
どっかで見たこと有るけれど、名前はわからない、というような俳優二人が主役(笑)。
若いカウボーイ、ジャックとイニスは夏の間ブロークバック・マウンテンへ羊をつれて放牧に行き、監視する、というバイトをすることに。
その間ずっと山の中で生活し、町へは戻れません。
二人きりの生活が長くなり、二人は愛し合うように・・・
夏のバイトが終わり、それぞれもとの生活に戻っていく二人。
イニスは婚約者と結婚し子供も生まれる。
ジャックも金持ちのテキサス娘と結婚し父親に。
しかし会わなくなって4年たってなおイニスへの思いは断ち切りがたく、ジャックははがきを出します。
そしてまた二人はブロークバック・マウンテンへ・・・というストーリーです。
主役の二人は美男でもないし、特に魅力的な人物設定でもなく、ぱっとしませんが、ブロークバック・マウンテンの風景の美しいこと!
画面一面を埋め尽くす羊の群れ。
ゆっくり進む羊達を馬で追いながら進むカウボーイ。
深い川を馬で渡ったり、草原を走ったり・・・

馬好きにはそれだけで大満足な映画です。
ウエスタンの競技もちょっとだけ見れます。
馬場に猛スピードで入ってきて、3つの樽を回って、また猛スピードで出て行き、タイムを競うという競技です。
樽を回るのも、ブリティッシュのジムカーナのように大回りではありません。
すごいスピードで走ってきたのに、樽の周りをものすごい小回りで回っていく。
馬の後ろ足が倒れるような感じで回っています。
あれはおそらくウエスタンの技なんじゃないかしら。
ウエスタンの事はよく知らないけれど、そうじゃないかなあと思いながら見ました。
さて、この二人の愛情ですが・・・はっきり言って、映画としてのつくりが甘いです。
ストーリーは良いと思います。別に。
でも、たった二人で山の中で生活をしていく中で、だんだんお互いを好きになっていく、愛し合っていく、というような感情の起伏というか変化というか、そういうものをもっと丁寧に描いて欲しかったなあと思われてなりません。
それが充分でないので、単に男同士の友情が生まれてきたかなあ???ぐらいのときにいきなり、え?何で??脱いでる??え??やっちゃうの??みたいな感じで、違和感ありまくりです(笑)。

だから、愛し合ってというより、長期間山にこもってるから手近なところでやりたくなっちゃったんだろうなあ・・・としか見てて思えなかったです。
バイトが終わって山を降りて別れた後、イニスが一人で泣くシーンも、え?別れたくなかったの??悲しいの?って感じ(笑)。
セックスに至る前の二人をもっと丁寧に描いてくれていたら、きっともっと二人の愛情を実感できたと思うし、その行く末を心配したりしながらみれたと思うんですよ。
それが不十分だったので、二人が再会してキスする所とかも、おいおい、もっと周囲を気にしろよ、と、冷めた目でしか見れませんでした。
まあ、実際、妻がいるのに、家のまん前でキスしてたら気づかれない方がおかしいって・・・

浮気にしても本気にしても、一応家庭を持ってるんだから最低限の注意は払うべきでしょう。
結構長い映画なのだけど、最後まで見れたので、けして悪くはないと思います。
男性同士で愛し合うことが禁忌であり、殺されても仕方ないというような背景もある中で、誰にも相談できない、誰も味方でない、でも会いたい、という苦悩や、イニスの子供時代に父親に刷り込まれた同性愛への恐れみたいなものも描かれて深みを持たせています。
でも~、やっぱり私は最初の所をもっと丁寧に作って欲しかったので、残念な感じです~。

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