Mi Aire

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下町の朝

2009-06-06 00:10:44 | エッセイ
下町の朝はひんやり。
路地裏の植木鉢たちには水が撒かれ、小径は打ち水で濡れて光っている。

ランドセルを背負って走っていく子どもたち。
子どもってなぜみんな走るのだろう?
走っていく先にはどんどん無限の未来が広がっていくから?

お米屋の若旦那に挨拶をすると「いってらっしゃい!」と笑顔が返って来る。
それから近所の顔見知りのお母さんや、お豆腐屋をやっている同級生のお姉さんやお店をひらく準備をしている仏壇屋のおじいさんや、みんなみんな「おはようございます」のあと「いってらっしゃい!」と背中に一声かけてくれる。
たくさんの「いってらっしゃい!」に送られて私はメトロの階段を駆け下りる。
下町の朝はひんやりだけど、私の背中は温かい。

朝のこんな風景。下町の空気。
昔から変わらないのね。子どもの頃からずっとそうだったよね。
下町に生まれたことを、下町で暮らすことを、誇らしく思いながら今日も一日が始まる。


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2 Comments

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Unknown (piroko)
2009-06-10 21:09:51
なんかいい話だな~と思ったよ。

そういう、何気ない一言(関わり)が、
気持ちをほっこり暖かく、前に進ませてくれることってあるよね!
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ありがとう! (Angelita)
2009-06-10 23:42:20
pirokoちゃん
読んでくれてありがとう♪
けさもお米屋の若旦那と仏壇屋のおじいさんに「いってらっしゃい」と見送られて出勤しました(笑)
下町にはまだまだ人情があふれています!
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