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消費税の仕組みについて

2021-07-03 14:40:15 | 業務システムの各機能
ブログの更新が開いてしまいました。
今回は、Profit美容室管理の消費税についての仕組みをご紹介いたします。

2019年10月1日に施行されました新消費税制度、さらに2023年10月1日からの複数税率
に対応した消費税の仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス
制度)が導入されます。

(以下、国税庁のサイトより)
適格請求書とは、「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」で
あり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいいます。
※請求書や納品書、領収書、レシート等、その書類の名称は問いません。

適格請求書を交付できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
適格請求書発行事業者となるためには、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」
を提出し、登録を受ける必要があります。
なお、課税事業者でなければ登録を受けることはできません。
適格請求書発行事業者は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下となった場合であっても
免税事業者にはならず、消費税及び地方消費税の申告義務が生じますのでご注意ください。

・・・と言うことですが、請求書等に必要な記載事項が表記されていれば区分記載請求書等とし
て満たされることになります。ここでは、予約・売上入力と施術明細書についてご紹介いたします。

1.税率マスター
 
消費税の改定毎の明細を、税コードをキーとして保存しています。


1)開始日 :改定日

2)新・旧 :(以下参照)
      0.予定税率:未来に予定される新たな消費税率が確定された場合、事前に追加登録をしておきます。
      1.新税率 :現時点で使用できる税コードです。
      2.旧税率 :新税率と同様に現時点で使用できる税コードです。
            以下は理由
            ・税率の改定日をまたぐ月では旧税率と新税率が混在
            ・税率の改定後であっても返品処理においては旧税率を使用
         9.(その他):現時点で使用できない税コードです。
              そのような仕様にしています。
              ・それらの税コードを使用している伝票自体が月次更新にて締まっていることも考慮しています。

3)区分数 :一つの明細毎にMAX5つまでの税率を設定できます。
      使用する税率の数を設定します。(画面上では3つになっています。)

4)区分  :使用する税率の区分(税率区分)を設定します。
      ユニークな値を設定します。

5)区分名 :使用する税率の名前を設定します。
      ここで設定された名前が施術明細書、日報、月報に表示されます。

6)税率  :使用する税率を設定します。

7)記号  :軽減税率の場合、※印を設定しています。
      ここで設定された記号が施術明細書に表示されます。


2.施術、商品についての設定
2.1.施術
施術については管理マスターに設定しています。


使用する税率区分を、新税率・旧税率・(予定税率)に設定しています。


2.2.商品
商品については商品マスターに設定しています。


使用する税率区分を、新税率・旧税率・(予定税率)に設定しています。

美容室では複数税率を一回の取引で複数指定することはないため、上記のマスターに設定の
みしておくことで予約・売上入力にて税コードを指定(通常は来店日と税率の開始日の比較によ
り自動設定)することで該当の税率区分を決定し税率を取得、計算しています。
※美容室では軽減税率を使用しませんが・・・


3.予約・売上入力

新規登録時は、来店日と税率マスターの開始日の比較により、税コードが自動で決定します。


旧税率の税コードに変更することもできます。
設定された税コードにより、施術・商品に対する該当の税率区分を取得し、消費税計算を行います。

Profit美容室管理では、施術と商品とは売上を区別して消費税額を計算しています。
会計処理の仕訳においても勘定科目を別にして設定されていることを前提としています。

➢ 簡易課税制度
美容室に限らず個人事業者として簡易課税制度を選択されている方も多いと思います。
簡易課税制度では、課税事業者の売上げに対して消費税計算するので、仕入に係る消費税を
集計する必要がありません。(原則課税方式と比べて簡単に計算ができます。)

①受取った消費税 - ( ①× みなし仕入率 ) = 消費税の納付税額

みなし仕入率は事業種類毎に割合が定められています。
美容室などサービス提供が主な業種では50%で定められています。

美容室が簡易課税を選択している場合の注意点は上記の事業区分です。
美容室の事業区分は第2種事業と第5種事業の2種類に該当することになります。
カットやパーマなどの施術は第5種事業(50%)、シャンプーなどの商品の販売は第2種事業(80%
)に該当します。(施術、商品以外のサービスも提供されている場合は別の事業区分も考慮)

2種類の売上を区別して仕訳することで消費税の納税額を少なくすることができます。
仮に売上を区別していない場合は、事業のうち最も低いみなし仕入率を適用して計算すると規
定されています。

これは、商品の販売であっても施術と同じ50%のみなし仕入率で計算するということになり、
区別した場合と比較して多くの消費税額を納付することになります。


4.施術明細書
サンプルとして入力しています。


施術については、税率区分:10%、税区分:外税として入力しています。
商品については以下の設定で入力しています。
      税率区分  税区分
・1行目        8%(軽)    内税
・2行目   10%     外税
・3行目     8%(軽)       外税
・4行目   10%     内税

☞ お客様には、外税に統一して頂くことをお勧めしています。
  税率改定の都度、商品単価の改定を行わなくてよくなります。


5.日報




6.補足
☞ 新税率と旧税率の混在
・2019年9月までの税率(旧税率)は、消費税率6.3%と地方消費税率1.7%の合計
・2019年10月からの軽減税率8%は、消費税率6.24%と地方消費税1.76%の合計

旧税率の8%と新税率の軽減税率8%は、税率の内訳が異なります。
ゆえに上記が混在することを考慮し、Profit美容室管理の日報・月報では、旧税率8%、軽減税
率8%、標準税率10%の全てを分けて計算し明細を保管しています。

(以下、国税庁のサイトより)



消費税についての仕組みはパッケージメーカー、IT各社によって個々に違っていると思います。
只、シンプルな考え方と運用および汎用的な仕組みのものが最適ですが、今後の税制により短
期間で要件を確定し、設計・開発・検証をIT各社は繰り返していくことを多少気の毒と思いつつ
より使いやすいものを提供していただきたいと思います。

今回は消費税について主な仕組みをご紹介いたしました。一つの参考になれば幸いです。


以上です。

P.S
かみゅーのホームページ
https://www.date-systems.com/

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