おぼろ男=おぼろ夜のおぼろ男は朧なり 三佐夫 

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豊田尚一写真館の調査記録集

2012-09-16 17:19:15 | Weblog
この粘り強さに感服!
      ―「豊田尚一写真館」調査記録集に寄せて
                安藤 操(歴史民俗研究)
 かつて職場の同僚であった江波戸昌美さんが、定年後のライフワークとして、千葉の写真家草分け豊田尚一に狙いを定めて20年間。
「よくもまあ、憑かれたようにその足取りを訪ねたものだ」
と言うのが、率直な感想です。
 氏は温厚篤実、柔和にして有能な数学教師、数学の本質的な面白さを生徒に伝えようとする実践の記録を門外漢の私にもよく示して下さったのであります。その教師としての熱意は地味でしたが、生徒たちにじわじわと浸み透りました。
 だいぶ前になりますが、お会いした折に
「上野彦馬の古い写真を集めています」と言われて、
「そう言えば、あなたはカメラが趣味でしたね」と会話した記憶が蘇りました、
 おそらくその頃には、すでに豊田尚一の写真蒐集も手がけておられたのでしょう。何しろ20年間の歩みなのです。
 その活動を冊子にまとめられた校正刷りをいただきました。
「なぜ、わたしに寄稿を?」
と、お尋ねしたら
「写真もふるさとの文化ですし、写真集も編集していますからね」と、おっしゃる。
 そう言えば、私は地域に根差す写真集も10数冊編集し、「ふるさと文化研究会」も組織していますからその通りです。
 先ず校正刷りに目を通して、「これは労作だ!」と感嘆しました。
 豊田尚一写真館は千葉県庁が今の市場町に置かれた1年後(明治7年)に開かれていますが、その年を確定する丹念な検証に感心します。
 豊田の業績として注目されるのは、千葉県内の景勝地写真を明治10年の第1回内国勧業博覧会に出品していることです。それを発見したことにも意義があります。
 また、写真館には芸妓がよく見物に来たと言う話も当時の風俗として興味深いのであります。


※友人の冊子に寄せる小文です。


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