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“空間が語る企業の価値”—大原拓弥さんに学ぶ、ブランディングとしての店舗づくり—

2025-06-01 09:00:00 | 日記

現代の店舗は、単に商品を並べて売る場所ではありません。

来店者に「その企業やブランドが何者であるか」を伝える、最もリアルで強力なブランディングの場となっています。

 

経営者であり空間デザイナーでもある大原拓弥さんは、ブランド価値の本質を「空間の持つメッセージ性」と捉えています。

高卒から努力を積み起業した彼の視点には、多くの企業経営者が見落としがちな“空間が語る価値”の本質が詰まっています。

 

ブランド価値は「体験」として空間に宿る

「ブランディングとは、企業が顧客に伝えたい『約束』を一貫して示すこと」-これは大原さんの基本的な考え方です。

その「約束」を最も直接的に、五感を通じて伝えられるのが店舗空間です。

・視覚:ブランドカラーやロゴ、内装の質感
触覚:素材の手触りや商品の陳列方法
聴覚:BGMや空間の響き
嗅覚:香りの演出
動線:顧客の店舗内での動きやすさ

これらが総合的に組み合わさって、顧客の「ブランド体験」として記憶に刻まれるのです。

大原さんはこう言います。

「良いブランディングは、言葉ではなく“空間”で感じ取れるもの。顧客が店に入った瞬間、言葉を交わさなくても『ここは〇〇なブランドだ』と理解できる空間設計こそが、最も強いブランディングです。」



空間が「語る」ブランディングの3つの柱

  1. ブランド理念の「視覚化」

まずは経営者の価値観や企業理念を、目に見える形にすること。

大原さんは、設計段階で経営者と対話を重ね、理念や目指す姿を丁寧に掘り下げます。そこから、

・色彩や素材の選定
・空間のレイアウトや照明計画
・ディスプレイの配置

などに反映し、ブランドの“本質”を視覚的に表現します。

たとえば、環境配慮を掲げるブランドなら自然素材を多用し、清潔感を重視するならモノトーンとガラスを基調に。

こうした空間が顧客の無意識に「信頼」「共感」を生み出します。

 

  1. 一貫性の担保による信頼醸成

ブランディングの最重要ポイントは「一貫性」

大原さんは、店舗デザインが広告やSNS、商品パッケージとズレないように整合性を持たせることを徹底しています。

「ブランドメッセージが店舗の空間で矛盾なく表現されていること。それは顧客の安心感に繋がり、信頼を築く最短ルートです。」

例えば、カジュアル路線のブランドが店舗で過度に高級感を出してしまうと、顧客の期待とズレてしまう。

逆もまた然りです。空間を通じたブランディングは、“言葉の裏付け”としての役割も果たします。

 

  1. 「顧客体験」のデザインとしての空間

ブランディングは「記憶に残る体験作り」が重要です。

大原さんは、「商品だけでなく、そこで過ごす時間や感情こそがブランド価値を決める」と話します。

たとえば、

・店舗の入り口から商品を見て手に取るまでの動線の心地よさ
・スタッフとの自然なコミュニケーションが生まれやすい空間設計
・ブランドの歴史や世界観が伝わる仕掛け

これらすべてが、訪れる人の「ブランド体験」を形成します。

「空間全体がブランドの“語り部”になり、顧客との感情的な繋がりを築く」-これこそが大原さんが考える、最先端のブランディングのかたちです。



経営者にこそ知ってほしい、「空間のブランディング力」

企業が長く愛されるためには、「何を売るか」だけでなく「どんな存在でありたいか」を明確にし、それを顧客に伝えることが不可欠です。

そして、その最もリアルで説得力のある伝達手段が「店舗空間」というメディア。

大原拓弥さんは、経営者が自らのブランド哲学を空間で表現し、その空間が企業の“無言の代弁者”となることを強く推奨しています。

これにより、顧客は言葉以上に深くブランドを理解し、心から共感し、ファンになるのです。

大原拓弥さんの言葉を借りるなら、

「空間は企業の価値を語る、最もパワフルなメディア。そこに込められた想いが、企業の未来を切り拓く。」

これからの時代、ブランドを育てる経営者にとって、空間デザインへの理解と投資は不可欠と言えるでしょう。


海とともに再生を歩む駅 〜「女川駅」が描く希望のランドスケープ〜 震災から生まれ変わった「まちの象徴」

2025-05-31 09:00:00 | 旅行

宮城県女川町の「女川駅」は、2011年の震災で甚大な被害を受けた町の再生の象徴として、2015年に新たに生まれ変わり、

JR石巻線の終着駅でありながら、その先に広がる未来を感じさせる空間です。

画像参照:https://discoverjapan-web.com/article/56206

 

坂茂が描いた、温もりある駅舎建築

設計は建築家・坂茂氏が担当しました。

船のような大屋根が印象的で、海へ視線が自然と導かれるデザインとなっており、

内装には木材がふんだんに使われ、まるで温泉旅館のような温もりを感じます。

 

2階には温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」が併設され、列車待ちの時間も癒しのひとときに変わります。

画像参照:https://discoverjapan-web.com/article/56206

 

海へと続くまち「シーパルピア女川」

駅前には商業施設「シーパルピア女川」が広がり、緩やかなスロープのプロムナードが港へと続きます。

またこの海へと繋がる「レンガみち」と呼ばれるこの道は、海へ開かれた町づくりを象徴しており、

この道の軸線は、初日の出が真正面から見えるように設計されています。

画像参照:https://discoverjapan-web.com/article/56206

平屋建ての店舗が並び、視界を遮らない優しい設計となっております。

 

震災を伝える“日常の中の記憶”

駅舎内には震災記録や復興の歩みを伝える展示も設置されており、

駅周辺には「いのちの石碑」や「女川いのちの森」などのメモリアルスポットがあり、自然と調和しながら、静かに祈りと記憶を伝えています。

 

「終着駅」から始まる旅へ

女川駅は終点でありながら、始まりの場所となっており、建築、風景、そして人々の想いが交わる空間です。

次の週末、海と建築が織りなす風景に触れる旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。


特別な一日のプロローグ〜建築家・安藤忠雄が手がけた『ユニバーサルシティ駅』〜

2025-04-29 09:00:00 | 旅行

大阪・此花区にある「ユニバーサルシティ駅」

画像参照:https://www.asloc.co.jp/exp/5-14.html

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の玄関口として、多くの人が利用するこの駅ですが、実はそのデザインに込められた深い意図を知ると、また違った視点でこの場所を楽しむことができるんです。

 

駅に降り立った瞬間から始まる「非日常」

電車を降り、改札を抜けると、まず目に飛び込んでくるのは、開放的でダイナミックな空間。
高く伸びた天井、大きなアーチを描く構造、やわらかな光を受けて透ける屋根材──
それらはすべて、建築家・安藤忠雄氏によって設計されたものです。

安藤氏がこの駅に込めたのは、「旅立ちの高揚感」「非日常の入り口」という想い。


USJというテーマパークへ向かうワクワクした気持ちを、駅に降り立った瞬間から自然と引き出すために、開放感と光に満ちた空間がつくられました。

 

帆船をイメージした駅デザイン

ユニバーサルシティ駅のもうひとつの大きな特徴は、「帆船」をモチーフにしていること。

大きく広がる屋根は、風をはらんだ帆のようにデザインされていて、これから冒険に出るような期待感を感じさせます。

画像参照:https://kenchiku-pers.com/photo/universal_city_station/

屋根には、フッ素樹脂でコーティングされたガラス繊維膜材(東京ドームと同じ素材)が使われていて、昼間は自然光をやわらかく取り込み、夜はライトアップによって幻想的な表情を見せる仕掛けに。

この“光と膜”のデザインが、駅全体を明るく、軽やかな印象に仕上げています。

まるで大きな船のデッキに立っているかのような感覚──
そんな空間体験が、テーマパークへの期待をより一層高めてくれるのです。

 

体験を支えるユニバーサルデザイン

さらに、ユニバーサルシティ駅は名前の通り、ユニバーサルデザインにもこだわって設計されています。

エレベーターの設置位置を見直し、駅前広場から直結でアクセスできるようにしたり、屋根付きの歩道を設けたりと、誰もが快適に利用できる工夫が随所に散りばめられています。

この「誰もが楽しめる入口をつくる」という思想も、USJが目指すエンターテインメントの理念と響き合っているように感じます。

 

駅そのものが、エンターテインメントの一部になる

単なる交通インフラではなく、「特別な一日」のプロローグを演出する空間。
ユニバーサルシティ駅は、そんな役割を果たすために、細部にまでこだわった建築デザインが施されています。

もしこれからUSJを訪れる機会があれば、ぜひ一歩目から空間の力を感じてみてください。
旅の始まりが、きっともっとドラマチックなものになるはずです。


表参道ヒルズ – そのデザインと照明が織りなす特別な空間

2025-04-26 09:00:00 | 旅行

先日、久しぶりに表参道の街を歩いていると、ふと目に入ってきたのが「表参道ヒルズ」です。

画像参照:https://www.mori.co.jp/projects/omotesandohills/

言わずと知れた、あの洗練されたショッピングモールですが、改めてそのデザインや照明に目を向けると、まさに「ここに来てよかった!」と思わせてくれる空間が広がっていました。

今回は、表参道ヒルズの魅力的なデザインと照明について、その独特な空気感を掘り下げてご紹介したいと思います。

都会の中にある美しいオアシスとも言えるこの場所、細部にまでこだわりが詰まっています。

 

表参道ヒルズとは?

表参道ヒルズは、2006年に開業した、表参道の象徴的な商業施設です。

設計は、あの有名な建築家・安藤忠雄氏によって手掛けられ、彼の代表作とも言えるこの建物は、ただのショッピングモールにとどまらず、そのデザイン性の高さが多くの人々を魅了しています。

全体的に「表参道ヒルズ」という名前の通り、表参道の街並みと調和するように設計されており、周囲の街並みと絶妙に溶け込むような美しいデザインが特徴です。

画像参照:https://www.omotesandohills.com/information/about/architect.html

中に足を踏み入れると、まるでアートのように感じるほど洗練された空間が広がっています。

 

デザインに込められた安藤忠雄の哲学

表参道ヒルズの設計には、安藤忠雄氏の「光」「空間」「自然」の3つの要素がテーマとして反映されています。

その象徴的なデザインのひとつが、内部の「スロープ」です。

画像参照:https://www.omotesandohills.com/information/about/business-space.html

地下1階から最上階まで続くこのスロープは、通常のエレベーターや階段とは異なり、建物内を自由に移動できる空間として、まさに新しい都市空間を体現しています。

また、ガラスとコンクリートをうまく組み合わせたデザインは、光の加減でその表情を変え、昼と夜で異なる印象を与えてくれます。

特に、夜になるとその美しさが一層際立ち、照明が重要な役割を果たします。

 

照明のデザイン – 空間を引き立てる美しい光

表参道ヒルズにおいて照明は、単なる機能的な役割にとどまらず、空間を美しく演出するための重要な要素です。

特に、夜になるとその照明が生き生きと輝き、周囲の環境に合わせて幻想的な雰囲気を作り出します。

例えば、建物の外観に使われている照明の建築と一体化した光は、開業当時からのコンセプト「街との調和」を継承しながらも、施設の新たな個性として街に彩りを添えています。

画像参照:https://www.colorkinetics.co.jp/works/847

デザインと照明の絶妙なコントラストが、モダンでありながらも温かみを感じさせ、訪れる人々に優しい印象を与えます。

内部の照明は、店舗やカフェスペースを一層引き立てる役割を果たしており、光の使い方ひとつで、空間がより落ち着いた雰囲気を醸し出し、来店者に心地よい時間を提供していることが感じられます。

高い天井から降り注ぐ光が、店舗のディスプレイや商品の美しさを引き立て、その空間を一層特別なものにしています。

 

自分の体験 – 照明が生み出す心地よさ

私が表参道ヒルズに訪れたとき、その照明の心地よさに思わず時間を忘れてしまいました。

カフェで座っていると、自然光と人工の光が絶妙に調和し、まるで一つのアートのように感じるのです。

照明が建物全体のデザインに見事に溶け込んでいて、その空間に身を委ねているだけで、リラックスした気分になれ、特に夕暮れ時に照明が灯る瞬間、その美しさは格別で、外の忙しい街の喧騒を忘れさせてくれました。

 

最後に

表参道ヒルズは、ただのショッピングモールではなく、デザインと照明が融合した特別な空間です。

その美しいデザイン、緻密に計算された照明の演出によって、訪れる人々に深い印象を与える場所となっています。

忙しい日常の中で、ふと立ち寄りたくなるような、リラックスできる空間が広がっている表参道ヒルズ。

デザインと照明が織りなすこの空間は、まさに都会の中の小さなオアシスです。皆さんも、表参道に訪れた際には、その魅力を感じてみてください。

 

表参道ヒルズ 詳細
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12-10
営業時間:10:00~21:00
定休日:不定休

参考文献
表参道ヒルズ公式ウェブサイト
安藤忠雄のデザインについて


街に溶け込むデザインと光 〜代官山T-SITEの魅力に迫る〜

2025-04-23 09:00:00 | 旅行

皆さんは「代官山T-SITE」を訪れたことがありますか?

画像参照:https://store.tsite.jp/daikanyama/about/


代官山の落ち着いた街並みの中でも、ひときわ洗練された空気を纏うこの場所。
建築デザインと照明設計が見事に調和した空間は、訪れるたびに新たな発見があります。

今回は「代官山T-SITE」の魅力を、「デザイン」「照明」という視点からひも解きながら、さらに敷地内のおすすめスポットもご紹介していきます。



代官山T-SITEとは

代官山T-SITEは、2011年にオープンした複合施設です。
中核をなすのは、蔦屋書店

そこにはカフェやレストラン、雑貨店、ギャラリーが点在し、「大人のための文化の牙城」をコンセプトに据えています。

設計を担当したのは、クライン ダイサム アーキテクツであり、彼らはこの施設を「街の延長線上」にある場所ととらえ、周辺環境との一体感を重視したデザインを追求しました。


ここでは、買い物や食事といった行為そのものよりも、その間に流れる時間や体験が主役となっています。



街に溶け込む建築デザイン

代官山T-SITEの特徴は、建物同士が点在しながらも、ひとつの統一された世界観を生み出している点にあります。

壁面にはT字型のパターンが施され、白を基調とした外観が緑に映えながらも主張しすぎず、街の風景に自然に馴染んでいます。

画像参照:https://store.tsite.jp/daikanyama/about/

また、建物同士の間には余白がたっぷりと取られ、どこを歩いていても窮屈さを感じさせない設計。
代官山らしいゆったりとした時間の流れを、建築そのものが支えています。



心地よさを演出する照明デザイン

照明にも、代官山T-SITEならではの繊細なこだわりが見られます。

日中は自然光を生かし、施設内に明るさと陰影のリズムを生み出しています。
夕方から夜にかけては、照明が静かに建物と人を包み込み、温もりのある空気をつくり出します。

主張しすぎることなく、しかし確実に空間の雰囲気を高めているこの照明計画。

画像参照:https://store.tsite.jp/daikanyama/about/

光が演出する"居心地のよさ"は、訪れる人たちに穏やかな時間を提供しています。



代官山T-SITEがもたらした影響

代官山T-SITEの成功は、周辺エリアや他都市の施設開発にも大きな影響を与えました。

・本を中心とした文化的なライフスタイル提案

・建築と街並みの調和を重視した施設計画
・目立つイルミネーションではなく、空間の質を高める照明デザイン


これらは、以後の都市型複合施設のあり方を考える上で、ひとつの指標となったそうです。



代官山T-SITE内 お気に入りスポット紹介

ここからは、私が特におすすめしたい代官山T-SITE内のスポットをご紹介します。

◎蔦屋書店(代官山 蔦屋書店)

T-SITEの中心であり、代官山の象徴ともいえる蔦屋書店。
ここは、単なる「本を売る場所」ではありません。
高く積まれた本棚が迷路のように連なり、選書も専門性が高く、ジャンルを超えた出会いを楽しめます。

店内の照明は落ち着いたトーンで統一され、まるで自宅の書斎にいるかのような感覚を覚え、スターバックスとの併設エリアでは、コーヒーを片手に気になる本をゆっくりと読み込むことも可能です。

 

◎IVY PLACE

敷地内の奥に位置するレストラン「IVY PLACE」

画像参照:https://www.tysons.jp/ivyplace/atmosphere/
緑に囲まれたテラス席が人気で、特に朝食やブランチタイムは、代官山らしい穏やかな時間を楽しめます。

建物の外観も周囲の木々と調和するように設計され、夜にはやわらかな照明が店内外をふんわりと照らし出し、静かな会話や読書を楽しむのにぴったりの場所です。

 

◎GARDEN GALLERY

T-SITE内にあるギャラリー施設「GARDEN GALLERY」では、季節ごとにさまざまな展示やイベントが行われています。

画像参照:https://store.tsite.jp/daikanyama/floor/shop/garden-gallery/?srsltid=AfmBOooLWnCmxiVgayNGmhS3UObOyXUQ9D0CFLfi1OH-SEqZGTG0iZm9

白を基調としたミニマルな空間と、自然光を生かした展示方法により、訪れるたびに新鮮な感動があります。

 

最後に

代官山T-SITEは、ただ建物が集まっているだけではない、
街の風景と一体となりながら、訪れる人の「時間」を豊かにする空間です。

建築デザインと照明の力が、そこにいる人の心に自然と寄り添う。
そんな贅沢な体験を、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか?