URANOで開催中の
今年のヴェネツィアビエンナーレ日本館のアーティストで、国内の各地の芸術祭などにも参加されている岩崎さん。
URANOの入り口にはカーテンが下されていて、あれ？休廊？！なんてちょっと不安になってしまいますが、中に入ってみると、中にはとてと静かな作品だけの風景が広がっていました。
黒くて、星空みたいな幻想的な空間で、唯一輝く東京タワー。
パネルと壁に描かれた、星空だと思ってた風景をよく見てみると、そこに描かれているものは実は星ではなく…
そんなところから展示のテーマに気づくと、”幻想的”だと思ってた風景の見え方が変わってきます。
驚いたのは、アウト・オブ・ディスオーダーシリーズの新しい試み。
これまでに岩崎さんは、歯ブラシやタオルの繊維を接着剤で固めて鉄塔などの構造物の作品を制作されていましたが、繊維で作られた鉄塔がフレームの中に入れられることで、これまでになかった電線のある風景と、壁に映し出されるその影。いろんな質感の布が積層された地面…と、これまでの作品にはなかった世界が展開されていました。
岩崎さんの作品は、巨大なものをミニチュアで表現されたり、硬いものが柔らかいもので表現されていたりといったモチーフの中の相反する性質だったり、その細かさについ目を取られてしまいますが、これまでにもエネルギー問題などが表現されていたりするんですよね。
そんななかでも今回は、会場全体の異なる（そして新しい）シリーズで、一貫したテーマで、一つの大きな町のような風景が構成されていて、とても印象的な展示でした。
ちなみに、terrada art complexには、5Fにもひっそりと岩崎貴宏さんの作品が置かれていました。こちらは今回の展示とは異なるカラフルな作品で、こちらでも違った世界を楽しむことができました。
岩崎貴宏「ひかりは星からできている」は、11月25日（土）までです。
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■DATA
会期：2017年10月21日〜11月25日
時間：11:00〜18:00 （金〜20:00）
休館日：日、月、祝
※10月22日はトークイベントのため特別開廊（11:00〜18:00）
本展出品予定の「アウト・オブ・ディスオーダー」シリーズは、日本辺境の洋上で海底のガスを採掘する光景をモチーフにしたもの。東アジアの海底資産をめぐる争いを背景に制作された作品だが、同時に表現においては日本の文化における中国の影響を思い起こさせるものとなっている。構成は京都・龍安寺の枯山水から引用され、黒いプラスチックだけで構成された風景は山水画を想像させる。
