今夜は森のホールへ「藤原真理 チェロリサイタル2007」を夫婦で聴きに行った。「結婚記念週間」の最後のイベントである(笑)。
残念ながら,売り切れ間際の予約であったため前方の席が取れず,中央後より右側という,音響的には良いけれどチェロの観察には絶望的な席であった。(大石さん,すみません。)
初めて見る藤原さんは思っていたより小柄な方でチェロが大きく見える。が,演奏に入ると俄然存在感を示します。驚いたのは,右手の柔らかいこと。ボーイングがスムーズでありながら切れもある(あ,これ,クリーゲルのときと一緒かな(笑))。チェロから発する音は実に柔らかく,ウォームなトーンで会場を包み込む。
曲目は,チェリストにはお馴染みの曲ばかり。副題にあるとおりチェロによる名曲の旅。せっかくだから,もう少し「重い」曲を聴きたいとも思うが,こういう一般的名曲を生でまとめて聴く機会があるかというとそうではないし,チェリストの声も聞けた(トーク付き)のだから貴重な機会ではあった。(CDも2枚買いました(笑))
最初のプレリュードは16分音符8つを1ボーイングで弾くいていた。古楽ではやらない運弓だけれど,スズキではこれで習った。現代のチェロで弾く場合はオリジナルのフレージングで弾くよりもまとめて弾いた方が柔らかくて当時の音に近いのではないかと私も思う。最初の4つを長く使い,次の4つを弓の先(あるいは元)4分の1くらいで弾いていた。文句のつけようがない立派な演奏だった。
後半の名曲集はボーイングやシフティングで大変参考になった。これもクリーゲルのときに書いたが,弓を駒の遠近により使い分けて音の大小を作っている。あらゆる技術を駆使して楽器から様々な音色を引き出しているように見えた。
「超」名曲を並べても演奏は十分に美しく,彼女の力量を感じさせられた松戸の一夜であった。
(写真は会場,森のホール21エントランスの夜景)
■藤原真理 チェロリサイタル2007:チェロで巡る世界名曲の旅
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード/グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調op.36/ヘンデル:ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)/フォーレ:エレジー/サン=サーンス:白鳥/シューマン:トロイメライ/チャイコフスキー:感傷的なワルツ/ドヴォルザーク:わが母の教えたまいし歌/エルガー:愛の挨拶/R.シュトラウス:トロイメライ
ピアノ伴奏:倉戸テル
日時: 平成19年10月25日(木) 19:00~20:30
場所: 松戸森のホール21小ホール
残念ながら,売り切れ間際の予約であったため前方の席が取れず,中央後より右側という,音響的には良いけれどチェロの観察には絶望的な席であった。(大石さん,すみません。)
初めて見る藤原さんは思っていたより小柄な方でチェロが大きく見える。が,演奏に入ると俄然存在感を示します。驚いたのは,右手の柔らかいこと。ボーイングがスムーズでありながら切れもある(あ,これ,クリーゲルのときと一緒かな(笑))。チェロから発する音は実に柔らかく,ウォームなトーンで会場を包み込む。
曲目は,チェリストにはお馴染みの曲ばかり。副題にあるとおりチェロによる名曲の旅。せっかくだから,もう少し「重い」曲を聴きたいとも思うが,こういう一般的名曲を生でまとめて聴く機会があるかというとそうではないし,チェリストの声も聞けた(トーク付き)のだから貴重な機会ではあった。(CDも2枚買いました(笑))
最初のプレリュードは16分音符8つを1ボーイングで弾くいていた。古楽ではやらない運弓だけれど,スズキではこれで習った。現代のチェロで弾く場合はオリジナルのフレージングで弾くよりもまとめて弾いた方が柔らかくて当時の音に近いのではないかと私も思う。最初の4つを長く使い,次の4つを弓の先(あるいは元)4分の1くらいで弾いていた。文句のつけようがない立派な演奏だった。
後半の名曲集はボーイングやシフティングで大変参考になった。これもクリーゲルのときに書いたが,弓を駒の遠近により使い分けて音の大小を作っている。あらゆる技術を駆使して楽器から様々な音色を引き出しているように見えた。
「超」名曲を並べても演奏は十分に美しく,彼女の力量を感じさせられた松戸の一夜であった。
(写真は会場,森のホール21エントランスの夜景)
■藤原真理 チェロリサイタル2007:チェロで巡る世界名曲の旅
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード/グリーグ:チェロ・ソナタ イ短調op.36/ヘンデル:ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)/フォーレ:エレジー/サン=サーンス:白鳥/シューマン:トロイメライ/チャイコフスキー:感傷的なワルツ/ドヴォルザーク:わが母の教えたまいし歌/エルガー:愛の挨拶/R.シュトラウス:トロイメライ
ピアノ伴奏:倉戸テル
日時: 平成19年10月25日(木) 19:00~20:30
場所: 松戸森のホール21小ホール
Mariさん、いいでしょう? わたしも初めて、見たとき
小柄だったので、意外だったのですが、無料のコンサートを3回ほど晴海にいったとき、目の前で聞いたのですが、技術のすごさと、手首のしなり、左手の柔らかいシフト、総ヤーガーのやさしい音、Andrea Guarneriの深い音、などなど大変感動しました。エルガーのAmore de saluteは、18番らしく、Elegantです。斉藤秀雄先生の講義録(音楽の友)を読みますと真理さんの記述があり、学生のころ、教師だあった堤剛さん、洸さんが、小さい手のひらをみながら、なぜ、小指から、人差し指のシフトができないのかな?といびられた。と語っています。練習の賜物なのです。また、真理さんのお父さんは、Celloに入れ込み、大阪の会社をやめ、東京に引越し、家を桐朋の前に購入し、娘を通わせ、更に、晩年、Celloの楽器商になり、娘のCelloをLondonからしいれたほどの情熱家です。コンサートに足を運ぶと、娘は、いま、父に恩返しをしているようにも感じます。
いいですね。
さて、Steven Isserlisからメールの回答が来ました。私も聞いたことが無いと思いましたが、やはり双でした。Prokofievの小曲です。以下のようなメールです。やはり彼は、親切で、人間もElegantですね。きっと誰に対してもこうなのでしょうね。素晴らしいです。
Many thanks for coming, Mike!
Encore was Prokofiev's March
from Music for Children, arr by
Piatigorsky.
All best wishes to you from Steven
そうそう、MariさんのBowingを見ていて、大変、参考になったのは、Forte(駒から2-3cm)の時のこする位置と、Pianissimo(駒から10CMから指晩の領域まで)の時のこする位置の違いです、それが、UP BOWであれ、DOWN BOWであれ、正確にその軌道をBOWINGしているのです。
また、Mari-sanの弓は、Isserlisと同じくTorteです.
クレモナの楽器製作者(松下さん)に聞いたのですが、500万円ほどしたとのことです。
やはり、全ての面において、前向きで、抜かりがないのです。OCS-海外普及新聞の記事で、真理さんがでていましたが、いまでもFITNESSに週3回は、行って、指先や、腕の筋肉トレーニングをしているそうです。
以上
大石
ナイス・フォローありがとうございます。
藤原さんはあの細い腕で豊かな音をものにするのですから素晴らしい。ここにしかない,という神様が定めた軌道を弓が走るときの神々しさ。おっとっと,誉めすぎか(笑)。
その弓が500万ですかあ。素晴らしいわけですねえ。。。(黙)
演奏中の彼女からは情熱を感じました。もともとチャーミングな方なのに弾いているときは一瞬ベートーベンのように(失礼)見えました(笑)。
sugiiさん,ぜひぜひ,彼女のグアルネリの柔らかくて豊かな音色に包まれてきてくださいね。おたのしみに。
イッサーリスの優しさは音楽にも出ていますね。デリケートで知的な音楽は彼の本領でしょう。
藤原さんは(「も」かも知れないが)とても自然にチェロを弾きますね。けれどもボーイングは鋭い。速い全弓でも音が柔らかい。真似だけでもしたい(笑)。
ショパンのチェロソナタのCD,会場で買いました。1991年の録音。写真が「若い」(笑)。