2024年末の日本において、「レフト4デッド2」なる2009年、今から15年も前にリリースされたゲームがどのような状況であるのか?
まぁ、数多くの人がメインで遊んでいるゲームでないことは確かです。「まだそんなゲームで遊んでたの?」と驚く人も多いでしょう。いやそもそもL4D2を知らない人も多いかもしれません。その昔「神ゲー」と呼ばれていたことは知っているとか、ちょっとフレンドと遊んだことがある、という人も多いでしょう。では、全世界ではどんな感じでしょうか?
いま現在でも、L4D2は世界のオンライン上で2万人前後の人がプレイしております。2万人、という数字が対戦ゲームがメインではないL4D2において多いのかどうかは議論の余地を残すところですが、おそらくL4D2に詳しくない多くの人が驚くことでしょう。
分類的には、L4D2の人気は北米と南米、中国でいまだかなりの人気を誇っているようです。北米で人気なのはL4D2が北米で制作され、北米を舞台にしているゲームだから、というのは大きいでしょう。10年ほど前はマルチプレイでゲームに入ると、どう聞いても15歳未満の実にスウィートな声の英語でわめきたてるプレイヤーがわんさか存在していましたが、彼らも今では大人になっているわけで、まぁ今時流行っているゲームをプレイしているでしょうが―…時間の流れには少々感慨深くなってしまいます。
南米では対戦モードが人気なようで、毎週末トーナメントが開かれているような状況であるようです。残念なことに情報源にしていたストリーマーが体調不良で動画投稿を休止しているため、今もってどのような盛況なのか詳しくわかりませんが、南米圏の他のストリーマーたちはウォークスルー動画や考察、対戦モードでのファニープレイ動画などを今も数多くリリースし続けています。
カスタムマップの動画については世界中の非常に多くのストリーマーたちが今も大量に公開しています。おかげで、つい先日に新しいカスタムマップがリリースされたとしても、少し待てば難易度ノーマル、あるいは難易度エキスパートでクリアした動画が公開されることでしょう。中にはわけのわからん難解極まりないカスタムマップや、稚拙すぎて何がなんだかわからない出来のマップもありますので初見でまともにプレイしようとするとエラい目に逢うこともありますが、そういった場合にプレイ動画が大きな手助けになってくれるのは幸いです。おそらく、この世にはほとんどすべてのL4D2カスタムマップの動画が存在しているはずです。中国人が勝手にちょっとだけ改変した程度の違法公開マップは別として。
その中国ですが現在でも非常にL4D2の人気は高く、毎日公開されているMODの半数は中国人によるものだと言えるほど(大半はアニメのスキンを貼り付けた武器とかだったりしますが、、)。なぜまた2024年にもなって中国でこんなにL4D2が人気なのか、日本人である私にはさっぱりわかりませんが、10年以上前にMOD配布サイトで催された中国マップコンテストが引き金になったのか、あるいは萌えアニメ大好きな彼らが欲望とクリエーションを炸裂させる対象としてL4D2が最適だったのか、その人気っぷりは端から見ていて異常なほどです。ただ、先にも申した通りいまやMOD制作において大きなイニシアティブを取っているのが中国であり、素晴らしい見た目の武器MOD(まぁ、最新FPSゲームからの移植ですが)、非常に役立つ効率重視のスクリプト系MOD、そしていまや最高クオリティのものを提供できるまでになった高品質のカスタムマップなど、中華製MODの勢いは今後もますます増していくことでしょう。
では、ここ日本でのL4D2人気はどうか?
残念ながら、北米ほどの根強さも、南米ほどの対戦ツールとしての人気も、中国ほどの異様な熱気も、日本では感じられないのが実情です。
まぁ、当たり前です。かつて「コンピュータゲーム」の覇権を握り、果てしない独裁政権の銀河帝国を構築していながらその過去の栄光にすがるしかない悲惨な現状を招くがままにしている日本のゲーム業界において、15年前にちょっと話題になった程度のL4D2が今もって人気になる理由はひとつもありません。
L4D2の始まりに目を向ければ、当時日本人の誇りと威信を一身に背負っていた(!?)PS3にてL4D2が発売されなかった、どころか、「あんな低スペックなゲーム機でうちのゲームがまともに動くかよ」とValveのエライ人が言ってもーたのだから、そりゃあまぁ、日本でL4D2が覇権を握れるわけがありませんな。日本においてはプレイステーションこそが最高のゲーム機であり、Xbox360なんて好事家しか手を出さない毛唐が作ったゲーム機、PCゲームともなれば「ありゃエロゲ専用機だろ?」みたいな認識しか持たれていないような時代(今もってかもしれません…)で、それを真っ向から否定したゲーム(これ、本当の話ですよ)であるL4D2はやはり一部のマニアに評価されるゲーム、でしかありませんでした。
当時、ここ日本では「ファミ通」なる雑誌が「ゲームの評価を決める媒体」の一翼を担っており、その姉妹誌である「ファミ通Xbox360」にてL4Dのクロスレビューが掲載された際、「まぁまぁいいゲームだけどマップが4つだけじゃあ内容薄いよね」的なレビューが大半だったのを憶えております。所詮、たった一度の通しプレイ程度で評価するしかないレビュアーたちが、L4Dをそう評価してもまぁ、無理からぬことでしょう。「ファミ通」のクロスレビューはそういう視点程度のレビューであり、当時のAmazonのレビューでも同様のレビューだらけだったのも憶えておりますが、結局、協力プレイによるランダム性やリプレイ性といった面はこの時代にはあまり重視されておらず(重視されていたのは雑誌映えする「カメラ固定視点の美麗なグラフィック」と「アニメや漫画から持ってきたようなビジュアルと典型的な宿命を背負った美形キャラ」だった)、L4D2の魅力が雑誌媒体、あるいはおさわり程度のAmazonレビューでは伝わりづらかった、というのは事実ではあると思います(一番の問題はそれらをまるで絶対神の言葉として受け取ってしまう家畜のようなユーザーにある気がしないでもないですが、そういう環境しか知らないのだから仕方ない…)。
が、しかし、SteamがPCゲームのプラットフォームとして徐々に認知されてくると、当時からL4D2をプレイしてきたユーザーたちの高評価レビューがそれまでの状況を一変させていきます。そしてその頃には、L4D2の発売当時には決してわからなかったもうひとつの大きな魅力である、「MOD」が充実しきっており(L4DからL4D2への移行も非常に上手くいったと思います。当時、北米圏ではファンやアンチが騒ぎ立てる異常事態になっていましたが、それらさえL4D2を宣伝するいいニュースになっていましたし、今となってはすでに笑い話だ!)、L4D2は今や「神ゲー」という、まぁ安っぽい言葉ですがゲームとしては最高の賛辞によって称えられるべきゲーム、にまでのし上がっております。……マニアの間では。
結論を述べてしまうと、L4D2を評価しているのはあくまでPCゲームをプレイする「マニア」たちであり、L4D2が決して「バイオハザード」や「サイレントヒル」といった日本で主流のホラーゲームの位置に取って変わることはないでしょう。現状、例えば日本人によるL4D2の動画がYouTubeにupされることもないわけではないですし、対戦モードに夜毎興じているコアなファンの人もおられます。人気配信者がごくごく稀にL4D2を思い出したかのように配信プレイすることもないわけではないですし、まだ駆け出しのV-Tuberさんたちが「安上りで楽しめる協力型ホラゲ」としてL4D2をマルチプレイしていることも多いです。
ですが、まぁ、日本においては、L4D2は今もって人気ゲームである、とはとても言えないのが現状です。しかし、日本ではそれでいいのです。と、いうより、L4D2にとってはそれでいい、というのが今もって毎日L4D2をプレイし、動画を公開し、自分で書いててもわけわからん記事を出してる私の正直な感想です。このゲームが日本で一般に幅広く理解されるはずがない! その必要もない! それはもう、日本のゲームの歴史や趣向、現状、ニーズ、L4D2をL4D2たらしめている要素、それらすべてがL4D2を隔離された世界での「神ゲー」という安っぽい言葉でくくられた位置に押し上げ、そこから決して離脱することはないからです。
しかし、それだからこそ、今もL4D2をプレイしているファンは毎夜、L4D2をプレイし続けているのかもしれません。