プリンス・オブ・ペルシャは1989年にApple II用に発売されたアクションゲームである。
実はそれ以前から、プログラマ、ジョーダン・メックナー(カラテカのプログラマ)の手に依って細々と開発されてたらしいが3年程時間がかかり、その間にApple IIの人気は落ちて大変だったらしい。
しかし、販売元、ブローダーバンドの手によってアメリカのパソコンの各機種に移植され、世界的に大ヒットとなる。
ストーリーは、囚われの姫を救出する為にダンジョンを駆け抜ける、と言ったモノである。スーパーマリオブラザーズと同じように、大した背景ではない。
日本では、スーファミやゲームボーイ、そしてPCエンジンに移植されたが、イマイチ人気が出なかった模様。
家庭用に移植されたのに人気が出なかった最大の理由は、家庭用ゲームでのアクションゲームの雄、スーパーマリオブラザーズと操作系の発想が根本から違うからだ、と思う。
このゲームは、全体で60分、と言う時間制限があるため、まずは走るのがデフォルトなのである。通常のアクションゲームだと「加速ボタン」がキャラを走らせるのに、このゲームの場合だと「減速ボタン」と言う真逆の機能が必須となる。
また、ジャンプがジャンプボタンではなく、十字キーの「上」がその操作を行う、と言う辺りが違う。プリンス・オブ・ペルシャではコントローラの文法がスーパーマリオで慣れた文法とは全く違うのだ。だから「やりづらい」と言う印象になるのだろう。
ハッキリ言う。プリンス・オブ・ペルシャは「パソコンのキーボードでプレイするからこそ」楽しいのだ。要はユーザーインターフェースはパソコンのキーボードに最適化されている。従って、このゲームに限って言うと、パソコンでプレイするのが正しい。
パソコンでプレイすると、基本的に、カーソルキー群の方向入力と、アクションキーとしての「SHIFT」キー以外は全く使わない、単なる2つの入力で間に合うように作られてるのが分かるだろう。非常に優秀なインターフェースなのだ。キーボードに両手でタイプするようにプレイすれば滑らかに主人公は反応してくれる。
ここで貼ってる画像はNEC PC-9801版だが、僕の初プレイはApple Macintosh上だった。「こんな面白れぇPCゲームがあったんか!」とコーフンしながらプレイしたのを覚えてる。
しかもヘタレゲーマーである僕でも当時、キチンとクリア出来たゲームである。制限時間が60分である以上、さすがの洋ゲーでもメチャクチャ意地が悪いようには作っていないのだ。
逆に言うと、凄い上手い人や、あるいは周回して慣れた人だと、1時間以内にゲームをバンバンクリア出来る、と言う、ちょっとライト感覚なアクションゲームと捉える事が出来るだろう。ある意味初見殺しか。
敵と戦いもするが、実はその辺は本筋ではなく、オマケみたいなモノである。と言うのも、このアクションゲームの本懐は、1に如何に素早く迷路を踏破するか、そして第2に、如何に素早く罠を避けるか、にあるから、だ。
今、WindowsならMicrosoft StoreからMS-DOS版を簡単に入手する事が可能である(英語版だけどアクションだから関係ないだろ)。
非常にオススメのゲームである。
(こいつが悪者でボス・笑)