FileMakerでシステム開発

SE経験者がファイルメーカーを用いた場合、どのような設計、開発を行うのかを検証するブログです。

会社の業務をシステム化することについて

2020-02-09 17:21:32 | 現状調査と業務分析
会社の業務をシステム化することについて考えてみたいと思います。世の中には様々な仕事があり、扱うものも違えばそれらに関連する企業も多数存在する中で、ものを調達して自社で加工し次の企業へ提供する形態もあれば、調達したものを在庫として保管し、販売する形態もあります。調達するもの自体を会社が企画し協力会社で制作し、調達することもあります。業務システム開発を請け負う会社などでは、調達するものはほとんどなく、社員の技術にてソフトウエアを製作し提供する形態もあります。そのような中で、業務をシステム化する作業について考えてみます。

1.既に存在する会社の業務システムを整理します。
現在の会社の業務がどのような仕組みを利用して運用されているかを理解する上で、必要な作業です。
まず整理する上で、いわゆる「プログラム一覧表」を整理します。これは業務システムのメニューを参照して書き出します。この時、プログラムの分類毎に整理します。
 例) 受注管理  受注入力
          受注一覧表
    発注管理  発注入力

全て書き出した後、個々のプログラム毎に、存在意義についての「利用目的・用途」、「主な機能」を記入します。これは意外と難しい作業です。簡潔にそのプログラムについての特性を記入します。
 例) 受注入力 :営業から都度、連携される受注契約書を基に見積書(控え)と照合後、〇〇課にて
          受注登録を行う。
         ・出荷予定日より在庫推移情報に対して有効在庫の確認と引当が実施される。
         ・尚、新規取引先の場合、受注登録の中で新規チェックすることでマスタ登録
ができる。
         ・登録後、営業担当および責任者に登録完了の連絡が社内ワー
クフローにアップされる。

2.主要な部門の担当者に業務の棚卸を行ってもらいます。
自分が行っている作業を抽出し箇条書きにしてもらう作業です。これは日々行っている作業、特定の期間に行っている作業、不定期に行っている作業などについて書き出してもらう作業です。記入する項目には「現在困っていること」、「改善案」なども入れておくと参考になります。業務を分類し、分類毎に記入してもらいます。
 例) 受注業務、発注業務
    または
    受注の受付業務、受注の承認業務、発注の事前確認、発注決済業務、発注処理業務

以下の項目を参考にしてください。
 ・区分
 ・作業名
 ・内容
 ・困っていること
 ・改善案

3.取り扱い品目別に業務手続を整理します。
会社が取り扱っているもの、利用しているものによって、一連の手続きが異なることがあります。まずそれら品目または品目の分類単位に業務の流れがわかるように整理します。
 例) 〇〇〇品   (部材の調達から仕入計上まで)
   1. 部材の調達計画
   2. 発注指示
   3. 発注処理
   3. 受入れと検品
   4. 入荷処理
   5. 仕入計上

次に、個々の業務に対して、以下を明確にします。
 1)誰が       作業をメインで行っている担当者の名前
 2)何をもって    仕事は必ず、誰かの指示または連携により発生します。
           例) 誰々から、何時、〇〇書類を受け取る。
 3)誰に       自分が作業を行った後に、誰にそれらの結果を連携しているかについて
 4)何時       どのタイミングで行っているか 例) 毎月10日
 5)何をしているか  自分が行っている作業の内容を記入します。
           上記2.の棚卸に記入されているものです。

この作業は、会社の業務全体を把握している方が行います。上記1.2.で整理した内容をベースに作成していきます。
・不明点があれば直接、その部門の担当者に確認します。
・業務全体を把握している方が居ない場合は、複数の方にて行います。
これらの作業はシステムを外部に委託して製作してもらう場合、委託先の担当者(SE)が行うことになりますが委託先によって異なると思います。

4.全ての書類についての管理表を作成します。
上記1.2.3.にて記入されている契約書類、伝票、管理資料、帳表類の全てについて整理します。
 ・担当者自身が照合、チェックを目的にExcelなどで作成しているシートなども
    含みます。(上記2.に記入されている。)
 ・外部、内部関係なく存在し利用しているもの全てを対象とします。

 以下の項目を参考としてください。
 ・書類名     ※個人で作成している書類にも名称を必ずつけます。
 ・作成者
 ・タイミング
 ・作成時の媒体  例) 作成時はExcel
 ・作成方法
 ・運用時の媒体  例) 運用時は紙
 ・利用目的・用途
 ・困っていること
 ・改善案
以上です。

システム化の最初のステップである「現状調査」についての作業の例を紹介いたしました。
・業務の流れが複雑なもの(様々な分岐があり、複数部門に連携するもの)については「現行業務フロ
 ー図」を作成する場合もあります。

今後、環境ができれば個々の作業で使用するテンプレートについても掲示していきたいと思います。

現在、会社のシステムの再構築を検討されている、自社で構築することを考えている場合、まず現在の会社の仕組みを整理することをご提案いたします。これらの作業から次のステップである「業務分析」、「要求定義」の作業が真に意味のある価値あるものになると思います。現行システムと同じ機能および多少の改善事項が、次期システム構築とならないようにしたいものです。
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