名古屋美味しいもん、不味いもん食べある記

美味しいものは、自分の脚と舌で探すもの。ガイドブックやフリーペーパーは全て広告。本当にいいものを見つけよう。

客質で店の品位や、素材の良さがわかる。

2012年08月17日 | 日記
冬ならば、ツイードの高級スーツを着た人や、幼い子供までが、正装を身につけている家族などが客に多い店は、この店は信用ができる。

僕が取材にかかわっていた時代には、そういうところには行かなかった。

タレントが通ったり、宣伝上手な店ばかりが取り上げられていた。
調理場を覗くと、そこには、冷凍食品の詰まった箱や袋が散乱している事も珍しくない。
価格が安く、一般的に《お値打ち》とか《経営努力》などといわれている店ほど、その傾向は強い。

少し前、和牛のユッケで食中毒死が話題になった焼肉チェーン《えびすや》の例を挙げるが、
和牛が200円台で食べられるはずがないのだ。
和牛は、少しましな肉でも、100グラム1500円ほどする。
ユッケなら、一人分2000円したって不思議ではない。
そんな事は消費者でも理解できるはずだ。

要するに、まがい物を売っているだけだ。

《手作り》《企業努力》なんて触れ込みをしている店にまともなところはない。
生ビール中ジョッキ100円なんて、ありえないのだ。
300円で仕入れて、100円で売る店などない。
家賃、駐車場代、光熱費、通信費、宣伝費、車の維持費、人件費、材料代、消耗品、保険など、店の経営には多額の資金が必要だ。
それを考えれば、相応の価格にならないと、店の経営は成り立たない。
お米は、一合で原価が100円かかる。
それに、手を加え、食器を使い、光熱費を使い、人件費や仕入れの手間などを考えれば、ご飯一杯300円取られても当たり前の事だろう。
500円のお代わりし放題なんて店は、何を使っているのか想像すればいい。

ホームページもそうだ。
本当にいい物を売り、いい客がついている店に、自画自賛の呼び込みなど必要ないのだ。
地元の名店というのはそういうものだ。
地元の、そこそこの人が集まる店こそ信用ができる。

まず、客を見てみよう。
回転すし屋に、高級スーツを着た夫婦や、ドレスアップした上品な夫人などいない。
レギンスにタンクトップを着てへそを出した人たちや、行儀やマナーを知らずに走り回ってる自分の子供に、注意ひとつしない客ばかりだ。
そこでまともなものを食べようというのが間違いだ。

一度、栄にある《ワインバー》に行ったことがある。
「ここは落ち着いて、高級」という知り合いの触れ込みにだまされた。
サンダル履きの若者や、大声で騒ぐ客。
女の子に立ち上がってナンパするのを楽しみに来ている若者。
男に声をかけられるのを楽しみで来ている女性たち。

これが、《いい店》《魅力ある店》《人気店》だというのだ。

安心できる店。
いい素材を使っている店。
それを確かめるのは、客質を見るのが一番だ。

やたらおべっかを使う店は、客を選んでいない。
やたら素材の能書きを言う割りに安いのは、嘘が多い。

箸をきちんともてる、上品な家族や女性同士の客が多い店のほうが信用できると考えてほしい。

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