ひばりクイズ_574 5/10_r (MI) 全で健全なICTとの関り? 子どもに?
★動機づけ面接を始める・続ける・広げる 愛着障害・トラウマ・発達障害とESS―MIの新しいフロンティア?
精神療法. 48(2) 225-234. (2022) https://x.gd/INf5k
< 感想 >
現在、学校教育や社会全体でICTの活用が進み、子どもたちも小さい頃からハイテク機器に触れる機会が増えている。
一方で、発達障害やESSなどのリスクも指摘されており、ICTの使用から完全に逃れることが難しい現状に対する対策が求められている。
そこで、援助者がMIの三つの葉を活用し、子どもたちが健やかに成長できるよう予防的な支援を行うことが重要だと感じた。
また、ICT使用の危険性とその影響について社会全体へ周知し、正しい理解を広めることで、より安全で健全なICTとの関わり方が実現できると考える。
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「MIの三つ葉」は確かに希望です。
しかし下線部については「できたらいいな」とは思いますが、現実には困難でしょう。
特に(a. 成長)途中の子どもの場合は不可能です。
スクリーンは脳の成長に悪影響をおよぼすからです。
例えば次の事例で、「安全で健全なICTとの関り」とはどんなものか考えてみましょう。はたして「三つ葉」だけで実現できるものでしょうか。

保護者は、やさしい性格だった我が子のあまりの変わりように慌てふためき、子どもによりそうために(b. 仕事)を止めて家にいることを考えています。
皆さんならどうアドバイスしますか?

現場の教員の協力が思いのほか得られやすいのは、切り替えが苦手な子がタブレットを持って帰るとどうなるか分かっていながら、見て見ぬふりをしていることも多いからです。
さて、親がいくら言って聞かせてもこの子の場合は「安全で健全なICTとの関り」は無理でした。
たとえMIを使ったとしても無理でしょう。
MIの有効性を示すエビデンスは(c. 13)歳以上の研究が大半です。
そこで保護者に情報提供と動機づけを行いタブレットの持ち帰りを止めるという(d.環境)整備をして初めて健康的な生活に戻ることができました。
保護者からは、学校に迷惑がかかる、自分だけタブレット無しは子どもが嫌がるしかわいそう、もう少し様子を見て見たい、などさまざまな(e. 維持)トークが出ました。
ここで、MIの「三つ葉」が必要となったのです。
幸い、この子は小1だったので間に合いましたが、そのまま不登校が定着し中学くらいになってしまった場合に、同じようにうまく対処できるでしょうか。
不安を感じる人がほとんどだと思います。
【解答例】 a.成長 b.仕事 c.13 d.環境 e. 維持