大阪・此花区にある「ユニバーサルシティ駅」。
画像参照:https://www.asloc.co.jp/exp/5-14.html
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の玄関口として、多くの人が利用するこの駅ですが、実はそのデザインに込められた深い意図を知ると、また違った視点でこの場所を楽しむことができるんです。
駅に降り立った瞬間から始まる「非日常」
電車を降り、改札を抜けると、まず目に飛び込んでくるのは、開放的でダイナミックな空間。
高く伸びた天井、大きなアーチを描く構造、やわらかな光を受けて透ける屋根材──
それらはすべて、建築家・安藤忠雄氏によって設計されたものです。
安藤氏がこの駅に込めたのは、「旅立ちの高揚感」と「非日常の入り口」という想い。
USJというテーマパークへ向かうワクワクした気持ちを、駅に降り立った瞬間から自然と引き出すために、開放感と光に満ちた空間がつくられました。
帆船をイメージした駅デザイン
ユニバーサルシティ駅のもうひとつの大きな特徴は、「帆船」をモチーフにしていること。
大きく広がる屋根は、風をはらんだ帆のようにデザインされていて、これから冒険に出るような期待感を感じさせます。
画像参照:https://kenchiku-pers.com/photo/universal_city_station/
屋根には、フッ素樹脂でコーティングされたガラス繊維膜材(東京ドームと同じ素材)が使われていて、昼間は自然光をやわらかく取り込み、夜はライトアップによって幻想的な表情を見せる仕掛けに。
この“光と膜”のデザインが、駅全体を明るく、軽やかな印象に仕上げています。
まるで大きな船のデッキに立っているかのような感覚──
そんな空間体験が、テーマパークへの期待をより一層高めてくれるのです。
体験を支えるユニバーサルデザイン
さらに、ユニバーサルシティ駅は名前の通り、ユニバーサルデザインにもこだわって設計されています。
エレベーターの設置位置を見直し、駅前広場から直結でアクセスできるようにしたり、屋根付きの歩道を設けたりと、誰もが快適に利用できる工夫が随所に散りばめられています。
この「誰もが楽しめる入口をつくる」という思想も、USJが目指すエンターテインメントの理念と響き合っているように感じます。
駅そのものが、エンターテインメントの一部になる
単なる交通インフラではなく、「特別な一日」のプロローグを演出する空間。
ユニバーサルシティ駅は、そんな役割を果たすために、細部にまでこだわった建築デザインが施されています。
もしこれからUSJを訪れる機会があれば、ぜひ一歩目から空間の力を感じてみてください。
旅の始まりが、きっともっとドラマチックなものになるはずです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます