、デューク更家さんの博士号について言及されてあるものがありました。

小島茂教授やメアリー加藤氏が精力的に発言されてきたことで、ニセ学位、ディプロマミルの信頼性の低さがよく知られるようになってきましたが、まだ「認定されていない大学による博士号」「厳密な論文審査を経ていない博士号」「日本文化振興会による社会文化功労賞」などを正当なものと誤認している方がいらっしゃるようです。

認定されていない大学の発行している博士号は、正当な学位ではありません。
信頼性や権威を獲得するために安易にニセ学位やニセ賞を得ることは虚飾であり、長い目で見れば逆に信頼性を落とすことになるので、注意が必要です。


■しずおか信用金庫
>http://www.shinkin.co.jp/shizuoka/14_other/22_osirase.html
>しずおか信用金庫のCSR「くらし、かがやく。」プロジェクトについて
>平成18年7月10日
>
>しずおか信用金庫では、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、新たに
>下記の活動を行なうとともに、これまで実施している社会貢献活動を「安心」、
>「安全」、「健康・福祉」、「人づくり・まちづくり・モノづくり」の4分野7項目に
>体系化し、しずおか信用金庫のイメージを統合化した「くらし、かがやく。」
>プロジェクトとして取り組みます。
>
>(3)「健康・福祉」プロジェクト
>
>New③ 健康講演会(無料)の開催「テーマ:自分の足で生きる人生の喜び」
>11/9(木)14:00~90分/会場:静岡市民文化会館大ホール
>講師:ウォーキングドクター・体育学博士「デューク更家」氏


>■大阪経済大学
>http://www.osaka-ue.ac.jp/news/keiei06.html
>本学卒業生・ デューク更家氏、2006年4月より経営学部客員教授に就任
>
> 大阪経済大学経営学部は、ウォーキングドクター デューク更家氏に経営学部
>客員教授として就任いただくことを決定いたしました。
> 任期は2006年4月1日~2007年3月31日。
> 同氏は本学経営学部を1978年3月に卒業され、在学中はバスケットボール部に
>所属されていました。
> 現在は、テレビ等でもおなじみの通り、ウォーキングドクターとして活躍され
>ています。同時に、全国で多数のインストラクターを養成するとともに、多くの
>セラピスト・スタイリストを育成されています。
>
>デューク更家氏
> 同氏はニューヨーク国際学士院より体育学博士号「Doctor of physical
>education」を取得され、 また平成14年下半期の「社会文化功労賞」を日本文化
>振興会より授与されておられます。
>
> 2004年5月27日(金)には本学において「美しく健康に歩くセミナー」を講演し
>ていただきました。著書・講演は多数で、大手企業での講師、カルチャースクー
>ルや企業研修のセミナーのプロデュースも手掛けておられます。



<参考>

・小島茂静岡県立大学教授「学歴汚染」
http://degreemill.exblog.jp/5120741/

・メアリー加藤氏による「米国大学(院)学位商法」の危険性
(国際学士院大学についての記述もあります)
http://www.news.janjan.jp/world/0608/0608260132/1.php


・日本文化振興会について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%87%E5%8C%96%E6%8C%AF%E8%88%88%E4%BC%9A
・国際学士院大学について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AD%A6%E5%A3%AB%E9%99%A2%E5%A4%A7%E5%AD%A6
・社会文化功労賞について
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%96%87%E5%8C%96%E5%8A%9F%E5%8A%B4%E8%B3%9E


関係図
http://khon.at.infoseek.co.jp/soshiki/koro.html

                    | --- 新日本美術院
                    |
                    | --- 世界婦人平和促進財団
                    |
世界平和文化連合 --- 日本文化振興会 --- | --- 世界宗教法王庁
                    |
                    | --- 国際学士院大学
                    |
                    | --- 国際芸術新聞社

心理臨床家 福井尚和博士

2007-09-20 18:31:27 | Weblog
すこし古い本ですが、「マスコミ電話帳2004」という本の「学術・研究家|文学/心理学」の項目に次のような広告が顔写真入りで掲載されていました。

※「マスコミ電話帳2004」(株)宣伝会議発行 p595掲載の広告
――――――――――――――――――――――――――――――――――
心理臨床家 福井 尚和 (ふくい よしたか)
『心理テスト』『精神分析』『犯罪心理学』『被害者学』『青少年や子どもの心理』
等についてのコメントには定評があり、ニュース番組やバラエティー番組等で活躍中!

Ph.D(人間科学博士) Honolulu University
臨床心理カウンセラー
NPO法人日本臨床心理カウンセリング協会 理事
日本カウンセラー学院 主席講師
日本精神分析学会 正会員
(社)日本心身医学会 正会員
日本家族研究・家族療法学会 正会員

著書:集英社be文庫より『生きるのがラクになる「新エゴグラム」』その他多数

連絡先:日本カウンセラー学院 〒160-0015東京都新宿区大京町20-3レスパス四谷三丁目1階
   TEL 03-3359-4941 FAX 03-3359-4852
   福井尚和オフィシャルホームページ: www.yoshitaka-fukui.com

――――――――――――――――――――――――――――――――――

博士号も持ち、肩書きも多く、人気のある立派な心理学専門家であると感じる人も多いでしょう。
ただ、少しディプロマミルの問題(非認定大学による安易な学位発行)に興味のある人にとっては、ホノルル大学というのは非常に有名な存在です。

ホノルル大学は「法の華三法行」で問題になった福永法源氏にも博士号を発行しています。
代表的なディプロマミルの一つです。

※ホノルル大学について、Wikipediaでの説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%AB%E5%A4%A7%E5%AD%A6

福井尚和氏のオフィシャルページを見てみると、ホノルル大学の名前は出さなくなっているようですが、いまだに「人間科学博士」を名乗っています。
非認定大学が形式的な論文審査などによって発行する博士号は、任意団体や資格スクールなどが発行する独自資格や認定と同じく、信頼性に問題があります。


福井尚和氏は、1972年生まれながら、1994年には「日本臨床催眠心理学協会」を作り、初代理事長になっています。(現在は理事)
1995年に日本臨床催眠心理学協会附属学院を創立し、その後日本カウンセラー学院を創設。
2002年には「日本臨床催眠心理学協会」は「NPO法人日本臨床心理カウンセリング協会」と名称を変えています。
日本臨床心理カウンセリング協会では「認定臨床心理療法士」「認定臨床心理カウンセラー」「フラワーサイコセラピスト」などの資格を認定していますが、心理学やカウンセリングの世界では評価されていません。
カイロプラクティック関係の各種民間資格と同じく、公式サイトでも「内閣府認証」と書いていますが、資格を認定しているNPO法人の設立を内閣府が認証しているだけで、内閣府は資格の信頼性を保障していないのです。
カウンセラーの世界も玉石混交、魑魅魍魎の世界です。

「日本精神分析学会」「日本心身医学会」「日本家族研究・家族療法学会」は専門家、学者のための正式な学会です。入会希望者が一定条件を満たしている場合、入会を拒むことはむずかしいので、カウンセリング業界で信頼性のある資格や経歴を持たない人は、さまざまな学会に加入しプロフィールに書き加えることによって、信頼性が高いように見せようとする傾向があります。
学会の年会費を払っても、十分に箔付け効果はあるのです。
(福井氏は真摯に学問的に研究されているのかもしれませんが、臨床心理士などの資格を持たない多くのカウンセラーが、何々学会や何々協会に所属しているというプロフィールを公開しています)

また、著書多数と書いてありますが、監修や共著ではない、書店で買える本は1冊だけのようです。


ディプロマミルで博士号を取得した福井氏の実際の学歴はどのようなものなのでしょうか。
どこの学校で何を専攻されたのでしょうか。なぜ、隠す必要があるのでしょうか。
ぜひ、明らかにしていただきたいものです。

精力的に活動されている福井氏ですが、せっかく事業家として、カウンセラーとして、築いた存在感も、偽学位、エセ学位とも言われるホノルル大学の博士号を名乗ったと同時に、業績に疑いの目を向けられてしまいます。

マスコミ関係者も、ディプロマミルで博士号を取得した人を取り上げる際は注意が必要です。


<参考>
あおきやすてる氏のブログには以下のような記述がありました。
http://www.solutionfocus.jp/_sonomama/sonomama.cgi?DATE=200508?MODE=MONTH
2005年08月31日(水)  弟子
福井尚和さん。僕の弟子・・・いや、正確に言うと、彼が一方的に僕を師匠と呼んでくれている。もう10年近く前になるが、彼とNLPの個人セッションを数回やらせてもらった。当時彼はカウンセラーの専門学校をたちあげて、自分もセラピストとして活躍していた。
(略)
ここでは紹介できないが、彼のたちあげたビジネスは今さらにステップアップして行く段階らしい。「弟子」の発展はうれしいもんだ。

※NLPとは
http://www.nlplearning.jp/how_to_nlp/how_to_nlp.html
NLPは戦略的コミュニケーションの方法と言われ、効果的なコミュニケーションの方法として知られていますが、目標達成の手法としても極めてパワフルです。
「個人の夢実現」「クライアント・部下・生徒・家族の目標達成のサポート」など様々な場面で効果を発揮します。

※あおきやすてる氏について
http://www.four-compass.com/coach.htm
青木安輝(あおき やすてる)
東京大学文学部社会学専修過程修了。11年間自己への気づきとコミュニケーションを扱うセミナーの講師として活躍。NLPマスタープラクティショナー資格取得後、1994年にNLPジャパンを設立。コミュニケーションの活性化、メンタルヘルス等の領域において企業研修で高い評価を受ける。


「忠臣蔵通検定」と「忠臣蔵検定」

2007-09-07 12:59:40 | Weblog
「忠臣蔵検定」という検定がはじまると、神戸新聞に記事が掲載されていました。
しかし、すでに忠臣蔵に関しては「忠臣蔵通検定」というものがあります。

赤穂義士会は中央義士会の下部団体と認識されていますが、
今回赤穂義士会と中央義士会の間で調整は行われなかったのでしょうか。

混乱をきたすおそれがあるので説明が待たれます。


忠臣蔵通検定(財団法人 中央義士会) 
忠臣蔵検定 (赤穂義士会)


■忠臣蔵検定についての記事
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000603715.shtml
「忠臣蔵検定」赤穂で12月実施 義士にちなみ47問
2007/09/07

 ご当地検定がブームとなる中、忠臣蔵のふるさと・赤穂市で十二月二日、初の「赤穂『忠臣蔵』検定」が実施される。今まで本や映画、歌舞伎などで幾度となく取り上げられている題材だが、主催の赤穂義士会は「専門的な知識を求めるより、忠臣蔵を愛する人が気軽に楽しめる検定にしたい」としている。

 忠臣蔵への理解や愛着を深めてもらい、赤穂の観光振興につなげよう-と、同会が今年春から計画していた。

 出題は、四十七士にちなみ四十七問。市文化振興財団発行の小中学生用の副読本「赤穂義士物語」「赤穂義士を考える」に沿って、赤穂事件の史実を中心とした基本的な知識を択一式と記述式で問う。八十点以上が合格で、合格証と合格記念品を贈る。

 試験は十二月二日午前十-十一時、関西福祉大学(赤穂市新田)。小学五年生以上が対象で、定員は小中学生各五十人、高校生以上二百人。受験料は小学生五百円、中学生千円、高校生以上三千円。

 申し込みは十月一日-十一月十五日、氏名、年齢・学年、住所、電話番号を明記し、現金書留か郵便小為替で、〒678-0233 赤穂市加里屋中洲三ノ五六、赤穂市教育委員会市史編さん室担当へ。直接持参も可。

 同事務局TEL0791・43・6848

(山本哲志)



■忠臣蔵通検定について
http://www.12-14.jp/shiken%20youkou.htm

第三回忠臣蔵通検定試験 受検要項
●試験日 2007年11月25日(日)
●受検申込み受付期間 随時~11月18日(日)
●受検料 10,000円(税込)  第1回、第2回の検定試験を受験された方は、5,000円
●試験会場 東京都高輪、その他各地(詳しくは、「8.検定試験の実施」の項目をご確認下さい。)

1.検定試験趣旨
  日本の精神的文化の財産である元禄赤穂事件の史実を広める。
2.試験実施機関
  忠臣蔵通検定試験は(財)中央義士会が行い、その実際の試験業務は忠臣蔵博士試験委員会がその任にあたります。
3.等級区分
  1級は、忠臣蔵博士試験を指します。
  2級は、忠臣蔵通検定試験を指します。
4.受検資格
  <1級> 中央義士会会員のみに受検資格があります。
  <2級> 一般にどなたも受検できます。
  (第3回忠臣蔵通検定試験は2級のみとなります。)
5.検定内容
  <1級> 既に「忠臣蔵博士試験」として4回実施
  <2級> 出題方式及び出題数は四択式(一部記述式あり)50問、解答時間は1時間半(参考書持込み禁止)


カウンセラーの資格について

2007-08-24 19:42:56 | Weblog
カウンセラーに関する資格は国家資格がありません。
臨床心理士の資格は比較的信頼されていますが、何の資格も持たない人がカウンセリングルームを開業しても違法にはなりません。
現在、多くのカウンセラーの技量にかなりばらつきがある状態です。

カウンセラーのことを信頼してカウンセリングルームに足を運ぶ人も多いのですが、そのカウンセラーがどのような学問的背景を持っているのか、確認しておいたほうが良いでしょう。

大学できちんと心理学や精神分析学を学んだカウンセラーは少数派です。
社会人になった後、学校(学校法人ではない、塾や講座のこうなものです)に通って各団体が認定する独自の資格を取得している場合が多いのです。
学校もきちんとカウンセリングを行うレベルに達する教育を行っているのか、疑わしい場合があります。

心の問題に興味がある人がカウンセラーになることが多いわけですが、スピリチュアルなことに関心があるカウンセラーも少なくありません。
心理学や精神医学についての精密な知識が少なく、そのかわりに安易な疑似科学のような一般に認められていない説を持ち出して説明を試みようとする場合があります。

先日少しお話しする機会があったあるカウンセラーは、「産業カウンセラー」「心理療術師」「ホリスティックライフコーディネーター」という資格を名乗っていました。
聞きなれない心理療術師という資格は、東京療術学院という学校(学校法人ではありません)の修了者がもらえる資格です。
このカウンセラーの方も東京療術学院出身で1~2年学んだと思われます。
大学で心理学関係のことは学んでいないはずです。

また、「産業カウンセラー」というと信頼度が高そうですが、産業医と異なり、ある団体の実施する民間資格です。しかも産業カウンセラーは初級資格であり、シニア産業カウンセラーよりも簡単に取得できます。
「ホリスティックライフコーディネーター」という資格は、実態が把握できません。実施団体と思われるNPO法人のサイトを見ても資格についての記述がありません。

このカウンセラーの方はある企業でメンタルヘルスケアに関するセミナーが行われた時、「深層意識は、第三者に影響を及ぼすことがある」というような発言を行いました。
カウンセリングルームの院長レベルの人でも、きちんとした科学的知識を持たず、あやしげな論理を述べることがあります。
「無意識に願ったことが現実世界に影響を及ぼすことがある。目に見えない小さな世界では、そういうこともあるということが量子力学の世界でも解明されている。免疫学の世界でもそうだ」などといったことを言いました。
疑似科学のような内容です。

心理学者や免疫学者がそのように記述した書籍があるなら教えてくれるようにと依頼した人がいましたが、後日そのような書籍はなかったとの返事が来たそうです。
セミナーではちょっと難しそうな言葉でもっともらしく説明しようとしていましたが、少しでも物理学や心理学を学んだ人から見れば明らかに用語の使い方がおかしいとわかります。科学的な理論を正確に把握せず、自分に都合の良いように、何も知らない人を煙に巻くために用語を乱用しています。
ただ、そのような知識のない人は、感心して聴き入ってしまうかもしれません。

カウンセラーは一種、教祖のような立場にもなりかねない人です。
全幅の信頼を寄せてくれる人がいるわけですから。

だからこそ、きちんとカウンセラーを見分けることは大切ですし、カウンセラーに関する資格を整備する必要があるのではないでしょうか。
カイロプラクティックと同じく、さまざまな団体や官公庁などの利害がからみ、なかなか整備されないのですが、まずは自分たちできちんと情報を収集する必要があります。

各カウンセラーの資格の内容や問題点については、また別の機会に述べたいと思います。


カウンセリング関係の主な資格
 認定カウンセラー
 家族相談士
 産業カウンセラー
 教育カウンセラー
 認定心理士
 学校心理士
 臨床心理士
 プロカウンセラー



資格検定実施団体を調査する民間評価機関の必要性

2007-08-08 21:18:59 | Weblog
各種の資格検定ガイドブックは資格検定実施団体の主張をうのみにしていることが多く、独自の調査も散発的なものとなっており、客観的な評価機関とはなっていません。
また、各省庁もさまざまな資格検定実施団体と利害関係にあるので、調査や指導に関しての動きが鈍くなっています。

資格検定の業界では、法律が整備されていないことを隠れ蓑に、あやしげな活動を行っている団体もあります。
人々が不利益をこうむることがないように、私たちは各資格検定実施団体や資格取得のための養成機関や学校を調査し、正確な情報を提供することを目指しています。

NPOを設立するか、ある教育系財団法人の一部門として発足するか、会社の一部門として始めるか、といったことはまだ検討中ですが、イメージとしては、アメリカの大学に対して調査や評価を行っている民間適格認定機関(アクレディテーション機関)を参考にしたいと思っています。



<参考>
★民間団体であるアクレディテーション機関によるアクレディテーション(適格認定)についてhttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/002/011001/shi3_4.htm

★アメリカ教育省が公認した民間の認可団体(accrediting agencies)による大学教育の質の保証について
http://www.adiabatic.org/IP/study/misc/102.htm


カイロプラクティックカレッジと第三者機関

2007-08-08 19:43:21 | Weblog
日本では、カレッジやユニバーシティを名乗る、大学ではない学校が多数存在します。
専門学校や塾や、パソコンスクールや通信教材にも何々カレッジという名称はみられます。

全国にある「ビジネスカレッジ」は主に専門学校です。
例えば、東京国際ビジネスカレッジは TOKYO INTERNATIONAL BUSINESS COLLEGE を英文表記として採用していますが、専門学校であれば Professional Training College と表記したほうが適切です。
東京国際ビジネスカレッジでは外国人向けサイトの中で、「TIBCは教育関係の省から認められた専門学校です」と補足説明を入れています(TIBC is a Professional Training College approved by the Ministry of Education)。

また、カイロプラクティックの業界では、2008年3月で休校することを公表した日本カイロプラクティックカレッジのほかにも、下記のようなさまざまな「カレッジ」があります。

 国際カイロプラクティックカレッジ
 東洋カイロプラクティックカレッジ
 TBNカイロプラクティックカレッジ
 日本カイロプラクティック 医科ユニバーシティ
 ユニバーサルカイロプラクティックカレッジ
 TBカイロプラクティックカレッジ、など

しかしどれも大学や専門学校ではありませんし、学校法人でもありません。
これらの学校は文部科学省や厚生労働省のチェックを受けることなく、独自のカリキュラムで教育を行っていますが、すべての学校で、世界保健機関(WHO)の認めるレベルの教育は行われていません。
カイロプラクティックが日本の法律では管理されていないので、法律の盲点を突いたかのような存在となっているのです。

日本の大学や専門学校は文部科学省がきちんと管理指導していますが、カイロプラクティックカレッジは管理されていません。
きちんと調査や評価を行う第三者機関もない状態です。

アメリカ合衆国では簡単に大学を設立することができますが、第三者機関によって調査や評価が行われ、高等教育に値しない教育内容の学校には「非認定」の評価が行われるので、信頼を得ることができないと存続が難しくなります。

日本の資格検定を実施している団体や学校も、第三者による評価が必要ではないでしょうか。


韓国における「学位偽造講師」捜査について

2007-08-06 18:49:24 | Weblog
韓国の新聞で、本日次のような報道がありました。
韓国ではテレビにでも出ていた人気英語講師や人気学芸員がイギリスやアメリカの大学を出ていたと経歴を詐称していたことが明らかになり、問題となっています。
日本でも大学や短大の教官だけではなく、塾講師やカルチャーセンター講師の詐称も明らかになってきています。
大学や短大では調査が始まりましたが塾やカルチャーセンターではまだ手つかずの状態です。
たとえば、朝日新聞社の100%子会社である朝日カルチャーセンターも、講師が「国立ミンダナオ大学名誉教授」を名乗ることの是非を調査されてはいかがでしょうか。


http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2007080603568
■「学位偽造の講師」捜査拡大…全国の学院が動揺
東亜日報 AUGUST 06, 2007 03:04

ソウルから始まった学院(日本の塾)の講師たちの学位偽造についての警察捜査と教育庁の調査が釜山(ブサン)と大田(テジョン)などに拡がっている。

釜山地方警察庁は、釜山市教育庁とともに釜山市内の各学院を対象に、講師たちの最終学歴証明書を収集し確認作業を行うなど本格的な捜査に着手した、と5日明らかにした。

警察は特に、外国大学で学位を取得した海外留学派や外国人講師たちに対しては出入国管理事務所を通じ、大学在学期間中の出入国関連事実を調査することにした。

釜山市教育庁は、警察の捜査結果と独自の調査などで、偽造学歴の講師を採用した事実が明らかになる場合、休院など強力な行政処分を下すことにした。

大田市教育庁も、大田市内の2000個余りの学院のうち、いわゆる「一流大学」出身と明らかにした講師たちの名簿を把握し、当該大学に卒業事実の可否を確認することにした。

また、これまでチラシなどを通じ過大な虚偽広告をしてきたという疑惑が持たれている一部学院に対しては職員たちを直接投入し詳細な調査を行うことにした。

▲常習的な学位偽造〓ソウル松坡警察では同日「先週、摘発された学院の講師31人のうち、2人は学位の偽造で摘発された前科があった」と明らかにした。

警察によれば、江南区道谷洞(カンナムグ・トゴクドン)のある学院で講義をしてきた李某氏(33、女)は1995年にソウル市内の有名大学の会計学科を卒業したかのように学位を偽造し講義をしてきたが摘発され150万ウォンの罰金刑を受けた。

また、江南区大峙洞(デチドン)で数学講師で活動してきた金某氏(35)も2年前に学位偽造の疑いで摘発され、起訴猶予処分を受けたことが確認された。

警察関係者は「一部学院の場合、学院長が講師たちに学位を偽造するようにしたという情報提供があり調査している」とし「学院長に対しても調査を行う」と明らかにした。

▲学院たち戦々恐々〓警察の捜査が本格化するにつれ学院街は大きく揺れている。

多くの学院は所属講師たちの学歴を独自に調査する一方、しばらく新規の講師採用は最大限減らすという方針を立てたとのことだ。

ソウル江南のある大型有名学院の関係者は「講師たちが卒業証明書を提出した大学に一々確認の要請をしておいた状態」とし「しかし、大学が個人情報の保護を理由に拒否する場合が多くて検証が難しい」と訴えた。

陽川区木洞(ヤンチョング・モクドン)のある補習学院の関係者も「新しく採用した講師たちの卒業証明書を例年に比べて几帳面にチェックしている」とし「しかし講師たちが意図的に偽造学位を提出すれば適切に検証する方法がない」と話した。

父兄や学生たちも困っているのは同じだ。高校3年の受験生を抱えている父兄の李ジョンエ氏(40、ソウル江南区道谷洞)は、「学歴よりは実力を信じて学院に行かせるが、率直に学歴を偽造した講師をどう信じて子たちを任せるのか」とし「もう修学能力試験日を100日余りを残している中、子供が動搖するのではないかと心配」と話した。