バスターミナルなブログ

全国のバスターミナルやバス旅の紹介(※ブログ内のデータは原則として撮影時のものです)

「WILLER EXPRESS」新4列シート WK153便

2023年05月18日 | バス旅(乗車記)


東京ディズニーランド・バスターミナル・ウエスト 21時10分発
「WILLER EXPRESS」 WK153便 関東→関西


高速バスのシートに力を入れる「ウィラーエクスプレス」に、新しい4列シートが登場。

その新しいシートを体験してみたくて、バスの始発となる東京ディズニーランドまでやって来ました。

今回は、2023年4月28日に登場したばかりの「WILLER EXPRESS」新4列シート便に乗車して、大阪梅田まで向かいます。



こちらが、その「新4列シート」を搭載した新車両。(海老名SAで撮影)

三菱ふそうのエアロエースで、行先表示が白色LED仕様となっているのが特徴です。

まだ、関東~関西間1往復の夜行便でしか、乗る事が出来ません。



受付を済ませ、車内へのステップが上がりました。車内の全景はこんな感じ。

座席の頭部を覆うカノピーが大型されたため、それがとても目立ちます。



新シートに注目してみます。

ベースになっているのは、安定した人気を誇る「リラックス」シート。

随所で改良が加えられています。



まずは、大型化された「カノピー」。

これまでの「カノピー」を”顔を隠す”と表現すると、新シートの「カノピー」では、”顔を覆う”と表現出来ます。これにより個室感がアップしました。更に、これまでの「カノピー」よりも、高さが15cmほどアップ。内部は1.5倍幅広くなり、圧迫感が低減されました。身長の高い方でも快適に過ごせるのではないでしょうか。また、裏地には、防音性の高いポリエステルを採用。遮音性が向上し、汚れが付きにくくなりました。



カノピー内部下部には「スマホホルダー」を設置。

消灯後のスマホ利用も可能です。

360°回転するホルダーは、丸型の部分がバネで広がるようになっていて、スマートフォンをキャッチします。私の手帳型のスマホケースでも問題なく装着出来ました。ただし、スマートフォンの機種によっては、側面の押しボタンがキャッチャーの部分に当たると、固定した時にボタンが押されてしまう事があるので、その場合は少し位置を調節します。



実際にスマートフォンを取り付けると、こんな感じになります。

ホルダーは回転するので、スマートフォンを横にすることも出来ます。



それから、隣席との「仕切り板」の高さ調整が出来るようになりました。

上記画像は「仕切り板」を下げた状態です。



続いて「仕切り板」を上げた状態です。

これにより、プライベート感を高める事が出来ました。

この「仕切り板」は「下」の状態が定位になっています。必要により、上げて使用する仕組みです。



そして、フットレスト。

使用する際は、靴を脱いで足を置きます。今回の新シートでは、フットレスト横にペダルが設置されました。これを踏むことにより、フットレストの高さを調節出来ます。地味に使い勝手の良かった機能です。

(※一部車両・座席ではフットレストが設置されていない場合があります)



今回の新シート車両では、夜間走行時に完全消灯を”しません”。

そのかわり、常時、青色の間接照明を点灯するのが特徴です。消灯後は室内灯が消えて青色照明のみになります。

完全消灯をしない狙いは、他人のスマートフォンの光が気になったり、暗くて不安になったりすることへの対応です。そこで、眠りの邪魔にならず、スマホの光も気にならない青色の間接照明を採用しました。



あと、リリースには書かれていませんでしたが、今回の車両では、ヘッドレストの形状が変わっていました。

(今まで上位クラスのシートに付いていたタイプでしょうか?)

可動式で、頭と首をサポートします。枕というよりも、首から上をヘッドレストに乗せるとしっくりきます。



と、いう訳で、カノピーを下げ、フルリクライニング、レッグレスト、フットレストを使用した状態です。
(※終点到着後に撮影)

装備をまとめると・・・

・カノピー(大型)
・スマホホルダー
・隣席仕切り板(上下可動)
・リクライニングシート
・ヘッドレスト(高さ可動)
・レッグレスト(高さ可動)
・フットレスト(高さ可動)
・ブランケット貸出
・100Ⅴコンセント
・青色の間接照明
・物掛けフック、網ポケット(シート裏)

・・・となります。



さて、バスは東京駅鍛冶橋駐車場へ。

ほとんどの乗客は鍛冶橋で乗車してきました。乗車率は半分くらい。GWが終わったばかりの平日で、これだけの乗客が集まるあたり、ウィラーの集客力の強さを実感します。

22時00分、東京駅鍛冶橋駐車場を定刻通りに発車。この先の運行について案内がありました。

開放休憩は、海老名SA、長篠設楽原SA、土山SAの3回。最初の海老名SAのみ放送を実施し、それ以降は放送はないそうです。

「海老名SAを出発後に、車内の灯りを暗くするので、就寝の準備は海老名SAまでにお願いします」との事でした。



23時00分、最初の休憩地、海老名SA(神奈川県)に到着しました。

ここで約15分間の休憩です。私はトイレと買い物を済ませ、バスに戻りました。



海老名SAを出発すると、いよいよ車内は消灯。

青色の間接照明が荷物棚の上部を照らしています。確かに、これくらいの灯りならば睡眠の邪魔にはならないでしょう。

早速、スマートフォンをカノピー内のホルダーに装着しました。消灯後に気兼ねなくスマートフォンを楽しめる時代が来るなんて革命的です。しかも、スマートフォンはホルダーにセットするので両手が使えます。これまでのように、毛布を頭から被って、コソコソとスマホ操作しなくても大丈夫です(笑

ヘッドホンの音漏れに配慮すれば、動画だって楽しめます。映画を流せば、私だけのレイトショー。夜行バスの車内で出来る事が増えました。

そういえば、以前、他社の夜行バスで、まったく就寝をしない女性を見た事があります。ディズニーランド発、名古屋行きの4列シート便でした。カップルらしく、隣の彼氏はフルリクライニングして、気持ちよくグースカと寝ているのに、その女性はリクライニングを一切倒さず、耐えるかのように着席していました。何度かの開放休憩でもそのまま寝ている様子がなかったので、おそらく最初から寝る気がなかったのでしょう。

ディズニーランドを満喫して、後は自宅に戻るだけ。しっかりとした睡眠は、帰宅後の自宅でとるつもりなのかもしれません。

それまで、夜行バスという乗り物は、寝て当然だと思っていたので、寝ない選択をする乗客がいた事に目から鱗でした。そのようなタイプの方にも、今回の新4列シート便は、おすすめかもしれません。



ウトウトとしていると、バスの挙動から、高速道路を降りたのがわかりました。

しばらくしてバスは停止しました。ここは、静岡県内の新清水中継所。

ここで乗務員さんは交代です。JRバスが新城(昔は三ヶ日)で乗務員交代をしているように、ウィラーエクスプレスの一部便でも新清水を境に乗務員を交代しています。交代後、床下からはコンコンコン♪と音が聞こえてきました。ホイールのナットを叩いて安全点検しているようです。

出発後は、再び高速道路に戻り、西を目指しました。



深夜2時20分頃に長篠設楽原SA(愛知県)、4時25分頃に土山SA(滋賀県)で開放休憩がありましたが、私は車内で寝て過ごしました。

そして、すっかり明るくなった5時50分、京都駅八条口に到着。ここでは数名の乗客が降車しました。



そして、6時55分、終点のウィラーバスターミナル大阪梅田に到着。

東京ディズニーランドから9時間45分間のバス旅が終わりました。

最後に、ウィラーエクスプレスのシートというと、最近では、シェル型構造の「リボーン」や、電動ゆりかごリクライニングの「ラクシア」など、上位クラスのシートに注目が集まりがちですが、全体で見ると、なんだかんだで馴染みのある「リラックス」が一番の主流です。



元々、レベルの高い座席ですが、これをベースにした「新4列シート」が登場ということで、どんなものかと乗車を楽しみにしていました。

「リラックス」の良いところはそのままに、より快適に、そして車内での過ごし方に新しい選択肢が加わりました。

もちろん、たった1回の乗車では、その全てを知る事は出来ませんが、とても快適に移動が出来た、今回の「新4列シート」の旅でした。

<撮影2023年5月>
 
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ・京成バス 登録の戻った53... | トップ | 【定点】岡山駅西口 2022/08 »