FileMakerでシステム開発

SE経験者がファイルメーカーを用いた場合、どのような設計、開発を行うのかを検証するブログです。

業務分析について(その1)

2020-02-16 11:38:21 | 現状調査と業務分析
現状の業務を可視化することを業務分析に入れているケースもありますが、それらは現状調査とし、業務分析とは区別します。
業務の可視化は現場の方が主体となって行って頂く作業であり、課題となる根幹の要因が含まれる事柄は現場の担当者が一番良くわかっています。委託先のSEまたは社内の業務再構築のリーダーの方は、まずそれらの要因についてありのままを抽出して頂けるよう支援していくべきと考えます。
特に経験がある委託先のSEは、いきなり解決策を投げかけようとすることもありますが現状調査では今の姿・形を正確に定義することが目的です。
業務分析では、現状調査の成果物(業務の可視化)に対して業務再構築の関係者で全体を確認し共有することから始まります。部分ではなく全体を俯瞰します。


1.目的

以下に対して、①課題の特定、②改善の検討、③改革の検討を目的とします。
・現状の業務システム
・現状の業務と運用

☞ 次期システムをパッケージ製品に置き換えるケースにおいては業務分析ではなく、パッケージとの合否判定(fit&gap)を行う作業(CRP)になります。業務分析の結果に合わせてパッケージを修正するケースも考えられますが、業務分析では現行システムの機能およびそれらが要因となっているための作業および運用に対して課題の特定を実施するので、パッケージの選択またはパッケージの適合性を問うのであれば、現状調査の結果を基に適合性の確認を実施した方が社内の労力の面からも効率的と思います。業務分析は次期システムを一から作る(再構築する)または全体を見直してある程度の規模で改造するための作業です。


2.視点
2.1.効率性

無駄な作業の排除が効率性を上げることに繋がると認識されていますが、本来無駄な作業というものはあまり存在せず、現状に仕組みがない(または不足している)ため実施していることがほとんどです。その作業自体の内容を把握し、作業を実施している理由・根拠を理解することから始まります。
前回の記事「会社の業務をシステム化することについて」の中に「担当者自身が照合、チェックを目的にExcelなどで作成しているシートなども含みます。」と書きましたが、会社の業務システムには存在しない不足している機能と捉えることもできます。現実的な改善が検討できる重要な要素の一つです。

2.2.連携性
個々の業務は開始から終了までの間に、情報が複数の部門および担当者を経て更新され遷移していきます。連携の途中で前の部門(担当者)に問い合わせ・確認しなければならないことも発生します。また、次の部門(担当者)に連携することはできず、差戻しすることもあります。これらは特に申請・承認を必要とするワークフローとしてどの会社にもあり得ることです。またそれらの申請・承認は必要ではないワークフローも存在します。ほとんどのケースでは、業務システムとワークフローのシステムは別のものとして存在し、業務システムから発生した情報をワークフローのシステムへ一部連携するような仕組みを構築している会社もありますが、ほとんどの会社ではそれら情報の連携は運用で補完しているものが多いと思います。これはワークフローのシステム自体が他システムとの連携による情報の受け渡しのインターフェイスが存在しない、または機能が不足していることに原因があると思います。業務システムにワークフローの機能を全面的に取り入れるのではなく、最もシンプルな申請・承認の形を取り入れ且つそれらの情報のやりとりに対してメモが登録できる仕組みがあれば、余計な作業(申請した後に、内線・メールでのやりとり等)は減少し「言った」「言わない」も激減します。仕事はチームで行っていることを実感できる仕組みにしたいものです。

2.3.適合性
会社の業態および現実的に発生している事象に対し、現在の業務手続き(流れ)が妥当なのか、現在の仕組みが妥当なのかを今一度検証します。
以下は、前回の記事「会社の業務をシステム化することについて」の「3.取り扱い品目別に業務手続を整理します。」で作成された資料からのものです。
(例として記載致します。)
局面:受注、計画、調達、製造、保管、出荷、売上、回収、保守
情報:受注・・・見積書、契約書、注文書
   計画・・・BOM、資材、仕入先、MRP、資材発注(申請前)、製作指図書
   調達・・・資材発注(申請)、資材発注(承認)、受入れ、検品、仕入計上
特に情報として記入されているものがシステム化されているか、システム化されている場合、現在の業務システムの機能と現実的に発生している事象との乖離はどの程度か、乖離している内容の重要性をどのような基準で判定し評価するかなどを検証します。

(今回の記事はここまでとします。)

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