ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

階段の昇り降り運動で健康維持を図る!

2020年04月20日 | リハビリ・医療
「不要不急の外出は控えましょう」
でも、
「適度な運動は継続しましょう」

おっしゃることは分かりますが、「出かけるなと言われながらも体を動かせと」と、難しいことが、現在求められています。

そこで、「遠くまで出かけない」ながらも「運動する」という状況を考えてみました。
「自宅(マンション)や近所の歩道橋などにある階段の昇り降りで、健康を維持できないか」と思い、過去の研究論文を探しました。

ありました^-^

1994年にアメリカのLoy先生達が調査していました。
50~65歳の運動不足がちな24名を3群に分け、①階段昇り運動のみ群、②階段昇り運動+筋トレ群、③コントロール群(何も運動しない比較のための群)に分けて、それぞれの運動を12週間実施しました。
①の階段昇りのみ群の運動課題は、40分間の階段昇り運動を週3日、12週間行うというものでした。
その結果、(細かな点は省略しますが(^-^; )、①階段昇り運動のみ群は、膝を伸ばす筋力や、最大酸素摂取量(体力の指標)が、統計学的にも有意な差を持って改善しました。



しかし…、読んでいて思いましたが、正直なところ、週に3日、12週間もなかなか決意の必要な頻度ですが、さらに階段昇り運動を40分も行うなんて…調べていながらもやる気が失せてしまいそうでした(^-^;

そこで、続けて同じような別の論文を探してみたところ…最近報告された、もう少し手の届きそうな論文がありました。

2016年にカナダのAllison先生達が調査していました。
こちらの対象者は平均年齢が24歳の運動不足がちな女性31名を3群に分け、条件を変えて調査しました。
3群のうち1つの群には、「1階分の階段昇り降り運動60秒間、1分間の休憩をはさんで3回行うという運動を、週に3日、6週間実施する」という内容で調査しました。
その結果、最大酸素摂取量(体力の指標)や筋肉の量などが統計学的にも有意な差を持って改善しました。

後者のAlloson先生達の調査の対象者は若い女性でしたので、いちがいに中高年の人達に当てはまるとは限りませんが、Loy先生達の調査も合わせて言えることは、「階段を使った短時間のちょっとがんばった運動と休憩を繰り返す『インターバル トレーニング』は、お金もかからずどこでもできるエクササイズである」と言えます。

階段の昇り降り運動は、膝への負担も考慮しなくてはいけませんので、このブログをご覧の方のうち、膝に問題を抱えている方は十分注意していただくか、遠慮していただいた方がいいと思います。

しかし、いずれにしても、工夫次第で経時的にも負担をかけないで健康維持を図っていけるのでしたら、環境を整えたうえで実践してみたいと思いました^-^

ブログをいつもご覧いただいている皆さん、どうぞ無理のない範囲で、まずは1階分の階段の昇り降り運動を始めてみてはいかがでしょうか^-^?

趣味のお話

2020年04月17日 | 趣味




運動不足は命の危険につながります

2020年04月05日 | 健康管理




ちょっとした工夫で笑顔になってくだされば…

2020年03月29日 | 高齢者施設





施設での生活は、どうしても退屈になりますから…、ちょっとした時にでも冗談で笑っていただければと思います^-^
水分補給していただく時、ホントは美味しいお茶を、お好みの温度で提供したいのですが、それもままならない時に、こんな冗談で笑ってもらっていました。

言葉遣いや態度

2020年03月23日 | 介護とリハビリ
医療や介護の現場では、言葉遣いについて気になることが多々あります。

私は、理学療法士になる前は、介護士でした。
介護士になる前は、一般的な会社で働いていました。
当然のことですが一般的な会社では、お客様相手の商売が多いため、お客様に対する言葉遣いや態度といった「接遇」について、しっかり研修を受けます。

一方、医療や介護の現場はどうかと言いますと、最近では養成校で接遇の授業を受けたり、就職してからも接遇の研修を受けたりと、患者様・ご利用者様に対する接遇を身につけましょう、という流れが主流となっています。 なぜ、最近では主流になっているかと言いますと、それ以前が主流でもなんでもなく、ものすごくあいまいでひどかったからです。
具体的に申し上げますと、現時点で20年~30年以上のベテランの従事者さんほど、言葉遣いや接遇ができていない人が多いと思います(誤解があってはいけませんので追記しますと、できている人ももちろんいます)。

私が介護業界に就職したばかりの頃、人生の大先輩でもあるご高齢のご利用者さんに対してタメ口、命令口調で話している若い職員さんが多くいたことに驚きを覚えました。

私は、ご高齢のご利用者さんに対してタメ口で話したり命令口調で話している様子を「異常」であると判断できました。
それは、私が子どもの頃から祖母と暮らしていたことや、一般的な会社で働いていたことから、目上の方への言葉遣いや礼儀、態度について、当たり前の様に見聞きして、時には叱られたりしていたからです。

では、20年以上のベテラン従事者さん達は、いわゆる「最近の若者」でもないのに、なぜ言葉遣いや態度が悪いかと言いますと、おそらく先輩達の態度が良くなかったのだと思います。
私が介護士として新人で働いていた頃、それから理学療法士の学生として実習に参加していた頃、指導役としていろいろな先輩や指導者について教えていただきました。
その多くの先輩達は、ほとんどの人が患者さんやご利用者さんに対してタメ口や命令口調でした。 

A先輩「ちょっと見ててね、こうやって声かけて筋トレやってもらうから…」
   「Bさん、ちょっといい? 今から足に重りをつけて、筋トレしてもらうね。 ちょっと重いけど、がんばってね。 今日は学生さんがついてるから、何かあったら彼に言ってね」
Bさん「…はい、分かりました…。 学生さん、よろしくお願いしますね。」
私  「よろしくお願いいたします。」



ちなみに、このBさんは、もともと社員が100人以上いるような会社を経営なさってた社長さんで、認知症といった会話や判断力の低下などはなく、軽い脳梗塞によって手足に麻痺があり筋トレや歩行練習を必要とされる75歳の患者さんでした。
元社長さんであれば、昭和の厳しい時代に熱心に働いて、多くの社員さんやそのご家族の面倒さえも見ていらしたようなまじめな方でしょうね。

そんな背景は、このA先輩には伝わることもないのでしょうね。 A先輩の目には、ただただ「自分のことができない、助けの必要な弱い立場の患者」としか映らないのでしょうね。

A先輩からの命令的な、自己をまったく尊重されていないようなものの言い方に対しても、Bさんは怒ったりイライラしたりすることもなく、ただまじめに筋トレなどの課題に取り組んでいらっしゃいました。

こんな先輩や指導者の様子を、目の前でしばらくの期間観察していたら、教わる側の人間は、「あぁ、こうやって言えば、患者さんはやってくれるんだ…」、「あぁ、高齢者とは、こうやってコミュニケーションを図ればいいんだ…」と、何の疑いもなく学習していくのでしょうね。

現在の80歳前後の方々は、厳しい時代を耐えて、物のない時代に試行錯誤を繰り返してがんばって生き抜いていらした人が多いですよね。 そんな人たちからすれば、若い人のちょっとした乱暴なものの言い方なんて、生きるか死ぬかの苦労に比べれば全然平気なのかも知れませんね。 「耐える能力」が高いのでしょうね(^-^;

これからの時代は、そんな言葉遣いや態度を受けましたら、ぜひぜひ文句をおっしゃってくださいね。
直接文句が言いにくいようでしたら、ぜひ「ご意見箱」もご利用ください^-^

病院や施設を良くしていくためには、各施設に任せてばかりではうまくいきません。 時には、外部からビシッと言ってあげないといけないこともあります。 ぜひぜひ、お客様である患者さんやご利用者さんの生のお声も、お聞かせください。