
■ アートとテクノロジーの融合を楽しむ 旧美和中学校。
ー海編(北側)ー につづいて、2日目は山側へ。

山側も北は観光名所の袋田の滝など、福島や栃木の県境の近くまで展示がありますが、今回は常陸大宮までしか回ることができませんでした(^_^;
まずは山に囲まれた旧美和中学校へ。こちらの会場のユニークなところは、もともとの学校の部屋に合わせたコンセプトの作品が展示されているところ。

例えば、理科室が…!

そして、校長室が…!

なかでも面白かったのは、”現代の魔法使い”こと筑波大学・落合陽一先生の「コロイドディスプレイ」。しゃぼんの膜を超音波で振動させると、プロジェクターからの光が正反射になる角度ではっきりと浮かび上がります。

(6つのスクリーンが並んでいますが、それぞれ違う位置で映像が見えてきます。)
振動数によって、像の見え方がどんどん変わっていくのが面白いです。

(楽しみにしていた「CALAR.ink」は調整中だったため、パフォーマンスは見られず…残念…)
「だいちの星座 ―いばらきけんぽく座―」(鈴木浩之+大木真人)も、JAXAと、地元の方々を巻き込んだユニークなプロジェクトでした。


■ 旧常陸太田市自然休養村管理センター
今回の芸術祭の中でも特に印象的だった作品が、今年のあいちトリエンナーレでも新作を発表されていた石田尚志さんの「旧展示室」です。この展示室の壁に線を描きながらコマ撮りされた映像作品。その映像が、描いたチョークの跡も残る展示室内にプロジェクションされています。

ムニュムニュと動き回る線と、時間に沿って変化していく窓からの光。そこに本人はいないのに、まるで石田さんの描いている時間を共有しているような、そして、見えない石田さんの動きを見ているような、不思議な気分になる作品でした。

ちょっと山奥にありますが、こちらを見るためだけでも立ち寄る価値があると思いました。(他には”バイオアート”の作品がいくつかありましたが… こちらはどれもまだ途中という感じだったので、今後に期待です。)
■ 街歩きをしながら土地を知る 鯨ヶ丘地域
この日最後に訪れたのは鯨ヶ丘地域。こちらは、歴史ある梅津会館を中心に、街を歩きながら作品を見て回れるようになっていました。
もともとこの土地を治めていた佐竹氏に注目して、土地の歴史や地域で活動を行う方をリサーチした深澤孝史さんの「常陸佐竹市」や、


(申請すれば「常陸佐竹市民」にもなれます!)
各家の人にインタビューした言葉を、印象的なピンク色をベースにイラストとともに家々を飾る原高史さんの「サインズ オブ メモリー2016:鯨ケ丘のピンクの窓」など、街を歩きながらその土地のことを知ることができる展示が魅力的でした。


(”わたしで3代目””5代目”というような歴史ある店が多いことに驚くとともに、”昔はとても賑やかで…””今は静かでいいけれど…”といった街の変化を見てきた言葉が並ぶのが印象的です。)

(鯨ヶ丘地域はちょうど断層の境にあるそうで、坂からの見晴らしがとても良かったです。)

(ベビーパウダーで常陸の地図を描いたニパン・オラニウェーの「イ / バ / ラ / キ」は、部屋に入る前からベビーパウダーの甘い香りでいっぱい!真っ白い風景も印象的です。)
山側は移動が山道であることと作品間の距離が離れているので、移動だけでもなかなか時間がかかってしまい、今回見られたのはここまででした。
最終日、3日目にはふたたび海側を巡ります。
「海も、山も、芸術も!ぜんぶ楽しみたい茨城県北芸術祭 2016 ③ ー海編(南側)ー」に続きます。
■おまけ 山側のおひるごはん
昼頃は駐車場がとても混んでいましたが、レストランや直売所で、お手ごろ価格で地元の食材を使った定食やお弁当がありました。特に美味しかったのが、常陸大宮市産の瑞穂牛を使用した瑞穂牛メンチカツ。ごろっと入った牛肉とほくほくの玉ねぎがとても美味しかったです!(¥150とお手ごろなのも嬉しい!)

(写真を撮り忘れてしまったので道の駅のサイトの写真です…)
手ぶらで楽しめるバーベキュー施設なんかもあるそうです。
この道の駅のすぐ隣を流れる久慈川の前には、塩谷良太さんの陶器の作品「川床/寄り添う人々」。

陶器らしい柔らかく温かみのある色合いの作品です。触れて遊ぶこともできるそうで、雨の中でしたが、中で遊んでいる子どもたちもいました。

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