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つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

しおはゆし

2016年04月03日 | 随想

福井新聞コラム「越山若水」(2016年4月1日)の冒頭から。

 「しおはゆし」または「しわはゆし」。そんな言葉があるとは知らなかった。広辞苑によれば「しおからい」の意味。漢字1字なのだが、書ける人は少ないだろう▼俗に使われているのは、原語から転じた「しょっぱい」である。念のために辞書を引き直すと、「塩っぱい」と書かれていて、本当に同語なのかと心もとない▼それはともかく「しょっぱい」は関東方言になり、角界では「弱い」の隠語になった。土俵には塩がまかれ、弱い力士はそこに這(は)ってばかりだから、というわけだ▼関西圏に入る本県では、塩辛いは「からい」「くどい」なので、しょっぱいに縁遠かった。けれどきょうから「食卓塩」が値上げされ、しょっぱいとはこんな感じかと実感する・・・

 関西人が塩辛い味覚を「からい」と放言しているのを聞いたときにゃぁ、「こいつ、味覚障害か?・・・」と思ったりもしたものだが、いくら表現方法の違いといっても「辛い(hot,acrid)」と「塩辛い(saline,salty)」では全く別の味覚だろ? ごちゃ混ぜにすんなや。

 ところで、「書ける人は少ないだろう」という「漢字1字」の読みで、「しおからい」の意味で使われるという 「しおはゆし」・「しわはゆし」を調べてみると、Weblio(三省堂 大辞林)では「しおはゆし」はヒットしないが、「しわはゆし」では「鹹し」という字とともに出てくる。書けないどころか、見たこともないような字だが、左の部分はうらない(占)の口の中に※を書き、右の部分は「減る」のサンズイが無い字との組み合わせである。漢字の部首でいうと「しおへん」、その字の意味するところは「塩分を含んだ土地。天然の塩。岩塩。」とある。「土がアルカリ性のために、耕作に適さない土地。」ということも意味している、と解説したページや、「鹹」の書き方をアニメ化したページとかもある。

 

 塩といえば海から取れるもの、というのが日本人としては常識かもしれないが、塩という字がサンズイではなくてツチヘンなのは、一般的に塩というものが陸地で得られたからであろう。Wikipedia「鹵部(ろぶ)」には、『「鹵」字は塩を産出する西方内陸部の塩鹹地を意味する。東方すなわち沿岸部の塩鹹地を「斥」といい、西方すなわち内陸部の塩鹹地を「鹵」と呼んだ。「説文解字」は具体的な地名として安定郡鹵県(現甘粛省)を挙げている。また引伸してそこから産出される塩自体を指すようにもなり、これを「塩鹵」ともいう。「史記」貨殖列伝に「山東は海塩を食し、山西は塩鹵を食す」という記述がある。』との記載がある。

 

 塩について(1)というサイトには、『天然塩』『精製塩』などの解説とともに、「五味(五つの味)」ということで「甘・酸・鹹(かん)・苦・辛」が紹介されており、併せて海水中の塩分の内訳や「世界の塩の産地」も図示してある。

岩塩が目立っており、解説でも「現在、世界中で1年間に約1億8000万トンの塩が生産されています。海水からつくられる塩は、そのうちの約1/4で、残りは、岩塩や塩湖など海水以外の塩資源から採られます。」と紹介されている。

そう言えば、以前にも「塩の話題」ということで、世界で1番平らな場所と言われるウユニ塩湖を紹介していたことがあったが、その他にも、「ソルトレイクシティ(和訳:塩湖市)」という直球の名の都市もある。市の西側にはグレートソルトレイク(大塩湖)が広がり、ここからソルトレイク市の名が由来しているという。

湖の西側には、ボンネビル・ソルトフラッツ(Bonneville Salt Flats)という塩湖の跡にできた大平原(塩類平原・ソルトフラッツ)があり、毎年8月には地上最速を競うモータースポーツ『ボンネビル・スピードウェイ』が開催されている。

クルマノエホン「世界一速い車」には世界一速いクルマを目指した概略が描かれているが、当初は蒸気機関や電気自動車の時代もあったようだが、次第に内燃機関の時代へと変遷し、マルコルム・キャンベル卿(Sir Malcolm Cambell)は愛車ブルーバード号(Bluebird)で時速301.337 mph (484.955 km/h)を記録した。それが1930年代。

その後、スピードへの挑戦は内燃機関からジェットエンジンが主流となり、マルコムの息子、ドナルド・キャンベル(Donald Cambell)ブルーバードCN7(Bluebird CN7)によって、1964年に時速403.1mile(時速648.59km)を記録した。この記録が、愚生の記憶に明確に残っている。まぁ、そこでストップもしたままだった訳だが・・・。

全長9.1m

 

ジェットエンジン車ともなると、エンジンのパワーを駆動輪に伝えて・・・・なぁんてカッたるいことはせず、飛び出したクルマと地面の間でただ回っているだけ、となるので、もはやクルマとは名ばかりと言っていいだろう。

世界最速を作ってきた7台の車にまつわる歴史」というサイトには、The Spirit of America 655.72km/h、Wingfoot Express 664.98km/h、Spirit of America Sonic1  966.57km/h、Blue Flame 1001.66km/h、Thrust 2 1020.4km/h、Thrust SSC 1227.96km/hという6台と、時速1000マイル(1609km/h)以上の記録を狙っているというブラッドハウンドSSC が掲載されている。アメリカとイギリスの意地のぶつかり合い、といった様相を見せている。

 

(スラストSSC)

 

ブラッドハウンド・プロジェクト(THE BLOODHOUND PROJECT)の他にも、「オージー・インベーダー5R(Aussie Invader 5R」というオーストラリアのチームがロケット技術を使って時速約1,600キロを超える計画を起ち上げている。

何しろ、音速を超えるので当然、衝撃波も生じる、という驚きの世界である。

 

で、え~っと・・・・、「塩」がどこかへ行ってしまっていた・・・・。

食の研究所 の特集「食と健康」では、「味がなくなるほど減塩、そこまでする必要あるの?」というページがあり、「食塩と高血圧の発症が関連していることはほぼ間違いなさそうなのだが、全ての人が、食塩を過剰に摂取すると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がる、というわけではないことも明らかになっている」と、誠に切れ味が悪い言い回しをしている。ネズミでの動物実験では、食塩を摂りすぎると腎臓の交感神経が活発になり、塩分排泄に関わる遺伝子の働きが抑えられて、その結果、体内にナトリウムがたまり、血圧が上がる、いうことは解明されたようである。

「塩分感受性(塩分を摂ると、血圧が敏感に上昇する体の性質)」が人によって違っているので、食塩の摂りすぎと高血圧の因果関係を明確にできない理由も、「高血圧のなりやすさ」に個人差があるから、ということで、これだけは解明されている、という段階のようだ。極端な減塩をすると高血圧とは別の健康障害をもたらすことも知られている、とのことで、まだまだ医学の世界には未知の分野が大きく広がっているようである。

味噌汁を日常的に摂取していると塩分感受性が低くなる、ということが、「血圧の上昇を抑える味噌に解説してあり、これは一時期はやった「鈍感力」というものの一種なのかもしれない。